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『剃刀負け』は何度もあるが『剃刀勝ち』は一度もない僕。その勝ち筋とは…?

デキる男の特徴、みなさんは何を思い浮かべますか?
まず一つは、ドラム式洗濯乾燥機の保有ですね。ここは揺るぎません。

あとは何があるでしょうか。
バシッとジャケットを着こなすこと?筋トレで汗を流すこと?
いいえ、どれも違います。
正解は『髭を永久脱毛していること』ですね。
これからの時代を牽引するための必須条件として、ドラム式洗濯乾燥機を保有していることと、髭を永久脱毛していることが挙げられます。
それらの条件を満たして入れば、各種店舗でポイント還元を受けられる、
なんて日もそう遠くないのかもしれません。

僕が髭の永久脱毛に至った経緯をお話しましょう。
僕の顔面の皮膚は弱々で、耐久度で言えばシュウマイの皮くらいのものです(脆さは愛しさ。愛らしい可愛い肌ですね)。
そのくせ髭は硬くて濃いため、朝の髭剃りではよく『剃刀負け』をしていました。
剃刀『負け』と言いますが、考えてみればこれまで勝ったことなど一度もありません。 良くて『引き分け』です。
どうやったら勝てるのでしょうか。

むっちゃ綺麗に剃れたわ〜」という状態が、勝ちなのでしょうか。
これはどう考えても剃刀のおかげなので、剃刀の勝ちです。
髭が強すぎて、この剃刀では剃れないわ!」という状態が、剃刀に勝ったという状態なのでしょうか。
これは結果として、髭は剃れていないのでどう見ても自分の負けです。
どうすれば人類は剃刀に勝てるのでしょうか。

その勝ち筋を一つ、僕は見つけてしまいました。
それは『剃刀を必要としない事』です。
髭剃りを行なってしまっては、上記の通りどう分岐しても剃刀の勝ちです。
髭剃りを選択した途端に『END No.1 剃刀負け』に向かいます。
ならば手は一つ。『戦わない事』なんです。
そう、不戦勝を狙うしかありません。
剃刀にとって最大の屈辱は、『使われない事』なんですね。この辺の感覚は人間と似ていますね。必要とされることは、生きる喜びに直結し、その逆も然りです。

というわけで早速僕は、髭脱毛を行う『ゴリラクリニック』という医院に予約を入れました。
脱毛をする前には鼻髭を伸ばして見たりと、その余裕っぷりを見せつけながらその日を待ちました。
誰に見せつけるようにって?そりゃあ、剃刀にでしょう。
伸びている髭を見て、剃刀は僕の事を剃りたくってたまらなかったことでしょう。
この時からすでに、剃刀と僕との心理戦は始まっていました。

来院の日がやってきました。
クリニックでは丁寧に脱毛に関する説明を受けた後、早速施術が行われました。 28年間生きて来て、顔面にレーザーを当てる日が来るなんて思ってもいませんでした。 初めての顔面レーザーが『スナイパーに遠くから銃で狙われる時におでこに出るアレ』で無くて良かったです。

ちょっとだけ怖かったですが、剃刀に勝つためには手段を選んでいる場合ではありません。 決して安いとは言えない施術費用を支払う手にも、手に汗を握ります。 (手に汗を握った本当の理由は、施術費用が想像の3倍くらい高かったからです。この辺の心の変化を相手に悟られないように振る舞うのは、デキる男の条件ですよね。ということはデキる男はきっと、ババ抜きとか強いはずです。)

噂によれば髭の永久脱毛は『痛い事』の代名詞であると聞きます。
「輪ゴムで弾かれたような」「針で刺されたような」といった、
安寧なこの世界とは思えないような形容詞で語られる行為みたいです。
悪い事をした暁に落ちる地獄には、『髭脱毛地獄』を用意すべきかもしれません。
針山の上を歩いている人がいる横で、髭の脱毛をされている人がいる。釜茹で地獄の待機列には、脱毛が終わりお肌がテュルテュルになった人が多数。
なんと恐ろしい光景であることか。

1回目の施術では「メディオスター」と呼ばれる、
そこまで痛くない方のレーザーを当てられました。
初回の施術から『髭脱毛地獄』を味わせてはくれないみたいです。
それでもレーザーを当てられる度に「パチッ」という痛みはありました。
しかし、これは僕の痛みではありません。
僕の髭の痛み、いいえ、僕の所有している『剃刀の痛み』なのです。
確実に負けの道を歩み始めた、剃刀が感じている痛みです。
この痛みの先にあるものは、渇望した『確かな勝利』なのです!

ちなみに、めちゃくちゃ痛いと評判の「YAGレーザー」と言うものは、2回目以降の来院でしか使えないらしいのです。一元さんお断りというやつですね。
1回目からフルパワーを味わってしまっては、次回以降の来院が嫌になってしまうからなのか、と僕は邪推をしています。
2回目の施術の予約はもちろん、YAGレーザーを僕は選びました。
笑気麻酔という、鼻から吸い込んで痛みを感じにくくするバフをかけないと、
痛みに耐えられない人は多いそうです。
自ら喜んで髭脱毛地獄に堕ちて行った僕は、果たしてどうなってしまうのでしょう。

次回、「YAGレーザー 〜髭脱毛地獄編〜」をお送りします。
完全に剃刀に勝てる日はやってくるのでしょうか。
ちなみに施術の費用は30万円(※髭の全部位永久脱毛としては適正価格っぽい。多分)くらいしましたね。あれだけ嫌っていた僕の髭にも、30万円の価値があったということです(違います)。
課金をすれば剃刀に勝てる時代なのです。
みなさんも髭の永久脱毛をしてみてはいかがでしょうか。
それでは、地獄編に続きます。

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