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オンライン陶芸教室にチャレンジ

福島県の伝統的工芸品、大堀相馬焼の窯元さんたちが、Zoomを使ってオンライン陶芸教室を開催してくれるというので、参加してみました。

WEBから申し込むと、ゆうパックで粘土と粘土板、ヘラが送られてきました。自分で用意するのは、下敷きの新聞紙、湿らす用の濡れタオルと霧吹き、粘土に銘を刻む用の竹櫛など。

ご指導いただくのは、大堀相馬焼いかりや窯を経営するいかりや商店13代目店主、山田慎一さん。

陶芸には興味があったものの、近所の教室はもちろんのこと、生産地の現地に行って習うのは、なかなか都合もつけづらい。ずるずると行かずじまいだったのに、自宅にいたままプロの窯元さんが教えてくれるというのは、なんと贅沢な。

マグカップ、お皿、湯呑、小鉢の4コースから、今回は小鉢を選びました。送られてきた粘土の量が多かったので、小鉢は2個作ることに。

器の土台から、手びねりで作っていく工程を、Zoomの画面越しで教わりながら進めていきます。指の使い方から丁寧に教えていただきました。手の動きは画面でアップにできるから、オンラインのほうが伝わりやすいかもですね。

1時間ちょいでできあがり。不格好なのは初心者なのでご愛敬ってことで。

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乾燥させてから窯元さんへ返送すると、2か月後くらいに焼かれた状態で完成品として戻ってきます。材料費、受講料、送料込々で¥3,520。リーズナブルです。

大堀相馬焼は、現在の福島県浪江町で江戸時代から栄えた工芸品でしたが、東日本大震災で浪江が原発被災地となってしまったため、窯元さんたちは福島県内外へ散り散りになりながら、製作を続けています。

復興庁の事業で、大堀相馬焼復活のプロジェクトに携わっていた関係もあり、うちの食器も大堀相馬焼のものがいろいろあります。

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窯元さんや職人さんたちそれぞれの事情を抱えながら、新しいことに果敢に挑む人たちもいて、今回のオンライン陶芸教室も、そんな彼らの試みのひとつ。

他の産業もそうですが、いわゆる伝統産業でいまも生き残っているところは、伝統を守りつつ、時代に合わせて変化、進化を遂げてきているからです。大堀相馬焼の特徴のひとつ、二重焼という二重底の構造も、江戸時代末期になってから編み出されたものだそうで、300年の歴史でいうと、後半に差し掛かるタイミングでに生まれた技法ということです。

復興庁のプロジェクトでは、職人の手の動きをセンサーで読み取って電子化による技術伝承を検討したり、職人と商売人の階層を整理して産業としての現代化を試みたり、次世代への進化を窯元さんたちと試行錯誤しました。

オンライン教室も、人材育成に向けて何かのヒントにつながるかもしれません。ゴールデンウイーク中の実験的な取り組みとのことでしたが、ぜひレギュラー化していただきたいところです。



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