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海・飲み屋・夢

【前回のあらすじ】

 毎日どうしようもない不安に押しつぶされそうだった憂鬱な感情は、スネ毛をピンセットで抜くという行為によって新しく前向きなものへと生え変わろうとしていた。


 じわじわと5月の終わりが見え始めている今、自分は何かできているのだろうかと考える。考えているだけでは何も改善しないこともわかっているんだけど、考えることもやめたらそれこそ生きている意味がないんだろうと、そんな毎日だ。
 今日は1ヶ月半ぶりくらいにパソコンを開いた。今日の文章もパソコンから打ち込んでいる。家族に就活のことを聞かれるたび、遠くに行くことばかり考えている。海が見たくて仕方がない。実家は海のない県にある。
 大学の頃は、行き詰まるたびにレンタカーで海に行っていた。友達とも行ったし、ひとりでも何度も何度も行った。道が混むので夜ばかりだった。今のところ具体的な人生の目標は見えないけど、そのうち海の見えるところに住みたい。そんなことばかり考えている。


 なんだか眠れなくて、午前4時まで起きていた。6時過ぎには家を出て2時間かけて掛け持ちのバイトに向かった。お店を開け、常連のおじいちゃんとダラダラと話して、店を閉めた。
 帰り道、遠くに住んでいる友人が偶然近くにいると聞いて会うことになった。飲み屋のエレベーターで、知らないおばさん2人に話しかけられた。ハイになっていて、相席を提案してしまった。
 2人とも海外移住、コンサル系だった。正直今まで縁がなかったのでビビる。夢や目標を立てろと言われた。神は無条件に愛してくれるということを広めたいと言っていた。今自分に1番ないものだった。
 今は自分が世界に取り残されないようになんとなく生きている。ずっとずっとずっと不安。凪が欲しい。
(↑なんだか息切れしてるみたいな文章。)

 情報量で頭がいっぱいで少し後悔した。人の話を聞くのが自分は好きだけど、夢とか希望とか、正直今の自分には見えない。
 話を聞きながら、燃え殻みたいになっていた。遠くで微かにチリチリとハツが焼かれていく音がした。

 莫大な光から逃げたい。夜の海になりたい。その夢を叶える為に、まずはお金の勉強を始め、投資をして海外に移住しようと思います♪

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