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身銭を切らせずに、本音を聞き出す方法

最近「人は、身銭を切らせたときに、はじめて本音が出る。」という記事が話題になっていましたね。

社交辞令で「行くよ」とか「買うよ」と返事され、実際には買ってくれなかったと言うのはよくある話ですし、書かれている内容は納得です。

ビジネスなら買ってもらってなんぼですからね。

ただ、この記事を読んでアンケートやヒアリングなどのリサーチには意味がないと思ってしまうのは違うかなと。



正しいリサーチの方法

結構間違えている人が多いんですが、初期のリサーチは商品やサービスにニーズがあるかを調べるものではないんですよね。

ある程度の仮説を持ってリサーチに臨まなければ話が散漫になってしまいますが、いきなり「こんなサービスがありますが使いたいですか?」なんて聞いてしまうのは悪手です。

少し想像すればわかると思いますが、友達に対して「全然興味ないし使いたくない」とはなかなか言えないですよね。

初期のリサーチ(特にインタビュー)は

その人は何に困っているのか
その原因は何なのか

を調べるためのものです。

例えば、USJを再建した森岡毅さんはハロウィーンのイベントでターゲットを20代の社会人女性に絞ったんですよね。

これはリサーチから「日本の若い女性はストレスを発散する場所がない」ということが見え、シャイな日本人でも夜に仮装するなら恥ずかしさも減るということでハロウィーンのメインターゲットに据えたという流れです。

他にもマーケティング的に勉強になることが詰まっていますので、気になる方はぜひ。

このように、リサーチを通してペルソナを設定し、自分が考えている商品やサービスがそこにハマるかどうかを考えるという順番が正しいんですよ。

さすがにUSJのような本格的な調査はできないですが、スモールビジネスなら身近な人へのインタビューで十分な成果を出すことができます。

「これは欲しい?買おうと思う?」みたいな聞き方をせずに、とにかくその人の話をじっくり聞くことです。インタビューのコツは、こちらの考えを言わない・押し付けないってことですね。

私は「みんなで事務処理DAY」というゲストハウスにフリーランスが集まって経理作業をするというイベントをやっていますが、これもインタビューやリサーチがあったからスタートしたようなものです。

身近な20〜30代の独立5年目ぐらいまでのフリーランスの中には

自分で確定申告をしているけど正しいか漠然とした不安がある
税理士に丸投げするほどの予算はない
毎年3月10日ぐらいから確定申告を頑張る

みたいな人が結構いることが分かったんですよね。

それなら

何人かで集まって税理士をシェアすればいいんじゃない?
定期的に開催して強制的に作業する日を作ればいいんじゃない?

ということでこのイベントを立ち上げたという経緯があります。

この場合は最初からイベントの案があった訳ではなく、ニーズが見えて来たのでそこにハマるものをリリースしたという感じですが。

実践して仮説を検証する

インタビューを重ねてその人を取り巻く課題や関係性が整理できたら、小さなアクションで良いので実践して反応見ることが大切です。

人は、身銭を切らせたときに、はじめて本音が出る。」でも紹介されているザッポスの例もそうですよね。

やったことは

靴屋で在庫の写真を撮る
webサイトに掲載する
売れたら靴屋から買い取る

という在庫を持たないローリスクのビジネスモデルです。

私がやっている「みんなで事務処理DAY」も原価は場所代の数千円ぐらいですし、失敗したとしてもリスクは知れています。

いきなり大金を突っ込んで実店舗を開業するのはリスクが高いですが、物販であればネットショップを試しに運営するならかなりローコストでできますよね。

コーチングやコンサルティングのような無形のサービスなら副業としても始めやすいですし、SNSなどで告知しながら反応を見ることはしやすんじゃないかと。

ちなみに、いきなりホームページを外注して高いお金を払う必要はありません。SNSで充分広報できますし、凝ったホームページを作るのはコンセプトが固まってからで遅くないでしょう。

ターゲットやコンセプトが固まる前にホームページを作っても、後から修正する必要が出ますし、手間もお金も無駄が多いですから。

まとめ

リサーチもやり方次第では非常に有効ですし、個人的にはリサーチ抜きでビジネスをスタートするのはリスクが高すぎると思います。

そもそも設定したターゲットのことを理解するにはリサーチが不可欠ですから。

もちろん、最終的に身銭を切ってくれるかを確かめる必要もあるので、そこはリスクの少ない形で実験を繰り返すことになります。

リサーチ→仮説を立てる→小さな実験で仮説を検証する

このサイクルを回すことで顧客が本当に求める商品やサービスに近付いて行くのかな、と。

間違っても、まともに仮説検証もせずに大勝負を打つことは止めた方が良いですよ。

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