丸山健二『言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から』
注文していた丸山健二の最新エッセイ集『言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から』(田畑書店)が届きました。『夏の流れ』という作品で23歳という史上最年少(1966年当時)で芥川賞を受賞している小説家です。
透徹した文章と鋭い描写力による小説などと併せて、僕はクルマやオフロードバイクなどによる紀行やノンフィクション作品などを好んで読んでいました。
タイトルからして良いですよね。
『爆走オデッセイ』
『群居せず』
『世界爆走』
あの『夏の流れ』を書いた作家とは思えません。
ずいぶん前に長野の安曇野に転居し、たしかKTMの大型オフローダーで創作の合間に野山を駆け巡っていたグラビアを雑誌で見た記憶があります。
純文学作家であると同時に行動派でもあるところが好みでした。しかし、しばらくするとメディアにも出なくなり、紀行やノンフィクションなども発表されなくなってしまいました。
「思うと、前半生は多趣味でした。オフロードバイクや大型犬や釣りや冒険旅行に明け暮れていました。でも後半生は、なんと庭造りに嵌っています。かつてはバラ一色でしたが、今では野生種のツツジとワイルドローズとシャクナゲなどでまとめ、物する文学作品と同様に進化と深化の方向をめざしているつもりなのですが、はてさて完成はいつになることやら。」(「初めまして」より)
読み進めるのが楽しみです。