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春画の手足は美しい・其の三 -触れると同時に触れられる-

春画の手足は一方通行ではない。一方が触れるとき、それは同時に触れられている。互いの関係が手足のつながりの中で脈打つように行き来する。

登場人物たちの関係や感情の動きは春画の手足にもっとも表れる。手足や指先を見れば、そこに動き続ける「物語」を感じる事が出来るだろう。

 上図:歌川国芳(1798~1861)「当世小紋帳」より|のけ反る女を引き寄せる男。この手足を中心に互いはバランスを取る。つながる手が懸け橋となり男女の思いが行き来する。自身を預けた手とそれを受け取る手。

上図:菊川英山(1787~1867)「あぶな絵」より

上図:渓斎英泉(1791~1848)「あぶな絵」より|春画では、触れる=触れられる手足に込められた力の入れ方で互いの心情や距離を推し量る事が出来る。

僕は、「関係」をテーマに「春画」における手足の表現を引用したシリーズ「the Couple」を制作しています。興味がおありの方は是非チェックしてみてください。 KANEKO SHINICHI www.shinichikaneko.com

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