27歳男性恋愛を諦める②

社会人1年目

 結局、生まれてから大学を卒業するまで1度も彼女が出来ないまま社会人になった。社会人になったらそろそろ彼女が欲しいな、と思っていた。職場恋愛とか先輩の紹介に淡い期待を抱いていた。しかし、現実は厳しく配属されたのは男性ばかりの部署だった。しかも平均年齢40中盤かつほとんどが既婚者だった。これでは無理だと思い、1年目は仕事に慣れることに費やそうと決めた。出会いを求めるのは2年目からにしよう、と。

社会人2年目前編

 2年目になる前の3月、新型コロナウィルスが流行し社会の在り方が変わった。2年目から出会いを求めるという僕の目論見は儚くも崩れ去った。だが、このまま指を咥えて待つわけにはいかないと思い、マッチングアプリをはじめてみた。プロフィールを入力するところや、相手のどんなところに魅力を感じるかなどを伝えるところが就職活動と被って嫌だった。四苦八苦してプロフィールを完成させるも中々マッチングしない。仮にマッチングしても会う約束を取り付けられない。顔が悪いのか、収入が低いのか、プロフィールが雑なのか、話が面白くないのか始めたての僕にはわからない。けれども、ようやく会う約束を取り付けることが出来た。無難な会話をし、LINEを交換した。もしよかったら、また会ってほしいと伝えたが返事はなかった。こんなものか、と思い僕はマッチングアプリをアンインストールした(1度目)。2020年の夏だったと思う。

社会人2年目後編

 時間が経つにつれて仕事がそれなりに忙しくなってきた。コロナも先行き不透明で休日は家で過ごすことも多かった。1人の時間が増えるとそれなりに寂しさが湧き出てくる。やっぱり彼女が欲しいと思い、前回とは別のマッチングアプリをインストールした。2021年の初めの方だったと思う。
 プロフィールの入力には前回同様四苦八苦した。それでも、ありがたいことに会ってくれる女性がいた。トークも弾み、喫茶店で顔合わせをした。その日の晩に明日も会ってほしいと相手から連絡があった。これは初彼女が出来るのでは、と浮かれていた僕は愚かだった。
 相手から指定された店で食事をした。店を出ようか、というタイミングで話があると言われた。告白には早いし、何の話だろうと適当に気にしていた。
「アムウェイって知ってる?」
 衝撃的な一言だった。余りに衝撃的すぎてマスクの下はニヤニヤしていた。適当に相槌を打って解散したが、その後はLINEでアムウェイの紹介をたくさんされた。カモられそうになっていたという事実に虚しさを覚え、彼女を運営に報告した。彼女のアカウントは消えていた。僕も程なくしてマッチングアプリをアンインストールした(2回目)。

社会人3年目

 社会人3年目の終わり、恋愛に興味がないと言っていた友人に彼女が出来た。羨ましいと思い再びマッチングアプリをインストールした。1回目と2回目と別のアプリだ。マッチングした女性は趣味が合うということでとんとん拍子に会う約束に至った。知的で魅力的な女性に見えた。実際に会ってみても話が弾んだ。初めて2回目の約束も取ることが出来た。2人で大阪の美術館に行き、食事をした後に電車で帰った。帰り際に3回目の約束をした。しばらく経って相手に確認のLINEをしたが、既読が付かない。確認するとLINEをブロックされていた。何か不快にさせることでもしたかなと思ったが、確認する術はない。    
 課金の期限も切れかかっていたのでマッチングアプリをアンインストールした(3回目)。

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