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呪会

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人を呪い殺すことができるという、会員制の闇サイト「呪会」の会員であった、 日向亜希子の回りで、次々と人が殺されていく・・・。 彼女は親友たちと共に、事件の真相を暴こうとするが、そ…
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#小説

呪会 第2章

九月半ばになっても降り注ぐ熱を帯びた陽光は、 まだ夏が終わってないことを体感させた。 十…

呪会 第3章

亜希子は中学二年生の夏まで山村亜希子という名前だった。 それが両親の離婚で母親に引き取ら…

呪会 第4章

亜希子もいじめにあっていることに、 手をこまねいているわけではなかった。 だが担任の教師…

呪会 第5章

「どうしたの?アッキー。浮かない顔して」 米倉里美の声で、亜希子は我に帰った。 昼休みの…

呪会 第6章

 バス停は帰宅途中の学生達で溢れそうだった。 通学路だけに20人ほどが入れる 屋根付きの…

呪会 第7章

亜希子の通う学校のすぐ裏手にある喫茶店アシンメトリー。 古びたマンションの一階にある、垢…

呪会 第8章

亜希子は、浅い眠りから目覚めた。 視界に飛び込んできたのは、見慣れた白い自室の天井だ。 カーテンは閉められているので、室内は薄暗い。 窓とカーテンの間から、 日差しがこぼれているからまだ陽は高いようだ。 昨日、バスの車内で呪会からのメールを受け取った。 そのショックのあまり、自分がどういう風に 自宅まで帰ったのか、亜希子の記憶は定かでなかった。 ただ、母親の由実がとても心配していたのを覚えている。 亜希子は帰宅するとすぐ、 食事もとらずに自分のベッドにもぐ

呪会 第9章

缶コーラを一口飲むと、 亜希子はいくぶん落ち着きを取り戻した。 それでもまだ、涙のせいで…

呪会 第10章

雲ひとつない、つきぬけるような秋空の下、 校舎の屋上ではいくつかの生徒たちのグループが …

呪会 第11章

亜希子はバス停に降りると、自宅マンションに向かった。 歩いて5分ほどのいつもの帰り道なの…

呪会 第12章

放課後の教室には、生徒の数はまばらにしかいないかった。 ほとんどが学習塾か部活だ。 西に…

呪会 第13章

来島祥子と加原真湖は同じ学習塾に通っていた。 この日も講義を終え、同じバスに乗っていた。…

呪会 第14章

それは突然の訃報だった。 全校生徒が集められた体育館は 普段とは違う、異様な緊張感に包ま…

呪会 第15章

「お前の友達だったんだな。ガイ者・・・」 喫茶アシンメトリーの店内に、客は少なかった。 マスターの村田はカウンターに座っているのは甥の祐介だ。 サイフォンから注いだコーヒーを、無地の白いカップで彼の前に置いた。 祐介は無言で、ブラックのまま口に運ぶ。 コーヒーを一口すすると、祐介はつぶやくように言った。 「叔父さん、この事件の情報、警察から何か  情報が流れてきてんだろ?教えてくれないか?」 「そんなこと、オレは何も聞いてないよ」 食器を洗いながら、村田は答