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「ジオ・ヒストリア」を読んで。

とても寒い日には、家でゆっくりと本を読むのもいいですよね。

もともと茂木誠さんは好きで、世界史や地政学・政治関係などはよく読んでました。
この本は歴史を「地理」や「地学」他から解釈しているので、ジオ好きにはたまりません♪

ちなみに、以前書いたマガジンの題名は「ジオヒス☆エッセイ」でした。

https://note.com/kando_nuriko/m/m87e2df91e8b1


歴史とは、史料に残された個々の事件(短期変動)を記録することだと考えられてきました。今でも歴史のテストで、事件や年号を出題する先生が多いのはそのためです。本当にうんざりしますね。

「ジオ・ヒストリア」茂木誠著

はい、まさしく、その通りでございます。
歴史の授業は、あまり好きではありませんでした、暗記が苦手で~!!

もちろん個々の事件が歴史の出発点ではあるのですが、そのような事件を生み出した数十年単位の景気変動や人口変動(中期変動)、さらには週百年、数千年単位の気候変動(長期変動)まで考慮すべきだ、と提唱したのがフランスの歴史家フェルナン・ブローデルでした。(略) 歴史学者は専門分野のタコツボから出て、自然科学系の専門家とのコミュニケーションを深め、その最新の知見を歴史研究に取り入れるべきでしょう。

同上

おぉ~確かに!!

「人口変動」も気になるし、「気候変動」が歴史に与える影響まで考えるなんて~~、もう~~好奇心がくすぐられます♪

筆者は「世界史」を受験生に教えてきた予備校講師です。その立場から、必要に迫られて「長期変動」について学んできました。その過程で私自身が「目からうろこ」の衝撃を受けた最新情報を、読者に紹介したいと思ったのが、本書執筆の動機です。まずは太陽と地球の関係から・・

同上

世界史を語る前に、「まずは太陽と地球の関係から」と始まるこの本の、大きな単元は3つに分かれています。

1,太陽と星
2,火山と地震
3,地球温暖化と寒冷化

中でも「2,火山と地震」は、とても興味深かったですね。

実は小学校の遠足で科学館に行って、「地震発生の原理」の模型を見た時の衝撃が忘れられず、その模型を今でも覚えているほどなんですね。

当時、地球にはプレートというものがあって、それが動いて境目に入り込みその境目が引っ張られて、元に戻る時の反動が「地震」であることを知り、怖さと同時に「地球も生きてるんだ!」という、強いショックを受けたものです。

また息子が小学校5年生の時だったかな、ハワイに行ったんですね。
ハワイに行ったら絶対にキラウエア火山が見たくて、まだ煙が立っている現場を直接見てきたものです。あの時は息子よりも、私の方がキャッキャしてましたねw

特に「2,火山と地震」の中の、以下2つの題名に引き付けられました。

①鬼界カルデラ噴火と縄文文化

温暖化で人口が爆発的に増えるかと思いきや、約7300年前を境に西日本では縄文遺跡が激減し、東日本に人口が集中するようになりました。7300年前に日本列島に何が起こったのでしょうか?

同上

それが、海底火山の鬼界カルデラの大噴火だそうです。

わぁ~火山灰が東北の一部まで、ぶっ飛んで行ったなんて~~
そりゃ、九州地域の縄文文化は灰の下ですよね・・・

お借りしました。


で、もうひとつが
④浅間山噴火とフランス革命!

浅間山噴火と同じ1783年6月、アイスランドのラキ火山が800年ぶりに大噴火を起こし、翌年まで続きました。(略) 北西風に乗った火山灰はヨーロッパ大陸でも観測され「ラキのもや」「砂の夏」と呼ばれました。太陽は血の色となり小石のような大粒の雹が降り、硫黄化合物を吸い込んだ人々が呼吸困難になり、欧州各国で死亡率が2・3倍に跳ね上がってます。

同上

浅間山噴火とフランス革命が、どう繋がるの~???と思いましたが
なるほど・・・

同じ地球上での火山の噴火は連動するし、大規模噴火は地球レベルの「気候変動」を起こすことになりますもんね。

フランスは既に1775年から穀物高騰に不満を持つ暴動が続発し、王宮を群衆が取り囲んでいます。しかし国王ルイ16世はすぐに対応せず、同年に始まるアメリカ独立戦争を支援するため軍事介入し、国費を浪費させました。(略)
結局、民衆の不満はブルボン家に向かい、パリ市民のバスティーユ襲撃(1789年)からフランス革命が勃発したのです。

同上

うんうん、確かに、そういうことになりますよね。


実は、もうひとつ!
一番気になった部分が以下で、こちらに備忘録としてメモしておきます。

自然環境の変化は、宗教の変化にも現れます。
北欧神話の神々や森の精霊への信仰は、森林の減少とともに衰えていき、代わってキリスト教の宣教師がやってきます。

1000年頃、古い神々を守るか、キリスト教を受け入れるかでアルシング(全島集会)は紛糾しますが、たまたま近くで噴火活動が起こったのをうまく利用して、キリスト教徒が勝利を収めました。

神道を守るか、仏教を受け入れるかで紛糾し、疫病発生をうまく利用した仏教派の蘇我氏が勝利したという「日本書紀」用明天皇紀の記録を思い起こさせます。

同上

西欧の神話の神々や森の精霊など、美しい多神教はいったいどこに行っちゃったのだろう??とか、なんでこんなにも一神教中心になっちゃったの~??と、ずっと気になっていたのですが・・・

ふむふむ、そういうことだったんですね、なるほど~~!!!


とにかくこの本のおかげで、縄文時代からの「時間旅行」と~~
太陽との関係など宇宙規模の「空間旅行」に~~

家にいながら、行かせていただきました♪

最後までお付き合い下さって、ありがとうございました!!!


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拙い文章を読んで頂いて、ありがとうございました。 できればいつか、各国・各地域の地理を中心とした歴史をわかりやすく「絵本」に表現したい!と思ってます。皆さんのご支援は、絵本のステキな1ページとなるでしょう。ありがとうございます♡