見出し画像

何もなかった話

わたしは、痛みにめっぽう弱い。


去年の春。1ヶ月以上、背中が痛くて、背骨が折れているかと思った。しばらくして、呼吸するだけで背中から肺のあたりまで痛くて、この時点での自己診断は気胸、肺に穴が空いてると思っていた。あまりにも痛いので、ひと通りの仕事を片付けて、入院する覚悟で病院に行ったら、異常なし。綺麗な肺でした。おそらく寝違い。湿布を処方され、貼ってしばらくすると治った。

散々騒いで病院に行ったのに。何もないことは良いことだけど、痛い痛いって騒いでごめんなさい。しかし、嘘はついていないということを信じてほしい。本当に、大人が騒ぐほど痛かったのだ。

こんなことがよくある。


そして年末。排便のときに血が出た。え、痔かな。と。痔と聞くと、なんとなく、男性、しかも、おじさんのイメージがあるのはわたしだけだろうか。(しかし、これはあくまでも勝手なイメージ。ちゃんと調べたところ、日本人の3人に1人は痔らしい。なーんだ、珍しいことではないんだな。)

しかしまぁ、恥ずかしくて誰にも言いたくない。けど、痔になったこともないし、詳しくもないから、今の状態が何なのかも分からなく、身近な人に相談してみた。すると、おそらく痔だと言われた。インターネットで検索しても、おそらく痔だ。がーん。

会社のパートのおばちゃんたちに聞いたが、みんな、自分からは言わないけど、聞いてみたら案外、「あぁ、私もだよ」という感じだった。「つらいよね〜」と共感してくれたり、心配してくれたり、本当に、心のあたたかい人生の先輩たちだ。

おまけに、ひとつ、いいことを教えてもらった。女性は、出産を経験すると、だいたいの場合、痔になるらしい。なんてことだ。かわいそうに。と思った。しかし、この情報を得たことにより、将来、出産してから1人で悩まなくてよくなった。きっと焦らなくても大丈夫だ。みんななってる。これから出産される方へ。痔になるかもしれないみたいです。でも、そうなるかもしれない、そうなる可能性があると知っておくだけで、だいぶ違うと思います。どんと構えていたらいいと思います!

ということで、みんななってるなら大丈夫だと思い、なんとなく過ごしていた。しかし、最近は血便ぽくなってきて、これはやばいと思い、再び会社でパートのおばちゃんたちに相談。
「ストレスじゃない?!」とか「便秘?!」とか「牛乳飲みなさい!」とか、いろいろ心配してくれた。

ストレスか・・・思い当たる節がなかった。自分ではストレスだと思っていないことでも、身体にストレスがきているのか・・・なんだろう。と、しばらく考えて、それがストレスになっている気がした。


上司からも、「元気ないね、大丈夫?」と聞かれるようになり、「顔色に出ているのか!それはやばい!」と思って、病院に行く決意を。

上司には、「痔だと思っていましたが血便ぽくて、元気がなくなりました。明日病院に行ってきます」と告げ、病院へ。

この時点での自己診断は大腸ポリープか、最悪大腸がん。腸にデキモノができて、そこが炎症を起こして出血していると予想。

そして、きっと病院に行ってもすぐには原因がわからないから、とりあえず初日は問診のみで、次の診察の予約を取り、次の診察のときに検便と大腸カメラだろう、そのときに、あの、噂で聞く大量の下剤を飲むのだろうと予想して、大腸がん健診もできる胃腸科の門を叩いた。

実際に病院に行ってみると、スムーズに問診が終わり、お腹を押されて痛いところは無いかと聞かれ、どこも痛くなかった。次に、レントゲンを撮ったところ、お腹に黒い影と白い影が・・・。黒い影はガスで白い影がうんちらしい。おもしろい。とりあえず今日のところは異常がないから、次回大腸カメラかと思いきや、先生が発した言葉は「では、カメラで見てみましょうか」


え、今?!


5分後には検査が始まり、直腸までの検査。
出血の原因がここにあるのか・・と思いながら恐る恐る見ると、「とてもキレイな腸ですね」と言われた。素人の私が見ても、キレイな腸だと思った。人の腸は見たことがないけど、それにしても、私の腸はキレイだと思った。腫瘍も出血も全くない。あれ。えーっと。
そして、お尻も切れていない。イボもない。あれ。

強いて言うなら、少し、赤みのあるところがあるから、ここが軽い痔かな。でも出血も無いからねぇ。と、申し訳程度に痔の診断をいただき、「カサカサのトイレットペーパーじゃなくて、柔らかいトイレットペーパーを使ってください。」という、小学生にもできるようなアドバイスをいただき、見送られた。

いろいろなことを覚悟し、覇気もなく入室した診察室から、「ありがとうございました!!」と元気よく出て行った。


帰りにドラックストアに寄り、先生の言いつけ通り、柔らかいトイレットペーパー、(きっと日本で1番柔らかいであろうトイレットペーパー)"お尻セレブ"を買って帰宅。


結果、大腸ポリープではなく、痔という痔でもなく、軽傷。なんならキレイな腸ですねと褒められ帰る・・・いいんだ。何もないのは1番いいこと。

ただ、「痔です」というのは恥ずかしいが、「痔です」と言ったのに「やっぱり痔じゃなかった」という方も、なかなか恥ずかしい。

共感してくれたパートのおばちゃんたちごめんなさい。わたしはまだ、「辛いよねぇ」という域には達していなかったようです。まだ、いや、まだまだです。
でも、大変だったんです。本当に、トイレで、がーんってなってたんです。もう騒ぎません。

まあ、そんなことも思いつつも、今回は、病院に行って、良いことだらけだった。その中の1つは、普通って何?というところが解決したこと。デリケートな問題って、なかなか口にしづらいもの。

今回わたしは、痔のような症状があり、病院の先生にも問診で「便は硬いですか?」と聞かれた。「(おそらく)普通です。」と答えたが、はて、普通の便とは何だろう。痔のような症状があるのに、わたしは、全く便秘でもなく便の硬さも普通だと言い張った。先生も、困った感じだった。痔は、だいたい、便秘で便が硬くなってお尻に負担がかかっているのだ。もしかすると、わたしの思っている"便の硬さの普通"もしくは、わたしの思っている"便秘の基準"どちらかが違っているのかもしれないと思った。そこで、下剤を飲まずに直腸の検査ができたのがラッキー。わたしの直腸には検査時、便が残っており、先生に、正常な便です!とお墨付きをいただいた( ̄▽ ̄)何を言っているんだコイツはと思われるかもしれないが、こんな安心なことは他にないと思った。今までわたしが普通だと思っていたものは、確かに正常だった。これから先わたしは、この普通を信じて生きていけばいい。その"普通"を知っているのだ。普通を確かめるためにも、病院に行くことはオススメ。

意外と、何もなかった時のことって書き留めないので書いてみました。病院に行くのって緊張するし、ちょっと怖い。ましてや検査は、何をされるのか、もっと怖い。誰かの役に立ちますように。

☑️直腸までの検査なら、下剤を飲まなくても出来るので、その日にカメラの覚悟をして行ったほうが良い(直腸までの検査は、全然痛くないし、気持ち悪くもない!大腸の1番奥まで行くと、気持ち悪いのかも。)

☑️カサカサのトイレットペーパーじゃなくて、柔らかいトイレットペーパーを使った方が良い


わたしは、(たぶん)めっぽう痛みに弱い。
大げさなつもりは全くないが、結果的に、大げさだった、ということは、よくある。いや、大げさではないのだけれど、結果的に何もないから、わたしの言っていたことが大げさのようになってしまうことがある、という表現が正しい。

しかし、痛くて大変なのは、人一倍わかるつもりだ。これでまた、人の痛みに優しくなれる気がした。(というのを、だいたい年に3回くらい繰り返します)

先日、26歳の誕生日を迎えました。26歳5日目。大腸カメラいただきました。良い年明けです!

よろしければサポートをお願いいたします!いただいたサポートは、もっと自分を高めて、happyを発信ができるように使わせていただきます!