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あぁ、愛しの文旦

好きなことについて好きなだけ書いてキナリ杯に応募したいと思い、今のところ1番は文旦なので、前にも書いたけれど文旦のことについて加筆して再投稿します。


私の中で今年、ブームが来たのが、文旦。

生まれて初めて食べた。


今まで食べたことのない文旦になぜ手を出したかと言うと、完全に、人の影響である。


大学時代にバイトが同じだった、超かわいい先輩のInstagramに2年前から文旦が登場していてずっと気になっていた。キレイな黄色い、まんまるの、かわいい見た目。さらに、超かわいい先輩が食べているというだけで、なんだかものすごく意識の高い果物な気がしてきた。しかもその先輩は、わざわざ高知からお取り寄せして食べていた。

お取り寄せまでは手が伸びず、2年の月日が経ち、2月のはじめ、近所のスーパーで文旦を発見!ついに憧れの文旦を手に入れた。

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ルンルンで買って帰り、早速その日の夜に食べた。まず、皮を剥く前から、良い香りがする。気分が良い。

念願の文旦だ!と思い、皮を剥く。文旦は、目の前にしても、簡単には食べさせてくれない。焦らしてくる。初めて食べる人はびっくりすると思うが、「これはハズレなのか?」と思うくらい、皮が厚い。厚いどころか、分厚い。リンゴの皮を剥くように、包丁でぐるぐると外側の黄色い皮を剥いていったが、なかなか実に辿り着かない。実があるのか不安になるくらい厚い。皮を剥く前は大きなまんまるだったけど、実が見える頃にはだいぶ小さくなっていた。

後で調べたら、文旦は、約50%が皮らしい。すごく頑丈に守られている。

外の黄色い皮を剥いても、まだ食べられない。中の薄皮も、薄皮と言えど、しっかり厚い。ひとつひとつ丁寧に剥いていく。さらに、これまた立派な種がぎっしり。それも丁寧に取り除く。そしてようやく食べられる。

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文旦の実は、ものすごくしっかりしている。こんなにしっかりしているのに、ものすごく分厚い皮で頑丈に守られている。不思議だ。

文旦の味は、見た目よりすっぱくなく、なんなら独特の甘みがある。柑橘系の中では、水分たっぷりと言うよりは、どちらかと言うとパサパサ系に属すると思う。でも、しっかり水分もある。どっちやねん。とても美味しい。


この日以来、すっかり文旦にハマってしまい、3日が経った頃。たまたま仕事で高知の人にお会いする機会あった。するとなんと、お土産で文旦が!!正真正銘の土佐文旦!ものすごく大きい!文旦を食べたいと願うと、文旦がやってくる。


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わたしは、ひとつのことにハマると集中力がものすごい。食べ物だと、それ以外のものは食べなくなるくらい、ハマる。
文旦も、しっかりハマったので生活の中心が文旦になった。私は、文旦を、夜ごはんの後のデザートとして食べたい派だ。夜の時間を充実させるために、昼休みは、昼ごはんを早く食べ、休憩室で黙々と1人で文旦の皮を剥いている。その日の夜食べる用だ。家に帰って、洗濯機を回している間に、翌日分の文旦もひたすら剥く。お皿に溜まっていく文旦を見ると達成感が湧き、もっとお皿の文旦を増やそうと、洗濯が終わるまでにひとつでも多く文旦の皮を剥く。こんなに剥いたのだから、デザートとは言わず、1食くらい文旦に置き換えてもいいんじゃないかと思うようになり、さらに文旦の消費スピードが速まる。

ひたすらそんなことをしていたらふと、あの懐かしい、"ボタンアメ"って、文旦と関係あるんじゃないかと思った。

ブンタン→ブタン→ボタン

うろ覚えだけど、パッケージに文旦ぽい絵が描いてあった気がしてきた。

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気になって調べると、私が26年間"ボタンアメ"だと思っていたものが、"ボンタンアメ"だということが発覚した。

そしてまぁ、由来は文旦だった。"ボンタンアメ"という名前の衝撃が強くて、文旦との関連は、どうでもよくなった。


そして、文旦とわたしの出会いから2ヶ月も経たない3月末。さらなる奇跡が起きた。わたしは島根県で働いているが、なんと、4月入社の新入社員に高知出身の子がいる。その子のお母様が3月末に旅行がてら会社に挨拶に来てくれたのだ。手には文旦の箱を持っている。

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高知県民の手土産、みんな文旦説が濃厚になる。高知県民のお友達募集します。


わたしの周りでは、文旦を食べたことない人が多く、文旦のことを知らない人も多いけれど、文旦は意外とすごい。人為的交配の多い柑橘類の中でも、文旦は真正の種である。お馴染みのグレープフルーツや八朔・夏みかんなども、先祖を辿ると文旦の血が混ざっている。文旦は偉大だ。文旦の歴史を知ると、より一層、文旦のことを好きになる。
わたしは今、文旦について、けっこう詳しい。本も書けてしまいそうなくらい。需要はないかもしれないが今度、文旦について本を書こうと思う。


そして、文旦にハマるきっかけとなった、大学時代の超かわいい先輩と、文旦がきっかけで数年ぶりに連絡をとった。文旦にハマったことを伝えた。すると、「文旦ハマってくれて嬉しい!!」という謎の喜びと感謝の意が送られてきた。


わたしは高知出身ではないし、家が農家というわけでもないが、たくさんの人に文旦のおいしさを広めたいと思っている。時より押し寄せる謎の使命感だ。文旦のおいしさを目の当たりにし、先輩もきっと同じ気持ちだったと思う。


お父さんにも勧めた。
すると、お父さんも、人生51年間で初めて文旦を食べたらしく、大変気に入った様子。

好きなものは連鎖するのだ。

そういうのが、ちょっとうれしい。

"共感"ということでしょうか。

そこには想像力も働いている気がします。


そして、「文旦って、何と何の掛け合わせ?」と聞いてきた。


なんて良い質問なんだ!!


文旦博士の私としては、学習したばかりのことで、しめしめと思った。


文旦の偉大さをしばらく語るとお父さんは、「もしかして、ボンタンアメって、文旦かな?!」と聞いてきた。


おおー!これは、着眼点が遺伝子レベルで共通している。


「わたしも全く同じことを思って調べたら、文旦が由来だったよ」と教えてあげた。


そして昨日の夜、お父さんから連絡が来た。

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探したのに無いのはかわいそうなので、仕事が終わってから行きつけのスーパーで文旦をゲットし実家に届けた。



文旦を届けてすぐ帰ったが、しばらくしてからお父さんからまた連絡が来た。 

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いいですねぇ〜。これぞ文旦って感じ!文旦に辿り着くまでの時間と、口に入れてからの時間が全く比例しない。それがいい。



文旦にハマってから気にかけて見ると、最近どこのスーパーでも文旦が売られている気がする。


今日も日本中のどこかで文旦の虜になっている人がいると思うと、嬉しくなる。


そして最後に、文旦協会の回し者でも何でもないが、文旦を食べるときの必須アイテムを紹介して終わりたいと思います。

じゃじゃーん。

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ムッキーちゃん。このアイテムがあることは前から知っていたが、わたしは包丁遣いが割と上手な方で、皮剥きに困ってはいなかったため使っていなかった。しかし、これは、まじですごい。なんで今まで使ってなかったんだー!と、ひとりで叫んでしまう。これを開発した人とは仲良くなれそう。使ったことない人は使ってみてネ!これであなたも快適文旦ライフ!


文旦をまだ食べたことのない人へ。騙されたと思って食べてみてください。

誰からも頼まれていないのに文旦のことを熱く語る一般人を見て、「これほど言っているのなら食べてみよう」という人が現れることを心から願っています。


爽やかな、早春の香りがする。

文旦は、おいしい。

※これを読んで文旦を食べたくなってしまった皆様、ごめんなさい。文旦は、2月〜4月に多く出回っているので、今年はもうスーパーで見つけることは難しいかもしれません。。来年のお楽しみに!

ちなみにタイトルの「あぁ、愛しの文旦」は、大学時代バイト先のTSUTAYAのキッズコーナーでリピート再生されていたスポンジボブの「あぁ、愛しのパイナップル」という回をふと思い出しつけました。スポンジボブのパイナップルに対する気持ちに敬意を表しながら、筆の留めとさせていただきます。

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