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芸能裏話 中西正男その2 くろだ煮から

 以前中西正男について書いたら、本人からコメントが来た。おおっ、noteすごい。感動もんや。

 芸能記者、中西正男の文章は、取材をしっかりし、本人へのインタビューもしっかりしているので、おもしろい記事が多く、裏切られることが少ない。noteのこんな私の記事までチェックしているなんて、すごいじゃないか。


 その中西正男がメッセンジャー黒田のYouTube「くろだ煮」に出ていた。

 関西では有名人の二人だが、全国的にはあまり知られていないだろう。私の好きな二人の対談だから、おもしろくないはずがない。けれど、この対談があまり知られていないとは。YouTubeも40分の長丁場なので、最初から見ないまますっ飛ばされるかもわからない。
 そこで、何分頃にどんな話をしているかまとめてみる。「くろだ煮」につけられたタイトル名とだいたいの時間を記す。だまされたと思って、興味を持った部分だけでも見てほしい。


・中西正男の転機 2:10
 デイリースポーツの記者だった中西は、テレビにも出るようになり、2012年に結婚した3日後、異動の話があった。ちょうど井上公造からテレビのレポーターに誘われ、その日のうちに会社をやめることにした。結婚を機に何かを変えようと考えた。まあ、新婦に相談もせず転職を決めたので、今でも妻に頭が上がらないのだろう。
・芸能記者として 6:37
 11年やってきたのはいろいろな芸人さんとの「えん」だろう。仲の良い芸人さんは多いが、「癒着ゆちゃく密着みっちゃくは紙一重」と教えられてきた。相手との距離を置いて文章にしている。味方ではないが、悪意ある意見に対しては、本人に代わって密着して事実を書いている。
・批判と反論 12:50
 「おまえなんか『吉本の犬』だ」とむちゃくちゃ言われてきた。「金をもらって書いているんだろう」とも言われる。芸人でもタレントでもないのでSNSで反論している。その反論も、最近はおとなしくなったそうだ。
・クレームは? 17:00
 芸能人からのクレームはないだろうか。何か事件があれば話を聞きに行って、「ああ、そういうことだったのか」とわかるので、あまりクレームはない。基本的には年間200組くらい話を聞きに行っている。芸人はそのうちの半分くらい。
・数多の芸能人を見てきて 19:50
 イニシャルトークなどの芸能裏ネタはここ2、3年でほとんどなくなった。テレビで放送しない。芸能人がSNSを使い自分で発言するようになったからだ。それでもテレビに出演できるのは、芸人のすごいところを伝えることに、ある一定の需要じゅようをいただいているから。
 芸人は、人間が悪い人は絶対に売れない。人間がいい人が売れると思っている。
 黒田は、お人好しすぎると芸人はダメ。芸人はとがっている部分がなければダメだと言う。芸能界は、「みんなで売れましょう」の世界ではない。
 後半は、二人の芸人論、人間論が聞かれる。
・吉本興業のトップニュース 27:36
 吉本の今までで一番強烈な事件は、と聞かれて、「島木譲二(1944~2016)の離婚」と答えた。チュートリアル徳井や次長課長河本の問題、黒田自身の事件もあったのになんで島木さんかと聞かれての答えは。
 芸能記者になった頃、島木は恐そうだった。取材もしにくかったけど、ちょうど向こうからやってきたので、恐る恐る、「離婚したといううわさがあるのですが……」と聞くと、「ほんまでっせ」と島木が答えた。「いろいろあったけど、悪いのは自分だから、相手のことは悪く書かんといてね」と言われた。この出来事で、人間の深さを知り、以後、芸人をリスペクトするようになった、とのこと。
 黒田が、島木さんは特別やさしい、と言うと、「後に、そんな人ばかりじゃないということを学んだ」と、見事に返していた。
・黒田のツボ 32:38
 黒田は、「中西正男のX(旧ツイッター)がおもしろい」と言う。最後に「~48歳」をいつも書いている。「動くしかない48歳」というテレビ局に向かう記事があった次の記事で、自分の自転車を盗まれた記事があった。動けなくなった「やるせない48歳」と書いているのが芸人たちのツボにはまったらしい。みんな笑って見たという。しかも自転車の写真はママチャリ。 


 前回の上沼恵美子との対談でもそうだが、芸人のツッコミに負けずに返している頭の回転がすばらしい。そして、そこには不断の取材と取材への振り返りがある。
 YouTubeを見ると、この文章(文責は私)とはニュアンスの違う中西正男が発見できるかもわからない。なんせおもしろいのでちょっとのぞいて見てほしい。
 

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