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3.5啓蟄~紫の命生まれて菫咲く

 寒くて長い冬を乗り越え、虫たちが動き出すといわれる啓蟄けいちつ。啓蟄は二十四節気の一つで、固定した日ではなく、年によって違う。今年2022年は3月5日(土)が啓蟄となる。


 啓蟄に虫が出て来ても、周りが雪の世界なら生きていけない。虫だけでは生きていけない。虫が生活できる環境になっていなければならない。
 雪が溶け、緑の草木が芽を出し、花咲かねばならない。草や花も冬の間は姿を消している。何もない世界に緑が生まれ、花が生まれ、そこに虫たちが生きている。虫と植物とで新しい一つの世界をつくりだす。


 緑がぽつぽつ現れた世界を見ながら、ここで一句。

灰色はいいろにみどりじりてすみれ咲く

 雪の溶けた灰色の地面に緑の草が生えてくる。緑は生えても、まだ土の部分も残っている。緑と土が混じっている。去年から残っている枯れ草もある。枯れ草も灰色になっている。灰色と緑、そんな色合いの世界に、鮮やかな紫色でスミレの花が咲いている。
 タイトルの句は、

むらさきいのち生まれてすみれ咲く


 スミレには、いろいろな種類がある。ここ神戸の六甲山系でも、たくさんのスミレがある。淡い紫、濃い紫。鋭角な花、丸い花。白い色のスミレも何種類かある。


 どの紫でも、白い色でも、冬の世界の中では鮮やかに見える。緑の世界でも鮮やかに見える。虫たちにとっては紫の花が桃源郷のように見えるのではないだろうか。
 スミレの花の色を絵画で表現しようと思ってもうまくできない。写真に写しても色が違う。五七五で、読む人に想像してもらうしかない。人間の思いとは関係なく、スミレはみどりの中で生きており、たくさんの種類のスミレは六甲山系のそれぞれの場所で生きている。その土地と一緒になってこそ世界とつがっていられる。世界は、自分一人ではない。

 紫の花の前に生まれた、芽を出したばかりの草木の緑も鮮やかだ。
 緑はヒトに心のやすらぎを与える。緑はヒーリング効果があるともいわれるし、緑の中へ入る森林浴という言葉もある。人類の記憶の中では、緑が大きな位置を占めている。


 人類の祖先は、緑に囲まれた森の中で何万年も暮らしていた。緑の世界で生きていた。人類の記憶の中に緑は当たり前のように存在している。だから、緑の中にいると、ヒトは安心する。
 部屋の中を緑に塗りたくると、ヒーリング効果はあるかもしれないが、本当の緑ではない。新緑の緑の色を出そうとしてもなかなかできない。やはり自然の緑の中にいてこそ、人は心安まるだろう。人と緑が一体化する。

 人と人も一つになりたい。錯覚かもわからないが、一つになったと思うこともある。


 夜の道を車を走らせ、光のない場所で車を止める。何も見えない暗い世界で、暖かい車の中。助手席に手を伸ばし、乳首のあたりに指をわし動かす。小さな声がもれる。服の中に手を差し込み、ブラジャーをたくしあげると、また手を抜く。そして服の上から、はっきりわかる乳首に指を置き、小刻みに動かす。声がれる。次第に大きくなる声。我慢できずに服をはだけ、乳房に直接触れる。そしてまた乳首に指を置き、小刻みに動かす。乳首だけで声を上げる。心を通わせてくれているから、乳首だけで感じるのだろうと、男の勝手な解釈をしながらも心が一つになった気になる。
 長くは続かなかった思い出だが、確かにそのときは自分の心が解放されていたように思う。二人の心がつながっていたのだと信じたい。



 人と人も、人と自然も、一つになれば美しい。美しいものがこの世にはたくさんある。
 そんなに創作もできないから、美しいものを見たら、写真を撮って送る。本当の姿とは違うかもしれないが、美しいものは美しい。


 美しいものを見てほしい。あなたにも私の見た美しいものを見てほしい。この世には美しいものがあふれている。この世もまだまだ捨てたものじゃない。

 美しい写真、美しい言葉。あなたにも見せたかったし、これからの世界を生きる子どもたちにも見せたい自然。


 見出し画像はぱくたそからお借りしました。
 美しい花も美しい風景もある。その美しさを五七五の言葉で表現する。その美しさを写真で表現する。私は男。私にとっては女性の美しい姿に心かれる。女性の美しい写真にも心ときめく。


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