見出し画像

8月15日は「終戦の日」ではない

 いつもは見ないテレビ番組「かんさい情報ネットten.」を見ていると、解説の高岡達之が、「8月15日は『終戦の日』ではない」というのを「タカオカ目線」というコーナーでやっていた。へーっ、そうだったのかと思った。関西限定の番組だから、知らない人も多いと思うので、今回はその番組の内容を解説してみる。

 コーナーのタイトルは、「8月15日を知っていますか」となっている。
「終戦の日」あるいは「敗戦の日」と言っているが、正式には「戦没者を追悼し平和を祈念する日」というそうだ。遺族会は戦争で戦死した人の遺族の会だが、「戦没者」というのは、230万人の軍人・軍属などと、80万人の空襲の犠牲者などを合わせたものだ。8月15日は戦没者約310万人を弔う日として「戦没者を追悼し平和を祈念する日」であり、全国戦没者追悼式を政府主催で行っている。総理大臣が参列し、天皇皇后両陛下が臨席される。国民に対しては、半旗を掲揚し、正午に黙祷することを、政府は「要請」している。
 遺族会と空襲については私も以前に書いた。

 今年の追悼式は日本武道館で行われたが、これは1965年からのことで、それまでは違っていた。最初の追悼式は1952年で、新宿御苑で行われ、1959年からは千鳥ヶ淵戦没者墓苑。1963年は日比谷公会堂。1964年は、なんと靖国神社で行われている。そのころは中国や韓国からの批判はなかった。そして前述のように、1965年からは日本武道館になった。
 テレビの最後には、「8月15日だけじゃない」というタイトルで、「空襲の犠牲者……各地で式典も」として「各地の戦没者追悼式」を紹介していた。6月23日の沖縄慰霊の日は世間に知られているが(と言っても知らない人の方がたぶん多いだろう)、兵庫県の合同慰霊祭と7月9日の和歌山市戦災死者追悼法要の二つをフリップにしていた。「全国で170の追悼式典が開催(総務省より)」と、下に書かれていた。
 兵庫県については、あれっと思った。知らなかったから。で、うろたえて記録も記憶もあやふやになっている。確か兵庫県は3月17日だったけど、3月17日は例年、神戸空襲を記録する会が合同慰霊祭を行っている。遺族会では、10月26日に太平洋戦全国空爆犠牲者慰霊協会が姫路で追悼平和祈念式を行っている。

 各地の慰霊祭も知らなかったし、墓地に行くと、震災の慰霊碑やら空襲の慰霊碑、遺族会の慰霊碑などもいろんな場所にある。

 知らないことが多すぎる。知ったからといってどうなるものではないだろうが、この地に生きているからには、この地の歴史も知らなければならないだろう。
 語り継がなければならないだろう。
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?