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ユニクロが人気な理由

はじめに

今回私はユニクロが人気な理由について論じていきます。みなさんはユニクロと聞いてどんなイメージを持ちますか。「低価格」「シンプル」「品質がいい」などが主に挙げられると思います。ユニクロは、シーズンごとに大ヒット商品を生み出しており皆さんの生活でも活躍してくれるアイテムがたくさんあります。そんなユニクロがなぜ人気なのかをこれから分析していこうと思います。

ユニクロの概要

ユニクロはファーストリテイリングを母体とするアパレル企業である。1949年に柳井等氏が山口県宇部市の商店街にて紳士服店「メンズショップ小郡商事」を開業したことに始まる。その後1960年に小郡商事株式会社を設立し創業の地である宇部以外にも店舗展開を開始した。1972年に息子であり現ファーストリテイリング社長である柳井正氏が入社した。1984年には代表取締役に就任し、広島市内にユニクロ一号店を開業した。当時のユニクロはロードサイドの郊外に着目し、自動車を所有するファミリー層から集客を得た。1988年には顧客の要求する「安くて品質がいい普段着」に応えるために中国メーカーとの取引を模索した。

中国メーカーはスケールメリットを重視することから、当時のユニクロにスケールメリットは小さく取引するメリットに乏しかったため、急速に店舗を増やす必要があった。1991年に柳井氏は、「グローバルな調達体制」を確立するため、小郡商事からファーストリテイリングに社名を変更した。「SPA(製造小売業)」という概念は一般的ではなかったが国内企業として最先発となった。その後、社内コンピュータシステムを稼働し、全店舗に導入していたPOSシステムにより販売数量や在庫の把握を社内システムで完結させる仕組みを作り上げた。

1994年には100店舗体制を確立し、株式上場した。このことから、SPAにおける中国メーカーからの大量仕入れを実現するための販売量の確保に目処を立てた。2000年にはイギリスに進出し、海外事業も開始した。そこから業績を伸ばし、現在ユニクロは国内に810店舗(うちフランチャイズ30店舗)。海外に1502店舗あり合計2312店舗を有する。今やユニクロは国内のみならず海外でも人気を博したブランドになっている。

分析

私は今回ユニクロの事例に対してVRIO分析を使って分析していきたいと思います。VRIO分析(ブリオ分析)とは、企業が有する経営資源に注目するフレームワークである。経営資源を4つの視点から評価し、その企業の強みと弱みについて分析するスキームである。VRIO分析を使うメリットとして、その会社の競争優位性を明らかにできることとともに、強みと弱みを把握できるといったメリットがある。これらのことより、ユニクロは経営資源を豊富に有しており、競争優位性を兼ね備えた企業であるため今回このVRIO分析を利用します。

Value→「経済的な価値」

近年、日本の被服に対する支出は下落している。理由として、衣服への意識の変化や経済的要因が考えられる。その為、ファーストリテイリングが掲げる「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」というテーマは衣服への考え方の変化に寄り添い時代に合ったモノを提供するという点で合っていると考える。さらに、「高品質低価格」という特徴も多くの人のニーズに合っている。

Rarity→「希少性」

ユニクロは他の企業とは違い、SPAを採用している。SPAとは、自社で商品の企画から製造、物流、プロポーション、販売までを一貫して行う小売業態のことである。SPAを採用することで他社には真似できない独自の商品を次々と開発している。この点により、他社との差別化ができており、流通コストの削減などにより低価格で商品を販売できる体制が整っている。

Imitability→「模倣可能性」

 SPAを採用するには大きなコストがかかり他の企業が模倣することが難しい。また、ユニクロは人材の育成にも力を入れており他の企業が真似するには少し時間がかかるような、サービスが提供できる人材教育を行っている。これらのことより模倣可能性は低いといえる。

Organization→「組織」

 組織という点でも、SPAを採用しておりしっかりとした横のつながりがあり、最近ではECへの誘導も含めて顧客が欲しい商品をどこの店舗でも提供することができる体制ができている。先ほども述べたように人材教育の点でもどこの店舗へ足を運んでも同じ基準のサービスを受けることができる。それは海外のユニクロでも同じである。これらの点から組織力も備わっている。

考察

ユニクロは他の企業との差別化によって成長していると考える。特にコラボ商品ではユニクロのファンだけでなくコラボ先のブランドのファンもターゲットにできる。これは海外事業でもいえることで、ユニクロを知らない人でもコラボ商品から認知されることもある。他にもアーティスティックディレクターのクリストフ・ルメールが手掛ける「UNIQLO U」を2016年に発売を開始し、デザイン性にもこだわったアイテムを販売してきた。さらにユニクロは、シーズンごとに売れ筋の商品があり、利益の軸となっている。

ただ商品が売れるだけでなく「ユニクロと言えばヒートテック」などのイメージを作ることで季節の変わり目などに顧客からユニクロを想起させ購入への流れを作ることに成功している。顧客が持つイメージをより良いイメージに変えることで売り上げにつながる。ユニクロは販売員教育の点で顧客へのイメージを良いものに変えるサービスを提供している。どの店舗でも同じ基準のサービスを受けることができることはイメージが定着しやすいため効果的である。CMの起用する俳優や女優にもユニクロらしいといったイメージを持った人物を起用している。

他にも、style hintというアプリから主にファーストリテイリンググループのブランドの服のコーディネートを店舗のスタッフやインフルエンサーが提案し購入へつなげるということも行っており、コーディネートに迷っている人や新しい系統の発見などにもつながるので、ファッションに興味のない人や自信のない人でもユニクロの商品の購入へとつなげることができる。これらのことにより、商品を購入するまでの流れとユニクロに対するイメージによって、年々ユニクロが成長を続ける理由であると考える。

終わりに

ユニクロは、ほかの企業よりもいち早く中国市場に気づき大きなリスクを負って店舗数の拡大をしてきた。このことにより大量生産・大量販売を可能にし、他の企業が模倣することが困難であるSPAの体制を整えた。もちろんこれだけがユニクロが成長した理由ではない。ユニクロは、有名ブランドとコラボしたり、「UNIQLO U」というオリジナルブランドを発売した。有名ブランドとのコラボという点で、最近では「MARNI」とのコラボが人気を博した。価格も、有名ブランドで買うと高い値段であるがユニクロとコラボすることによってより低価格で購入することができる。品質やデザインにもこだわりがあり、比較的安価であることからユニクロのコラボは毎回注目されている。

これらの点で、他の企業が模倣できない体制を整え「Life wear(究極の普段着)」をテーマにサステナブルな取り組みとして環境にも配慮した商品を販売することで多くの消費者のニーズに合った事業展開をして成長できたと考える。先日、ヒートテックなど一部商品の値上げを発表したがこれがどれほど売り上げに影響が出るのかこれから注目していきたい。

参考文献

https://www.fastretailing.com/jp/ir/financial/outlets.html

https://www.fastretailing.com/jp/group/strategy/uniqlobusiness.html

https://media.bizmake.jp/method/about-vrio/

https://the-shashi.com/tse/9983/

https://ikujipapa.net/archives/19461



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