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「ゴール!」は叫ばない-ジュビロ磐田スタジアムDJ 杉山直さん-

「ただいまの得点は、15分、ジュビロ磐田 背番号8!大森晃太郎選手の得点でした!」

ヤマハスタジアムでジュビロの選手がゴールを決めた瞬間、スタンドの大歓声と選手の歓喜の輪でスタジアムは揺れる。その歓喜が落ち着くと、スタジアムDJがマイクを通して叫ぶのが冒頭の台詞だ。

私は未だアウェイ参戦した経験がないので特に違和感は無かったが、あることに気づかされた。ヤマハスタジアムではスタジアムDJの「ゴーーール!」の絶叫が無いのだ。

杉山 直(すぎやま ちょく)さん。
ジュビロ磐田がJリーグに加入した1994年から現在に至るまでヤマハスタジアムのスタジアムDJを務めている。スタジアムDJの草分け的存在と言って良いだろう。

7月26日のSBSラジオ「ヒデとキトーのFooTALK!」に杉山直さんがゲスト出演した。

ヤマハスタジアムでの最初のゴールを覚えているか?というトークの中で、直さんが「『ゴーール!』と一度も叫んだことが無い。」という事実に驚くヒデさんと鬼頭里枝さん。

私は、驚くというよりも「そう言われてみれば。」と気づかされたという感じだった。しかしこれまで何の違和感も無かった。なぜなんだろう?
その理由は、直さんが語った以下の言葉だった。

「ゴールを決めた時、喜ぶのって誰?選手とサポーターだよね?そのとき場内アナウンスごときが『ゴーール!』とか言って歓声を消すのはどんなもんよ?それを煽るのも変だよね?喜びはその人たちの方が喜んでいるよね?」

つまり「選手とサポーターの歓喜の瞬間を邪魔しないため」なのである。

確かに、ゴールでスタンドが沸いた後、直さんの台詞で改めてスタンドは盛り上がる。選手もサポーターも気持ちよくゴールの余韻に浸れている。自分が違和感を感じなかったのは、そういうことなんだ。

もちろん「ゴーーーーーーーーーール!」と思いっきりDJが叫んでスタジアムを盛り上げるやり方だってアリだと思う。
これ一つという正解は無い。
でも、ヤマハスタジアムでは直さんの台詞が合っている。これもジュビロの伝統なのだろう。

長年ジュビロを見続けてきた直さん。
ジュビロサポーターの印象は「チームにも選手にもすごく優しい。」
ヤットさんもジュビロに移籍した後に同じようなこと言ってたなあ。

最下位に沈むジュビロに対し
「あとは上がるだけ。諦められない。(スピラ・スピカのGo Beyondをバックに)突き進め!」とコメント。

次節の湘南戦は直さんのゴール後の台詞を久々に聞きたい。
そして絶対に勝とう。


余談になるが、以前、ヤマハスタジアム以外で直さんに会う機会があった。

2019年11月23日。イオンモール浜松志都呂で行われた「コンサドーレ札幌 vs ジュビロ磐田」のパブリックビューイング。
直さんは司会とDJとして来てくれた。

当時この試合を含めて残り3試合。J1残留には絶対に勝たねばならない試合。荒木大吾の試合終了間際のPKでジュビロ勝利という劇的な幕切れとなった。

大画面に映し出されるDAZNの映像に、ゴール後のいつもの台詞をつけてくれて超盛り上がったことを覚えている。


最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファンサポーターに歓喜が訪れることを願って。


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