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ジュビロを救ったスーパーセーブ-梶川裕嗣-

痛快な試合だった。

7月30日。J1第23節「ジュビロ磐田 vs 湘南ベルマーレ」はジュビロが1-0の勝利で最下位脱出。クリーンシートの立役者は今季リーグ戦初スタメンの「カジ」こと梶川裕嗣 だ。

湘南戦のリベンジ

3年前の夏。ホームヤマハスタジアムでの湘南戦は、怒涛の3ゴールを決められてジュビロは惨敗した。その時の想いは先日noteに綴った。
また、今年は湘南とカップ戦を含めて4回も対戦した。1勝1分2敗でジュビロは分が悪い。最下位脱出もかかっていた。絶対に負けられない。

3人の日本代表と厚い選手層

この試合の直前まで「EAFF E-1 サッカー選手権2022決勝大会」が行われた。湘南からは日本代表を3人も輩出していた。GK谷晃生選手、DF杉岡大暉選手、FW町野修斗選手。その3人がスタメンで臨んできた。特に町野選手はE-1で3得点の得点王。乗りに乗っていた。
そして、ジュビロはルヴァンカップで湘南に2敗しており、その2試合で決勝点を挙げた「ジュビロキラー」池田昌生選手もスタメンに入った。
更に今夏の補強で、鳥栖から中野嘉大選手、名古屋から阿部浩之選手を獲得し早くもベンチ入りした。

一方のジュビロは代表選出選手はゼロ。
しかも、主力のリカルドグラッサと大津祐樹が累積警告で出場停止。「ラッソ」ことファビアンゴンザレスがようやくコンディション不良から復帰したがベンチスタート。遠藤保仁、大森晃太郎、三浦龍輝もスタメンから外れ、山本義道はベンチ外。メンバーが大幅に変更となった。
好材料は、新戦力の松原后がベンチ入りしたことだった。

客観的に観て、湘南の方が選手層が厚く、E-1で活躍した日本代表選手を擁しており勢いがあった。その湘南に勝たねばならないのだ。
試合前の湘南のスタメンを見た時、特に絶好調の町野選手を何としても止めて欲しく、祈るような思いだった。

ジュビロを救ったスーパーセーブ

前半40分、ジュビロに最大のピンチが訪れる。
ペナルティエリア手前で茨田選手のパスを受けた町野選手が瞬時に反転して右足で強烈なシュート。
「やられた」と思った瞬間、横っ飛びしたピンクのユニフォームの右手がボールに伸び、ゴールの外にボールを弾き出した。

背番号24。梶川裕嗣のスーパーセーブがジュビロの大ピンチを救った。

余談だが、この試合こそ下田恒幸さんに実況して欲しかった。「ナーイスキーパー梶川!!」と叫んで欲しかった。

この日のGKは守護神 三浦龍輝ではなかった。
カジは、「アレックス」ことアレクセイ・コシェレフに次ぐ3番手のGKだった。しかし、第17節の鳥栖戦以降はベンチ入りし、GKとしての順位を着実に上げていた。

それにしても痛快だった。

ずっとリーグ戦ではベンチ外のGKとして出番をうかがっていたカジが、日本代表でE-1得点王の町野選手のシュートをスーパーセーブしたのだ。そして、湘南はカジがプロキャリアをスタートした古巣との戦いでもあった。
選手層が厚くなった湘南に対し、一歩も引けを取らない戦いを見せてくれたカジとジュビロの選手達の大活躍にスカッとした思いだった。

熾烈な正GK争い

次節以降カジがスタメンGKになるかはわからない。龍輝はベンチ入りしていたので特段のコンディション不良では無かったと思う。龍輝も次節以降のスタメン奪還に意欲を燃やしているはずだ。

守護神と呼ばれるようになった龍輝も、2020年までの4年間でリーグ戦出場はわずか2試合だった。
一方のカジも出場機会を求めて今年横浜F・マリノスから移籍してきた。先日の「ジュビロTV」で語っていたカジは、控えGKの現状に決して満足していないことを語っており、「真摯に、謙虚に」という言葉を胸に秘めて日々練習に励んでいる。

龍輝もカジも大好きな選手だけにどちらも報われて欲しい。しかし、GKのポジションはたった一つ。これにアレックスと八田直樹も含めて4人でのポジション争いが続く。GKという仕事は本当に過酷だ。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田、そして梶川裕嗣のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。

(トップ画:Phillip KoflerによるPixabayからの画像)


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