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ジュビロ磐田 鹿沼直生の契約更新と来季への希望

2022年のジュビロ磐田は最下位でJ2降格となりましたが、収穫が無かったわけではありません。今年は若手選手の台頭がありました。

鹿沼直生、古川陽介、吉長真優。

特にこの若手3名の活躍は、来季以降のジュビロにとって光だと思っています。

昨年2021年は、J2優勝という最高の成績をおさめたジュビロ磐田でしたが、一方で経験のあるメンバー中心で戦ったため、若手選手が活躍できる場面は殆どありませんでした。

下表に2021年と2022年のジュビロの若手選手(1997年度生まれまで)の出場記録をまとめました。

2021年は、2001~2002年度生まれの選手には全く出場機会が無かったことが判ります(但し、2021年の吉長真優は7月の天皇杯で負傷した影響もあります)。

2022年のJ2で活躍した小川航基(横浜FC)や鈴木海音(栃木SC)も2021年は出場機会に恵まれませんでした。

改めて見ると、2022年の若手選手は軒並み育成型期限付き移籍で武者修行に出ていることが判りますね。

ジュビロ磐田若手選手の出場記録(1997年度生まれまで)

鹿沼直生は12月25日に2023年ジュビロ磐田と契約更新したことが発表されました。今回は2022年の鹿沼直生を振り返ります。

満足できなかった2021年

2020年、当時J3のSC相模原でプロキャリアをスタートし全試合フル出場という素晴らしい成績をおさめ、翌2021年からジュビロ磐田所属となりました。

しかし、ジュビロ一年目の2021年はSC相模原時に比べ、出場機会が大幅に減ってしまいました。

2022年3月に公開されたジュビロ磐田公式YouTubeチャンネルの「DREAMS #1」では以下のように語ってます。

昨シーズン(2021年)の自分には全然満足していない。

ただ、2021年12月5日 最終節のブラウブリッツ秋田戦では、ペナルティエリア外から技ありの逆転ゴールを決めており、2022年に向けて活躍を期待させる予兆はありました。

2022年の目標は以下のように語りました。

「試合にもっと絡んでピッチの上でチームの勝利に貢献すること」

この「DREAMS」を収録した時点で既に、ルヴァンカップ第1節の湘南ベルマーレ戦に出場しており、J1でのプレースピードの速さを実感したものの楽しさと課題を見つけ、今後の勝利に向けての収穫を得ました。

J1デビュー

4月10日、J1リーグ第8節アウェイ湘南ベルマーレ戦でJ1デビューを果たしました。

84分にはジャーメイン良に対し、裏へ抜けるパスを供給してチャンスをつくるプレーを見せましたが試合はスコアレスドローに終わり、勝利には結びつきませんでした。

FC東京戦での劇的弾

鹿沼直生の今季を象徴する試合はいずれもFC東京戦でした。

4月21日・ルヴァンカップ 第5節

プレーオフステージ進出には絶対に勝ち点3が欲しかったこの試合。

前半はスコアレスで終えましたが、後半開始早々に梶浦選手に先制されます。今季のジュビロは、前半や後半の開始早々に失点して追いかけるという難しい試合展開を強いられることが多く、今試合もこのパターンに陥るかに思いました。

しかし、後半23分にファビアンゴンザレスがセットプレーから同点ゴールを決めます。

時計の針は進み、同点のままアディショナルタイムに入り、ドロー決着も覚悟した後半52分でした。清田奈央弥からのクロスを小川大貴金子翔太が粘って最後は鹿沼直生がゴールに流し込んで逆転!

私もヤマハスタジアムで応援していましたが、この試合は5442人の入場者で決して多くはありませんでしたが、劇的勝利にスタンド大興奮のお祭り騒ぎになったことは言うまでもありません。

5月14日・J1リーグ第13節

ルヴァンカップの劇的逆転勝利から約3週間後。リーグ戦でFC東京と再度対戦します。直近のリーグ戦2連敗のジュビロ。またこの試合は年に一回の磐田市小学生一斉観戦授業でもありました。

上原力也のゴールで先制しましたが、後半にかつて同じサックスブルーのユニフォームを纏って戦ったアダイウトンに同点ゴールを決められてしまいます。

この試合J1初スタメンとなった鹿沼直生。またも試合終了間際にそのチャンスはやって来ます。後半43分、鈴木雄斗のクロスがリフレクトし、大森晃太郎からのボールを冷静にシュート。DAZN解説の水沼貴史さんも絶賛のゴールでした。

サガン鳥栖戦でのダイビングヘッド

2022年のベストゲームの内の一つと言っても良い、6月18日 第17節ホームサガン鳥栖戦。前半からファビアンゴンザレスの連続弾で2点を先制。

そして、前半27分、上原力也のクロスをファーサイドでダイビングヘッドで3点目!

FC東京戦2試合連続の劇的ゴール。サガン鳥栖戦でのダイビングヘッド。
今季当初の目標に挙げていた、

「試合にもっと絡んでピッチの上でチームの勝利に貢献すること」

をまさに体現した試合でした。

セレッソ大阪戦での捨て身の退場

しかし、夏場の7月中盤から最終節に至るまで鹿沼のリーグ戦出場の機会は激減しました。この原因についてはよくわかりません。特に7月・8月のジュビロは絶不調に陥っており、この期間鹿沼が試合に絡めなかったのは今振り返ると残念でした。

終盤戦で印象的だったのは、残留争いに入った第30節ホームセレッソ大阪戦でした。

2-2の同点で後半アディショナルタイムに入り、セカンドボールを奪った上門知樹選手が単独で駆け上がりました。そこへ鹿沼が上門選手の足にスライディングタックル。

レッドカードで一発退場となりました。

このプレー自体は決して褒められるものでは無いと思います。上門選手が負傷する可能性があるからです。しかし、敗戦阻止のため、退場覚悟で鹿沼はタックルに行ったのでしょう。レフェリーのレッドカードに対し、すぐさまピッチの外へ出たところからも覚悟の上だったことがうかがえます。

残留に向けて敗戦は絶対に避けなければならなかっただけに、まさに捨て身のプレーだったと思います。

結果的にこの試合が、2022年の鹿沼直生の最後の試合出場となりました。

来季に向けて

2022年はルヴァンカップでの出場からJ1デビューを果たし、リーグ戦での活躍に繋げました。勝利に貢献するゴールも決めることができました。J1でのこれらの実績は、来季への自信になることと思います。

しかし、シーズン後半は試合出場が激減し、2021年に対しトータルではリーグ戦試合出場時間を大きく増やすことはできませんでした。

来季は再びJ2に戻りますが、日本代表コーチでもあった横内昭展監督が就任します。今季J1チームの強度とスピードを経験したことは大きな収穫だと思いますので、横内監督の下で主力メンバーからポジションを奪う活躍を期待しています。

鹿沼直生のような若手・中堅の突き上げが無ければ、ジュビロが再びJ1で輝けることは無いと思います。来季の鹿沼直生の戦いを楽しみにしています。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田の鹿沼直生のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。


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