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ゲームマーケットの宅配業者について

少し物議を醸してしまったので、ゲームマーケットの宅配業者について、分かる限りで書き記します。

駄文であり「多分」という推測の部分もありますので、「おそらく」や「仮に」などの枕詞のある文章は推測の域を出ないファンタジーだと思ってください。念のため。

まずは前提から

これを書いておかないとあらぬ誤解を生みそうなので最初に。
まず前提として、イベント設置の宅配業者が、通常の宅配料金より高い金額を取ることについて、別段「ダメ」と言うつもりはありません。富士山麓の自販機ドリンクが高いように、一部特殊な経緯を考えれば、割高にせざる得ないものはあります。

気になっているのは「本当にその価格や方法が適正なのか?」という部分です。

私は少し疑問に思いましたが、全く問題ないと感じる方ももちろんいらっしゃると思います。それを否定するものでもありません。

ここだけは理解いただけると嬉しいです。

どのくらい利益を得るのか

まず正直に、今回の宅配業者は「高い」と感じました。「今回は」と書きましたが、前回も同じ業者で、感想は前回も同じです。今回の開催に至り、業者が変わらなかった(前回のアサインが緊急回避的なものではなかった)ということで、「今後もこの業者で行くのだろうか?」という不安と疑問から「他に比較的実効性のある方法はないだろうか」と考えたのが個人的な発端でした。

とはいえ「高い」と感じるのは人それぞれの価値観なので、私は物事に対して「高い」と安易に言わないようにしています。そんななかでも、数字を見比べて口をついて「高い」と言ってしまったのが今回の案件です。

見た方によっては「この程度でなんて浅ましい(貧しい)人間だろう」と思われたかもしれません。また、関東以外、特に本州以外のエリアの方にとっては全く以て許容の範囲内の金額であるかと思います。あくまで、関東エリアのいち人間の戯言だと思っていただけると嬉しいですが、不快に思われた方がいらっしゃれば、大変申し訳なく思います。

これより先の記載は、私個人が「高い」と感じた数値的な理由などを書く事になると思います。

ただ、特に数値は本当に概算も概算、予測の範疇を出ない話であることは念頭に置いて読んでいただければ幸いです。何度も言いますがファンタジーです。概算・予測と前置きしたうえで、業者は果たしてどのくらいの利益が見込めるのかなどを、考えていきたいと思います。

差額の確認

実際に今回ゲームマーケットに来ている業者(スマイルワーク/コミックきゃりぃ)と、ヤマト運輸の一般料金の差異を見てみます。

ただ、スマイルワークの価格は、地域関係なく一律である一方、ヤマト運輸はエリアごとに料金が異なるため、一概に比較はできません。

そこで、恐らく最も利用者が多いであろう「関東エリアから同エリアへの配送料金」でその差異を確認していきたいと思います。

料金については、こちらのページを参考にしました。
上がヤマト運輸の標準料金表(関東エリア発)の料金表で、下がスマイルワークの料金表です。

別々のページを行ったり来たり参照するのは面倒くさいかと思いますので、それぞれの関東への発送料金の比較表を作ってみました。

大体60%前後くらいプラスされていることが分かります。
ただ、ちょっと待ってください。

営業所持込+クロネコナンバーズメンバーであれば、150円引きと先ほどのヤマトのサイトにあります。なので、この150円引きを適用した比較表も作ってみました。

最初に「高くても構わない」と書きましたが、だとしても、改めて表にすると想定以上に高いと私は感じました。

恐らく、ヤマトと契約している企業であれば、更に安い価格でヤマト運輸を利用できるでしょう。取次店契約なら、荷物1個につき200円のマージンを受け取れます。要は、スマイルワークはこの表にある差額以上に金銭を得ている可能性が非常に高い(ほぼ間違いなくそう)ということです。
ただ、本当のところは分からないので、差分は「外から見える最低金額」で考えることにします。

どのくらい物量があるのか

では次に、ゲームマーケット2日間でどのくらいの物量(業者を使った搬出)があるか予測してみたいと思います。

■ゲームマーケット2022春
出展者数 610ブース
内エリア出展 57エリア

https://gamemarket.jp/booth/?target_gm=2022s

エリアの出展者は独自に搬出業者を手配することも多く、備え付け業者を使う割合は低い傾向にあるように思います。故にまるっと数を落として、対象数を610-57=553ブースと仮定しましょう。

その内、半数が平均2個の荷物を出すとします。
結果553は変わらないので、わかりやすくするために端数を切って550個、これを2日間で業者が処理した数と仮定します。

正直、私は「もっとある」と思っています。エリア出展しているところも備え付け業者を全く使っていないということはありませんし、出展者だけではなく、買い物に来た来場者も使います。2日で550個予測も、最低ラインじゃないかと考えています。

利用された主なサイズ(金額)帯

では、550個の内訳は?どのサイズ(金額帯)が何個あったのか?これもハッキリとは分かりませんが、100サイズで小箱40個分くらいの大きさなので、体感として100~120サイズがボリュームゾーンであると考えます。

故に、ここは分かり易くするため、120サイズの差額に近い「1個あたり1,000円の売上がスマイルワークに入る」と仮定します。実際はヤマト運輸の料金が配送先エリアによって違うため、同じサイズでも全て同じ差額というわけではありませんし、実際使われるサイズもまちまちかとは思いますが、可能性として、80サイズ以下のものは、手持ちで持ち帰る方も多いと思いますので、利用率は低い、逆に140サイズ以上の荷物は手持ちは難しいので少数であれば利用率が高いと思いますので、この辺からのアベレージとしての予測と、わかりやすさからの数値だと考えていただければ。

売上と利益

前述の内容から、売上としては大体「550個×1000円=55万円」くらいが、外から見て考えうる数値ではないでしょうか。

何度も言いますが、これは予測です。ただ、かなり辛めに出しているかと思いますので、これを下回ることは恐らく無いのではないでしょうか。

もちろんここから、人件費などの経費が出て行くので、「利益」としては2日で40万前後くらいが最低ラインなんじゃないかと思います。

正直、この数字だと「メチャクチャ儲かってる」という印象は無いです。
利益だけ見るなら「まあ、このくらい儲かってもいいかも」とも思うのですが、ちょっと気になることがもう一つあります。

実際スマイルワークがする仕事内容

この対価を得て、スマイルワークがすることは何なのでしょうか?
実際の配送は「ヤマト運輸」がするわけですから、スマイルワークのする仕事は「集荷して近くの営業所まで持っていくこと」です。

荷物は、会場でブースを構えていれば出展者や来場者が持ってきてくれます。ヤマト運輸のように荷物を取りに行くわけではないので、比較的集荷は楽です。きっと。
(エリア出展ならエリアに取りに来てくれる制度があったようですが、結局来てくれなかったという報告も……まあ、取りに行ったとしても会場内なのでそこまで大変ではないですよね)

そして、そうして集めたものを近くの営業所に運んで荷下ろしして終了です。荷物毎に配送先まで持って行くわけではもちろんありません。サポートもしません(それはヤマトがやります)

荷物を持ち込む営業所は車で6分ほどの近距離にあります。
営業所は「ヤマト運輸東京ビルタウン支店」です。
一応、控えから追跡して、この営業所に持ち込まれたことを確認しています。

なかなかの近さです。
荷下ろしの大変さはあるかもしれませんが、カーゴも使っていますし、2~3人居れば余裕でしょう。利益はそこまで大きくはないかもしれませんが、仕事としては原資も少なく、工数も少ない「とても上手な商売」と言えると思います。

まあ、ちょっと気になるのは、恐らく荷物1個当たりの利益としては、大元のヤマトさんより出ているだろうなと。イベント毎の利益のスケールがそこまで大きくないとはいえ、金銭的負担を消費者に課し、労働的負担を運送業者に負わせたうえで、一番利益を得ていると考えると、「高い」と感じてしまいます。

みなさんはどう感じるでしょうか?

疑惑のオペレーション

ここまでは「高い」と感じた理由について書きましたが、ここからは「送付元控えに金額が記されていない問題」について書きたいと思います。

今回、調べるきっかけになったのは、「ご依頼主控」に金額の記載がなかったことが発端でした。

前回の伝票を確認したところ、金額はちゃんと(?)書かれていました。

金額の記載がなければ、送料を経費として計上するための証憑になりませんので、領収書の発行をお願いするために電話をしました。

幸いなことに私は発行に応じて貰えましたが、イベント当日では領収書の発行でも色々あったようです。

※以下、twitterより引用させていただいております。不都合ございましたら削除いたしますので、ご連絡ください(お手数かけて申し訳ありません)

わざわざ転写されないように控えだけに記入するところを見ると、料金を書いていないのは確信行為なのではないでしょうか。

Twitterでこの話をツイートしたところ、今のところ、今年に限っては「料金が記載されていた」という報告は出ていません。

また、「経理上問題がある」という言い分はかなり引っかかります。

考えられるのは、単純に「脱税」をしているということ。
料金を証憑に残さない理由として真っ先に思い浮かびますが、流石に分かりやす過ぎますし、料金表などwebにも乗せているのでバレバレな気がします。

あとは、ヤマト運輸の規約上、割増料金を取っていることがバレたら不味いという可能性。この辺りは後程解説したいと思います。

まあ、後者かなーって感じはありますね。推測ですが。

また、対価として金銭を受け取っている以上、領収書の発行を請求されれば、そこに発行の義務が生じるので拒否はありえない行為です。
(この控えを領収書とみなして、請求を「再発行」と解釈した場合は拒否できるかも?この辺りは法律に詳しい方がいらっしゃれば教えてください)


領収書の発行だけでも一悶着あったようですが、前述した通り、私は幸いにも領収書の発行をしてもらえることになりました。
また、発行請求の電話をした際に、先方(スマイルワーク)の担当者に色々とオペレーションについて聞いてみたので次項に書きたいと思います。

スマイルワークの言

電話の内容を書くと、以下のような内容です。

質問--1


Q:料金が書いていないのは何か考えがあってのことか?
A:料金の記載はたまたまで、現場のミス。料金がちゃんと記載されている伝票もある

担当者の歯切れが悪いのを覚えていますが、「たまたま」「現場のミス」と断言しながらも、「料金がちゃんと記載されている伝票もある」という微妙な言い回しをしてきました。要は「記載されていない伝票ももちろんある(そしてそれは把握している)」ということです。揚げ足取りのような話ですが、そのくらい微妙な言い回しかと思います。ある意味正直なんでしょう。「書くように徹底しています」とか「漏れがあって申し訳ありません」って感じではなく、色々と言葉を選びながら話している感じです。

本当のところは分かりませんが、かなり怪しげではありました。

質問--2


Q:ヤマトの規約では料金を高く提示するのはNGと聞いたがなぜ料金を上乗せしているのか
A:ウチはこのようにやらせていただいている。ヤマトさんとは話をしている。また、当日、宅配ブースに掲示した価格表にも正規のヤマトの料金より高いことを記載している。

「許可を得ている」とは絶対に言わないぞ!という意気込みを感じました。「話をしている」とだけ言います。どんな話をしているかまでは一切言及しません。

実は事前にヤマトさんに電話して、色々と確認していました。
これもたまたまで、スマイルワークに何回か電話しても繋がらなかった(ずっと留守電になる)ので、ヤマトさんへ領収書を依頼しようと連絡をしたついでです。

ヤマトさんからは「契約を交わしたうえで一般料金より高い料金で運搬することはあるが、契約店が一般料金より高い金額を提示して荷受けすることは出来ないはず」と聞いていました。(いちおう、持ち帰りで確認していただくことになり今も確認中のステータスです)

また、こちらは調べて分かったのですが、ヤマト便は「取次店契約」というものがあるらしく、この取次店契約をした店舗は、荷受けする際、一般料金-100円までの料金しか提示してはいけないという規約があるそうです。
取次店契約をした際には店舗に「ヤマト運輸取扱店」の掲示が必須となります。

……?
立ってましたね?ヤマト運輸取扱店のノボリが……

もしスマイルワークが取扱店契約をしていたとしたら、

この料金掲示は大丈夫でしょうか。
そもそも、契約の有無に限らず、自らがヤマト運輸であるかの如きこのレイアウトはダメも気がしますが……

取扱店契約していないとしたら、「取扱店」と書かれたノボリを立てても良いのでしょうか。この辺りの取り決めはわかりませんが、もし契約してないなら、当たり前ですが取扱店ではないので、取扱店と書かれているヤマト運輸のノボリは事実を誤認する元になりそうです。

一応、ノボリについても担当者に聞いてみたところ「前回はコミックきゃりぃのノボリを立てていたが、宅配受付と認識され辛かったので、今回はヤマトのノボリを立てた」と言っていました。確かに宅配受付と認識しやすくなりましたが……

そして、もうひとつ、おおいに気になる点があります。
担当者は「宅配ブースに掲示した価格表にも正規のヤマトの料金より高いことを記載している」と間違いなく言っていて、「そうなんだー」と思っていたのですが、これが全くの嘘でした。

これが当日、ブースにあった料金表です。大きさはA4サイズ。
誰とは言いませんが、先ほど、顎鬚紳士に提供していただきました。
ありがとうございます顎髭紳士。

どこにも書いてないですね。
ヤマトの料金と異なるなんて文言は……。

むしろ、右下の会社名より、ヤマト運輸の方がバッチリ目立ちます。
この内容ですと「これはヤマト運輸のイベント対応価格なだろう」と受け取るかたも少なくないのでは?と思います。

「撤収したいまなら、証拠なんてないだろう」と高を括られていたのでしょうか。あれだけ人が居たのですから、こうやって写真の一枚くらいありそうなものですよね。

質問-3


Q:御社の業務は、近くの営業所まで運ぶだけの業務で間違いないですか?
A:はい、前回は愛知まで一度運んで営業所へ持ち込んでいましたが、配送遅延のクレームも出て、今回から都内の営業所に持ち込むことになりました。

聞いてない「前回めっちゃ面倒なやり方だったんだ話」が出てきました。これはこれで興味深いです。なぜわざわざ、積荷すべてを愛知に持って行く必要があったのか?元々愛知から出張してきているなら、追加コストは微々たるものかもしれませんが、正直、理解に苦しむやり方です。

恐らく、私の質問に対して「効率化の結果」と結論付けたかったのかと思いますが、質問の主旨は「値段の割に効率良すぎじゃないですかね?」というものだったので、以前との比較は関係なく、都内の営業所に持ち込んでいることが分かれば良い訳です。

まさか、その営業所が、ビッグサイトから車で6分の驚きの近さだとは、このとき想像していませんでしたが……。

スマイルワークの担当者は、このような業務の変更やエリア毎の金額負担の有利不利を踏まえて「料金の見直しを検討している」とも言っていました。
次回もやる気満々です。もちろん、料金の改定がされるなら、大歓迎ですが……ヤマトさん……本体を望んでいます(汗)

今後について思うこと

今回の件を踏まえて、利用する側としてはどうすれば良いのか?

「利用者側より先に運営がなんとかせい」という声もちらほらありましたが、恐らく、ビッグサイトに日曜日に入れる業者がかなり限定的で、ヤマトや佐川が直接来られない理由があるのかと思います。

というのも、以前は使えていた「BOXチャーター便」が搬出のみ使えなくなっているのです。これは、ゲームマーケットの運営がNOを出しているのではなく、ヤマトBOXチャーター側から「展示場の都合で日曜は入れなくなってしまって」と実際に断られました。(2年前の話なので、現状はわかりませんが、変わってないからこそのスマイルワークなのではないでしょうか?)

ただ、搬出については、出展者が車を手配して乗り込んでくるようなことは出来ますし、もしかしたらスマイルワークも、同じような立て付けで会場に来ているのかもしれません。

方法その① コンビニを使う

ビッグサイトの周りには結構コンビニが点在しています。
恐らく一番近いコンビニは、エントランスの奥、東棟の手前にあるローソンではないでしょうか?
ゆうパックの取り扱いがあり、都内であればヤマトの一般料金より安いです。(ゆうパックは西に弱いので、九州や沖縄はちょっと高いかもしれません)

数が少数で、軽い荷物や小さい荷物であれば、かなり便利に使えると思います。

ただ、あくまでコンビニなので受付オペレーションは遅め。
みんながここに殺到したら、簡単にパンクするでしょう。
また、時間も19時までなので、出展者の搬出には不向きかもしれません。

方法その② レンタカーとドライバーを確保する

物量がそこそこある場合、ドライバーさえ確保できれば、レンタカー(トラック)を駆使して今回の業者よりは安い金額で撤収することはできるでしょう。

いくつかの出展者でシェアしても良いかもしれません。ただ、シェア数が多くなると、配送先も多くなるので、ドライバーの負担が増しますが(汗)

方法その③ トラックチャーター便を利用する

これは、ぶっちゃけ、今の業者と同じ事を有志でトラックをチャーターしてやる方法です。近くの営業所までチャーターしたトラックで運びます。

恐らく一番大きな13トントラックとかでも、ビッグサイトから6分の場所であれば、3万円前後でしょう。

もちろん、ここにプラスして、ヤマト便の配送料がかかりますが、全部着払いにして、手数料だけ1個につき+100円とか200円もらう形にすれば、十分ペイできそうです。

問題は「誰が仕切るか」そして、「ゲームマーケットとしてそれを許容するか」でしょうか?ちょっとハードルは高そうな気はします。



ちょっと長くなってしまったので、そろそろ締めたいと思いますが、今回のことで「会場の業者は(関東あるいはその近郊住みにとって)高い」という認識は出来たのではないでしょうか。

これを踏まえ、次回は色々な対策が練られると思います。

怖いのは出展者の共通認識として「搬出料金がかさむから、そもそもあまり数を持って行かない」となってしまうことです。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、沢山の方が会場に来て、そして買い物を含め1日あるいは2日間楽しんでいただくためには、商品は「少し余るくらい」が丁度良いと思っています。

もちろん、売り手としては売り切りたい気持ちもあるので、「売り切るのがダメ」と言うつもりはなく、「売り切れるか?余ってしまうか?」そういったギリギリの「数の妙」を探るより、送料のリスクが大きくなることからくる危機管理の方が先に立つような、そんなイベントにはなって欲しくないなと思うばかりです。

そんな感じで、長々と駄文失礼いたしました。

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