見出し画像

本当に新規獲得できる?

なんかモヤモヤするので、ちょっと書いてみようかなと。

「新規獲得」を目的とするとき、色々な考え方がありますが、私が考える一番の近道は「初めての人でもそのコンテンツを存分に楽しむことができる」「魅力が理解が出来る」「そんなものを提供する」ということで、これが一番「ユーザーを定着させる」ことに繋がるんじゃないかと思っています。

そのアンサーが「消えたパンツ」であり、6月に発売になる「ロナエナ」だったりします。

料金を安くするなど入口を緩くする方法もあるかも知れませんが、それって根本的な解決には繋がらないんじゃないかと思うわけです。(まあ、パンツもアークライトさんの頑張りで十分廉価であるわけですが)

増して、市場が広がっている最中にダンピングのようなことをやると、単店舗・単一企業は何かしら利益があるかもしれませんが、その分割を食う店舗も出てくる可能性があるわけで。そうなると、成長の阻害になるかもしれませんし、それが健全であるとはちょっと言い難くなります。

とはいえ、そんな大きな括りで考えようとも思っていないです。他の店舗がどう思っているかは分かりませんが、私は、施策に建前を感じますし、本当に未経験者に訴求したいのであれば、問題は金額ではないと考えています。

ターゲットや需要に反した施策は首を絞める

人は年齢によって持てるものと持たざるものがあります。

たとえば、ウチのボードゲームカフェでは、毎週火曜日は18時まで中高生無料という、まあダンピングと言われても仕方ないことをしています。
ただ、中高生は社会人に比べて比較的時間に余裕があるかもしれませんが、ぶっちゃけお金を潤沢に持っている方が少数派だと思いますし、むしろボードゲームカフェに頻繁に通える中高生が居たら逆に心配になりませんか?なんでそんなにお金持っているんだろうか?と。だからこそ、そういう人に向けて無料施策をやっているわけで、一般化された当該年齢の金銭的価値観に合わせた施策を採択したつもりです。これが習慣となり、彼らがお金を得られるようになったら、そこでちゃんとお金を払って来て貰えれば(ウチじゃなくてもね)それで良いと思っていますし、そもそも現時点でお金を持っていないわけですから、他店舗への影響もさほどないと考えています。

一方で、大人になると仕事の拘束時間は長くなりますが、お金はそれなりに入ってきます。もちろん個人差はありますが、学生時代に比べれば自由になる金額は多くなるでしょう。以前ひろゆき氏が「マーダーミステリーは富豪のゲーム」なんて言っていましたが、まあ、遠からずそういう側面はあると思っていて、ターゲット層はある程度お金に余裕のある社会人であることは否めません。

これに対して「でも、安くすれば色んな人が入ってくるだろう」と言われるかもしれません。もちろん「安いまま続けられるなら」その方が良いでしょう。しかし、コンテンツのクオリティを担保するなら(大したクオリティじゃないだろと言われるかもしれませんが、その大したクオリティじゃないものでもコストはそれなりにかかります)値下げは現実的ではないですし、安い値段で最初に遊んでいただいたところで、値段を理由に遊ばなかった人が、2回目から高い(とその人が感じている)値段を払って来てくれることなど、「皆無」とまでは言いませんが、殆どないのではないでしょうか?

もし、安さを理由に参加した人が「これなら4000円払ってもいい」と思ってくれたならそれはとても素晴らしいことです。ただ、それは作品が良いことが大前提で、注力すべきはシナリオの方だと考えます。いくら遊んで貰えたとしても、初めての方に「無料ならいいけど、4000円ならやらないかな」なんて思われたら元も子もありません。

「可能性が僅かでもあるならやればいいじゃん」と言われるかもしれません。しかし、結局「安く体験させる」ことと「3000円なり4000円なりかかるコンテンツのユーザーを獲得する」ことにあまり相関性は無く、相関性があるのは、値段云々より、「いかに良いシナリオを遊んで貰えるか」もしくは「その人が価値を見出せるシナリオとマッチングさせるか」ということだと思います。

一方で、僅かな可能性のために無料でコンテンツを提供することで、周囲に影響が出ると思います。パッケージであれば1プレイ1パッケージ消費さえ守られれば、あまり周囲にデメリットは無いかもしれませんが(流石に守ってますよね?)、殊ライセンス品となると話は別です。公演数に限らず、買い切りや、月額いくらのような期間付与のライセンス品ですと、購入した店舗は、その作品の公演が成立しなくても費用が発生するわけですから、無料で公演されたらたまったものではありません。これは、販売元も迷惑します。だって、無料でやってる店舗が既にあったら、普通お金出してライセンス買わないですよね?

一回ごとにフィーが発生するライセンス品なら、店舗にとってはさほど問題ないかもしれませんが、版元視点ではやはり影響が出ると思います。無料で回している店舗があれば、いくらその店舗からフィーを貰ったところで、他店では回り難くなるでしょう。

公演価格が一律であれとは言いませんし言えませんが(ウチも他店と少しだけ金額違いますし)不当廉売という考え方もあって、市場価格より著しく低い価格で定常的に遊ばせるのは、まあ、ナシかなと思うわけです。それで市場価格が下がったら、始めた人自身の首も絞めるのではないでしょうか?

ここから先は

791字
読みたい方に届いて欲しい。そんな内容をつらつらと書いて行きます。

マーダーミステリーについて私(かわぐち)の考えや、ちょっとした情報などを書いて行こうかと思います。

サポートは今後のマーダーミステリーの制作に使わせていただきます。それ以前に、サポートは皆さまのダイレクトな応援なので本当に励みになります。ありがとうございます!