見出し画像

新しいジャンルを名乗る方がカッコよくないですか?

元々マーダーミステリーの話なんですが、
マーダーミステリーの話と言えるか分からないのでこっちでつらつら書こうかなと。適当に流し読み推奨です。

ジャンル分けを拒む理由は?

「マーダーミステリーだと思って遊んだものが、自分の思い描いていたマーダーミステリーと違った」というツイートを発端に、私はこういうミスマッチが起きないように、誰がプレイしてもマーダーミステリーと認知できるものでない限り、そこには「カテゴライズ=ジャンル分けが必要」と言ったのですが、それに対して「ジャンル分け不要」という意見がやはり散見されます。

ジャンル分けは、新規ユーザーに適切にコンテンツの入り口を設置でき、既存のユーザにもミスマッチを発生させにくくするため、ユーザーと制作者双方にとってメリットが大きいです。特にユーザーフレンドリー的な視点が強いと思うので、やらない理由は無いと思っています(出来るかどうかは別としても)

故に、「ジャンル分けはした方が良いけど、なかなかすぐには難しいからタグ付けから始めても良いのでは」という意見なら分かりますが、「タグ付けだけでいい、ジャンル分け自体が不要」という言説はちょっと理解しがたく……

ここについて、どういう理由があるのか?という疑問があり、
いただいたご意見や、見かけた内容をまとめるとこんな感じでした。

A1:ジャンル分けすると衰退する

ジャンル分けをすると、プレイヤーの分断が起きて衰退するという意見のようですが、黎明期から(まだぜんぜん黎明期だとも思いますが)見てきた者から言わせてもらえば、マーダーミステリーにはちゃんと「コンテンツ力」があるので衰退はないように思います。(むしろイメージとの乖離や玉石混交すぎてユーザーは想定より増えていないですし、私の周囲ではプレイモチベーションが下がっています)

もし衰退するなら、それはもうコンテンツの力なので仕方ないのではないでしょうか。ジャンル分けの是非とはまた別の問題です。

ジャンル分けによって一時的に、純粋なマーダーミステリーの人口が少なくなったとしても、長期的に見れば入り口が明確になるので、新規を取り込みやすくなると考えられます。

A2:PCの中に犯人がいない 対立と見せかけて実は協力プレイだった 情報共有のジレンマがない そいういったものをマーダーミステリーとして楽しんでいる人は現実にいる

そういう創作も楽しみ方も否定はしません。「楽しめている人」はもちろんいるでしょう。ただ、そういう方々は、そこに「マーダーミステリー」という看板がついていないと楽しめないのでしょうか?

問題としているのは「同じマーダーミステリーの箱に入れてしまっているがために、楽しめなかった人が発生すること」であり、そのための対策の話をしているつもりです。

楽しめている方に「(従来の)マーダーミステリーを求めている方に提供してしまうと不満が出てしまうかもしれないので、ジャンル名を変えますね」と言って反発を喰らうのでしょうか?
反発されるとして、その理由はなんなのでしょう?
何か不都合があるのでしょうか?

ジャンルとして明確に区別され、ユーザーが遊びたい傾向を取捨選択できることに何のデメリットがあるでしょうか?なかなかに不思議です。

あと、正直「マーダーミステリー」というものが、なぜ広まったのか、そのコンテンツの優れた部分がどこにあるのか?が分析できていないのではないか?と思いました。

マーダーミステリーの構成要素はザックリ言うと

  • 推理

  • 当事者性

  • 物語性

  • ゲーム性

であり、ひとつひとつは既存のコンテンツで代用可能です。これらの要素の複合と調和の素晴らしさがマーダーミステリーというコンテンツを形作っているからこそ、「新しいもの」として認識されたのかと思います。

この「新規性」というのは、コンテンツにとって非常に大切で、1つでも要素が欠ければ「どこかで見たもの」或いは、「誰でも思いつきそうなもの」としてここまで広まっていないかと思います。(陳腐化)

三位一体ならぬ「四位一体」でこそ、マーダーミステリーは新しいコンテンツたるのです。余談ですが。

A3:ジャンルで分けたとしてもミスマッチは起こる、ジャンル内でのカテゴライズは必要、カテゴライズがあればジャンル分けが不要

これが本当に自分のバカ頭では理解できなくて、要約すれば「ジャンル分けしたってミスマッチは起こるからジャンル分けは不要」ということかなと思うのですが……。

確かに、ミスマッチがゼロになるとは思いませんが、ジャンル分けがジャンル内カテゴライズ(タグ付け)より上層のカテゴライズである以上、ジャンル分けした方がミスマッチをより低減できますよね?

何度も書いてしまいますが、ジャンル分けの弊害は正直、なにも無いと思います。ジャンルを分けたことで、マーダーミステリーから違うジャンルにユーザーが移ったとしても、それは良い事ではないですか。提供のミスマッチを起こすより全然いい。

マーダーミステリー専門店をやっている私の立場ですら、ジャンル分けをすることで「犯人捜しなんてしたくない!」って方が来なくなってしまったとしても、それはとても良い事だと感じます。望まないコンテンツを提供してまでお金を取ろうとは思いません。

また「ミスマッチがなくなるわけじゃないから不要」というのも分からなくて、「犯罪なんてなくならないから、一定のルールは必要だけど、法律(上層)は不要だよね」って言われているように感じます。

両方整備すればよい話ではないでしょうか……

A4:創作は自由だ、面白ければそれでいい

創作は自由です。ただ、制作時点で、面白いかどうかは制作側の主観でしかないです。

私は、自分が面白いと思うものを提供していますが、それが万人にとって面白いものであるとは微塵も思っていません。(そうあればいいなとは思っています)

故に、「面白いものを提供している」という自負とは別に、最低限の部分ではありますがユーザーイメージを損なわないなど、ミスマッチが起きないように配慮して制作しています。それが遊んでくれる方への誠意だと考えています。

時間を費やして遊んでくれるユーザーが居ない作品なら作りたいように作ればいいでしょう。でも、少なくともマーダーミステリーはそういう性質のものではないと思っています。

また、創作は自由ですが、それがジャンルを荒らしてよい理由にはならないとも思います。実際にミスマッチが(不利益を被る人が)出てしまっているのに、そういう人たちに対して「知るかバカ」って言ってしまっているようなものです。

ラーメン屋はラーメンを出した方が良いと思うんですよね。
ラーメンをオーダーしたのにカレーが出てきて「旨いからいいだろ」って言われてもちろん納得して食べる人もいれば、納得できない人もいて、もっと言えば、とりあえず「旨い」を信用して食べた後、店主と味覚が合わなくて「美味しくない」と思う人もいるかもしれない。最初の人以外は「知るかバカ」されてしまった被害者でしかない。納得して食べる人だけを見て正当性を論じることにどれほどの意味があるのかな?と思います。

「面白ければいい」は、制作者間では耳障りよいですし、賛同を得られるかもしれませんが、制作者同士でそうやって慣れ合ってしまっては何も解決しないのではないかなと。

ただ、何度も言うように「創作は自由」です。故に、その自由を行使するために自由にジャンルを設定して、自由に発表すれば良いと思います。新しいジャンルなら、「これは本当にマーダーミステリーなのか?」なんてフィルター無しで、作品の面白さだけを見て貰えると思いますし、願ったり叶ったりではないでしょうか?

また、自由に作ったコンテンツが、既存のコンテンツに当てはまらずに、全く新しいジャンルとしてスタートできるって素晴らしい事じゃないですか。誇って良いと思います。私は心からそう思っているので、なぜカテゴライズ(ジャンル分け)を「排斥される」とかマイナスに捉えるのかよく分かりません。

新しくて面白いコンテンツであれば、マーダーミステリーのように新しいジャンルとして私はバンバン前に出していきたいです。いまも、ひとつ構想はありますが、手が回っていなくて出せておらず、悔しく思っているくらいです。

何度も言いますが、新しいジャンルを作れるってメチャクチャ素晴らしいことだし、凄いことだし、メチャクチャ「カッコいい」と思うんですよね。

カッコいい上に、ミスマッチも減らせて、ユーザーも喜ぶ。
いいことずくめ!おすすめです!




サポートは今後のマーダーミステリーの制作に使わせていただきます。それ以前に、サポートは皆さまのダイレクトな応援なので本当に励みになります。ありがとうございます!