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ホームページをどうしたいのか問題。

京都の八幡市のデザイン事務所「包むデザイン」の代表のつむさんと知り合った。雑談をしているうちに、ホームページを作るって、そもそも何のために作りたいのか、ということから考えないといけない、ということに気がつくことができた。

わたしは何のためにホームページを作ったのか、ということを自分に問うてみたら答えが出なかった。最初(20年くらい前)はホームページを作ることが楽しくて、htmlを覚えて、ちまちま作った。「作家のたまご」と題して、ブログや掲示板や作品を載せたりした。そのときは、コミュニケーションの場はホームページしかなかったけれど、時代が進んでSNSが出てくると、わたしのホームページは放置され、物置きのようになった。

ライターを始めて、お仕事相手に見せる名刺代わりに仕事実績を載せ始めたけど、今度は多すぎてごちゃごちゃしてきた。しかも、小説家や舞台の話も載せている。こちらは仕事相手じゃなくて応援してくれる人向けだ。目的がブレブレになっている。

丁寧に相手の希望をヒアリングして、そもそも何がしたいのかというところから一緒に考えて作ってくれるつむさんになら、制作を頼んでみたいなと思った。

相談に先駆けて、ある程度、考えておきたくて、ここずっと、ああでもない、こうでもないと、ツイッターで呟き続けていた。

わたしのHPの目的は、お仕事募集ともちょっと違う。お仕事は手いっぱいなのであまり募集したくない。むしろ、断っていることの方が多い。

売れっ子というわけではない。本を作る仕事を引き受けたら途端に半年くらい、手一杯になるのです。

ゴーストライターとして本を作る仕事の依頼は結構来る。でも、本を作る仕事ばかりやっていると、生活できないから、よく断る。1000円の本を10%の印税で4000部発行したら40万円。共著だと5%で20万円、ゴーストライターだと2~5%で8~20万円。最低でも1冊書くのに3か月はかかる。この間、他のこともできなくなる。年に1冊、自分の修行だと思ってやるくらいならいいけれど、たくさんはできない。生活が成り立たない。

小説家になっても食えないとよく言われるのは、こういうことだからだ。初版で発行が終わってしまう小説家が大多数だ。もちろん、ライターでも小説家でも増刷される人はたくさんいる。でも、わたしは今まで、増刷されたのは原作を担当した漫画だけ。だから、本を書く事は割に合わない仕事だと思ってしまう。

本を1冊書くと、かなり自分の勉強になる。やりがいもあるのに。

いろんな部署でいろんな書き手と仕事をしてきたキレッキレの編集者さんと仕事ができるのも、物書きとして貴重な経験だ。自分の名前が入った本が本屋に並ぶのはとても嬉しい。小説を本として出したいし、ライターと小説を組み合わせたようなお仕事もやってどんどんやってみたい。小説はともかく、ライターと小説を組み合わせた仕事は、おそらく「やれるよ!」と手を挙げれば、できると思う。他にできる人もあまりいないし。

やりたいことなのに、やればやるほど苦しくなる。本を書くのはとても大変で誰でもできる仕事ではないのだから、もっと待遇を良くしてほしい……と言ったところで、もうこれは出版社の慣習なのだからすぐには変わらないだろう。

それに、たとえ報酬が増えても、増刷されなければ、読んでくれる人の数は限られる。お金よりも、読まれたい。自分の書く本が、読んだ人に何か良いものをもたらすと信じているからこそ、たくさんの人に届いてほしい。

そんなふうに考えてたら、わたしはどうなりたいのかというシンプルな答えが1つ見つかった。本を出したら増刷される書き手になりたい。増刷されるなら、本の執筆は、割の合わない仕事ではなくなるし、たくさんの人に読んでもらえる。

増刷されるためにはどうすればいいだろうか。書き手としてがんばるのはもちろんだけども、ホームページにできることもあるのじゃないかと思った。

この人の書く本なら信頼できるから、新作が出たら書いたいと思われるようなホームページ。

今までは文学少女風のレトロなロリな写真を貼っていたけれども……って、書きながら恥ずかしい。どこに何を向けてどうしたかったのだ。理系ライター×小説家で売るなら、それは違う。

「何だか新しい感じ」がすること。最先端なイメージがいい。でも冷たい感じじゃなく、ワクワクするようなページ。本人が楽しそうにやってる感じがいいな。そして、サイエンスなんだけど文系にも親和性がある感じ。

写真で表現できるだろうか。イラストが今風だろうか。

ホームページは初めましての人のための名刺だから、全部詰めなくていい。カタログのような感じだろうか。薄いフルカラーの会社案内のような。

もっと知りたいと思ってくれた人はnoteやYoutubeやツイッターやインスタがあるので、直接知ってくれている人や、昔から応援してくれている人や、こんな長文を読んでくれる人には、いつも通りのとっちらかったわたしのままで相変わらずいくと思う。

いやはやこんな夢をもりもりぶつけて、つむさんは一体どのように料理をしてくれるのでしょうか。楽しみですね。

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