ひとりずつのありがたさ

食事に行って、ホッとすること。

一番は、ワンプレートだった時、
ですが、定食みたいに、ご飯とお味噌汁と、
メインのおかずととかでも大丈夫。

とにかく、1人前ずつだと良かったと思う。

それは、食べる分を自分のお皿に取るという事が
苦手というか、手の力がなくて出来ないから。

冬はお鍋とかも美味しくて、楽しみだが
取ることが出来なくて、困っていた。
家族は分かっているので、とってくれるけど
私の病気のことを知らない人ばかりだと、
何とも言い出せないし、どうしようどうしよう。

何とか話しかけられる人にそっとお願いして
そういう時は取ってもらう。
でも、その度に病気のことを話さなければいけないし
一見分からないだけに、困惑されることもしばしば。

やはり入社時期や役職だけではなく、
今でも女性が周囲に対しての気遣いとして
率先して取り分けや声掛けなどをした方がという
風習めいたものは根強いし、あの人は気が利かない、
先輩にやらせてという雰囲気を感じるのも辛かった。

しかし、職場の先輩方は私の手の状態や
疲れやすく中腰やしゃがむといった体勢が難しいことを
知ってくれていたので、逆に気遣ってくれ、
涙が出そうになる程良くしてくださった。

友人たちにも、今でも出来ない事は素直に言い、
お願いする事も多いのだけど、皆理解を示してくれる。
感謝しかないが、その分リハビリを続けていつかは
という気持ちの支えにもなっている。

退院した直後は、バイキングでも困っていた。
理由は、握力が足りなくて、トングが使えない。
挟もうと力を入れても、挟むまで行かず、
挟めたと思ったら、今度は取るまで手が持たない。

一旦トングを下ろして休んで、また挑戦して。
自分の食べる分を取り終えるころには、
食べ放題なら相当の時間が経過してるし、
そもそも、本人が疲労困憊で食べる元気がない。

まず、一緒にいる人や、周りの人にも
迷惑になってしまうので、スーパーの総菜すら
取れない内はと、バイキングも、パン屋も自粛。

そんな感じなので、行く時は必ず誰かと。
取って欲しいとお願いしても大丈夫な人と。
パンや総菜もそうだけど、取れたはいいけど
周りのを傷つけたり、汚したりもしたくない。

帰り道、パンのいい匂いに誘われながら、
「ああ、早くパン買いに行けるようになりたい」
と、思っていた。

今では行けるには行けるけど、
総菜パンはやはり重く、難しい。
なのでまだ誰かと一緒。
軽いパンならうまく取れることもあるので、
あとはその店のトングとの相性と、パンの大きさかな。

そんななので、食事付きのイベントも自粛している。
家族や友人が一緒ならいいけども、
基本一人行動の私なので、イベントは難しい。

食事がついているだけで、行きたい気持ちがしぼむ。
美味しく食べたいけど、キレイに食べられないし
何よりも、時間がかかりすぎてしまうし。

ましてやバイキングだと、それだけで行かれないし、
お座敷だと難しいとかいろいろある。
正座が出来なくなったのと、長く床に座るのが難しいから。
立食も難しいし・・・我ながら全くと悲しくなる。

落ち込んでもいられないので、リハビリリハビリと
自宅でもプレートを活用している。
100円ショップで買えるような、プラスチック製のプレート。
お椀も、スープボールもプラスチックなので、
私の食時は、まるで病院か給食の様だ。

それでも、美味しいなと楽しんでいる。
軽くて、落としても危なくない食器だと安心して
食べられるし、自分の手で持てるし。

いずれは、どっしりとした素敵な食器で
食べてみたいなと思うけど、少しずつでいいかなと。

「ワンプレートもたまにはいいよね」
なんていう日が来るのだろうか。

この食器素敵と、気に入った食器が使える日が
また来ますように。