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江戸令和百人美女-1-恋文のタイミング

江戸令和百人美女とは

歌川国貞の描いた、江戸の中の100人の美女をシリーズにした「江戸名所百人美女」は、江戸の各地とからめながら当時の女性の生き方や人間らしい姿が手にとるようにわかる連作です。その美女たちの姿から、現代を生きる人の姿が重なって見えた…「江戸令和百人美女」シリーズの始まりです。歌川国貞は女性だけを描いていますが、このシリーズは女性だけに限りません。

このシリーズは、山田順子さんの書籍『絵解き「江戸名所百人美女」 江戸美人の粋な暮らし』を参考に描いています。浮世絵ひとつの背景になにがあるのか、そこから読み取れることをとてもわかりやすくまとめられた最高の本です。この本との出会いからこのシリーズは始まりました。

江戸令和百人美女・1人目-江戸


歌川国貞「江戸名所百人美女」一人目は、寺子屋で習った習字の復習をしてたのにいつのまにか縁結びの神様のいる湯島天神に大好きなアノヒトを呼び出す恋文を書いていた少女です。

絵の中の小さな窓枠、「こま絵」の中には湯島天神が描かれています。ここに縁結びの神様もいるとは知りませんでした。

絵の少女は12,3歳ということですが、この当時この年齢で寺子屋にいっているということは、この人は商家の娘さん。もう花嫁修行もはじめているとか。勉強してたけど、すっかり恋文の筆がすすんじゃっている女の子のようです。12,3歳で恋文というと今ではおませガールな感じがしますが、すでに花嫁修行をしてるんだから現代の女性よりも女性的なあれこを考えなければいけないのが早くならざるを得なかったのでしょう。

そんな歌川国貞の浮世絵の女性を私も描いてみました。(トレースはしていません!)

江戸令和百人美女・1人目-令和


そんな少女の姿を見て浮かんできたのは、街のカフェで勉強道具を広げる高校生です。私もしょっちゅうカフェに行くカフェ依存人間。近所でよく行くスターバックスには夕方になると高校生や大学生がたくさん来ているので、まず席は見つかりません。一生懸命勉強している子もいる一方で、すっかり手をとめて広げたノートにひじをつき、ひたすらスマホになにやら打ち込んでいる子もいます。LINEやらインスタのDMやらで会話が始まって、すっかり止まらなくなっちゃってるのかな、と想像します。私もLINEでやりとりがぽんぽん進み始めるとなかなか止められず同じ状況に陥りがちなので時代は変われど人は変わりません。

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Illustrator Kanbin Nagata
instagram : @kanbin_nagata
website:kanbintime.com

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