金沢市の働き方改革~もっと自由に創造しよう~

2020年 1月 6日の仕事始め。
市長の年頭の挨拶の中で、今年の取り組みとして、
5月より第二本庁舎が開設するにあたり、職員の働く環境整備として、「フリーアドレス、ペーパレスなオフィスに挑戦すること」が発信されました。

昨年11月。
以前から繋がりをいただいた総務省で働き方改革の一環でオフィス改革に挑戦し、成果をだされている課長様を講師にお招きして「働き方改革」の勉強会を市議会で開催しました。
開催にあたり工夫として、今後本市でも改革の結果を出していくために、議員だけの勉強会とせず、市の執行部も巻き込んだこと。各部局から代表して2名ずつ参加してもらったことです。

ただ単に長時間労働の是正などを実施することを目的とした「働き方改革」では、結果として組織の停滞を招きます。
「働き方改革」の重要な考え方は、職員と幹部の立場によって見える景色や目的が違うことを前提とすること。
そして「組織や職員自身の価値を高めるため」に改革を行うという共通のゴールを持つ重要性をお話していただきました。

それを経て、12月議会。
「超少子高齢化社会での働き方改革とICT活用」について様々な議会質問をしました。
(ICT活用については、またの機会に)

大前提は、勉強会でもお話いただいた、
時短や働く環境を良くするためではなく、
「組織や職員自身の価値を高めるため」に改革を行う、目的・ゴールをしっかりと共有することです。

そして、本市の職場環境の現状は、
例えば、棚には行政書類のファイルや紙媒体の法令集が職場スペース埋めつくし、職場に行かないと受信・返信できないFAXをフル活用し、机の上でしか電話をとれないという状況です。
 一方で、タブレットを使った授業やプログラミング教育含め、ICT教育を受けてきた「デジタル世代」がどんどん入庁し始めています。

つまり、「パラダイム(世界)」が変わったのに、「世界観」が変わっていない。「令和」の時代なのに「昭和スタイル」から脱却できていないのです。どこの自治体でも同じ光景かもしれませんね。

その改革のための手段として、シームレスな職場づくりも重要性です。
無線LAN環境で、どこに座って仕事をしても良いフリーアドレスなデスク、書類の電子化によるペーパーレス会議、十分な打合せスペースの必要性も併せて力説。

そしてもっと本質的なところでは、
組織や職員自身の価値を高めていくために、書類作成などノルマに追われ「デスクワーク」という名の机の上の「製造業」に従事しているのでは、超少子高齢化時代の対策となるような新しい価値を創造できません。

そして、性質の異なる複数の事柄が結合する「オープン・イノベーション」によって新しい価値を生み出すことができます。
自立した職員が「組織」の枠を飛び越えて、プロジェクトベースで様々なネットワークを構成し、「知的創造」や「価値創造」を行う時代にきています。そのために一人ひとりがネットワークハブとなって、金沢の課題解決や、さらなる庁内の効率化・最適化を実現していくため「庁内の各部局内の働き方改革」「外部との連携強化(オープン・イノベーション)」をトップの強い意志のもと、プロジェクトチームを組んでいち早く推進するべきと訴えました。

行政も、はたらくを自由に、はたらくを楽しく、する時代です。
新しい価値を創造していくことが、結果、市民のQOL向上に繋がるわけです。

企業の経営者の皆さんや、民間で働いている皆さんにとっては、
当たり前のことかもしれませんね。
ビジネスの世界にいたからこそ、できる改革の提案もあります。

ちなみに、私はいつも議会原稿を書く場所は決まっています。
市役所でも、事務所でも、自宅でもなく、
コメダ珈琲か、スターバックスです。
誰かと共有する「大きな机」と、
ちょっとした「ザワザワ感」が大好物です。
300円~400円で仕事がはかどるなら、シメたものですね。

皆さんのお仕事が、今日もはかどりますように!