中嶋一貴さんのこと

クルマ好きな私ですが、クルマに関連することも大概興味があって、クルマを使ったスポーツ、モータースポーツももちろん大好きです。
現在40代の私の小中学生の頃はF1ブーム全盛期。ホンダの黄金期、セナ・プロストの戦いなどで空前の盛り上がりを見せていました。全戦をフジテレビが中継していたというのもブームを後押ししたのでしょうね。
当時からクルマ好きの私も当然、夢中になりましたが、私はちょっと変わっているというか…
誰が優勝するとかチャンピオン争いはもちろん興味がわくのですが、強いものにあまり惹かれないのです。例えば当時は本当に強かったセナやホンダを応援したり憧れたりはしませんでした。弱かったり、なんか頑張ってるのに上位に来れない、そんなあまりテレビに映らないマシン、ドライバーを応援してしまうのです。
そんな私は日本人初のレギュラーF1ドライバーとなった中嶋悟さんについてはとても好きで応援していました。日本人がF1に参戦する道筋がなかった当時、苦労されながらようやく34歳でF1ドライバーとなった悟さんは強靭な体力を必要とするF1では体力的にハンデがあったと言われ、レース後の表情もテレビ越しにも大変そうなのは明白でした。そんな中、粘り強く走る姿に心が熱くなったのを覚えています。
さて時代は過ぎて2000年式。世界最大の自動車メーカートヨタがF1に参戦していた頃、将来の日本人トヨタF1ドライバーの育成も行われていました。その中に中嶋悟さんのご長男、中嶋一貴さんは候補生として選ばれました。その後、様々なカテゴリーを経て、他の候補生との争いに勝ち、ついに2008年に当時トヨタエンジンを使用していたウィリアムズのレギュラードライバーに抜擢されたのです。その頃から大ファン、応援する対象となりました。
なぜ大ファンになったのでしょう?
・派手さはなくとにかく真面目であること。
・天才的ではない努力型。
・地道に頑張ることで報われることを体現してくれた。
といったことでしょうか。
そしてそんな彼を通して自分の人生を重ねていたのだと思います。
週末のレースで彼が活躍すると次の週の自分の仕事が頑張れる、といった感じ。
そんな一貴さんは、F1を降りた後、国内トップフォーミュラでの2度の年間チャンピオン、ルマン24時間レースの3連覇など、輝かしい成績を残して2021年に36歳で引退されました。
実は引退されてから応援する対象がなくなって自分の仕事もちょっと張り合いがないなあと思っていました…
しかし実は引退後、トヨタのヨーロッパのモータースポーツ拠点、トヨタガズーレーシングヨーロッパの副会長に抜擢されたのです。これは豐田章男社長の「レーシングドライバーがキャリアを終えた後、ドライバー時代に培ったノウハウを活かしたい、活かす場所を作りたい」という想いからも実現したとの話しも聞きました。このポジションができたのは、やはり一貴さんの努力や人間性そしてその結果をレースで証明してきたからではないかと思うと、同じ会社勤めである自分も頑張らねばという気持ちになりました。
引退しても応援する、活躍を楽しみできる。クルマ好きから始まってこんな出会いがあるなんて、やっぱりクルマは最高ですね。
中嶋一貴さん、いまさらですが本当にお疲れ様でした。
そしてありがとうございました。

さてさて、一貴さんはトヨタのドライバーであったこともトヨタファンでもある私に刺さるものがありました。
なぜトヨタが好きなのか、これはまたいずれ書きたいと思います。


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