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ローカルってそんなに良いもの? 雑誌”TURNS”のプロデューサー・堀口さんに事前インタビューをしてみたら、やっぱり武道家だった。/自由人博覧会前夜の話

一昨日(2020年8月27日)、統計局から東京圏が転入超過から転出超過に転じたと発表があった。「コロナはいろいろな未来の実現を一気に加速させる」と言われるけど、この「地方移住ムーブメント」もそれにあたる……のか? ほんま???

”これからの地域とのつながりかた”をテーマに、地方移住やまちづくりの情報を伝えたり様々な取り組みを進める、いわば「ローカル代表」の雑誌TURNS。ちょっと感度の高いローカル系の20代ー40代に、圧倒的な支持を受けている。

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そんな雑誌を作ってきた名物プロデューサー・堀口正裕さんに、「いや、ローカルって、そんなに良いものなの?」と、失礼千万な質問を、いまだからこそ、どうしてもどうしてもしたくなったので、してみました。

「あ、それ、私も気になってたんです。実は、東日本大震災直後の『地方移住バブル』を思い出すところがあって……

わっ! もっと詳しく聞かせてくださーい!!


▶プロローグ【出会いは(台)風の中。】

昨年の夏、私が運営するリベルタ学舎の新プロジェクトについて、信頼する知人に相談したら、「それなら信頼する人を紹介します」と言っていただいたので、東京まで会いに行きました。

あれは台風の夜の新宿、足元ビチョビチョで入ったイタリアン。「はじめまして」と説明しようとすると、その堀口さんというひとは、「あ、信頼するひとからの紹介だから、信頼してます。それで、私は何をすれば?」と、”武士に二言なし”みたいなかんじで言いました。

世の中には二通りの人間がいる。要件を聞いてから判断するひとと、判断してから要件を聞くひとだ(←うお、それっぽい!)。ともかくこの日の堀口さんは、前者でした。
この間合いの取り方、私が何人か知っている「すごい武道家」みたい……と思ったら、本当に合気道の先生だし。四段とな、ひえー!


▶【恋に落ちたあの日から。】

それから、東京に行けば堀口さんと会っています。お互いのスケジュールの合間を縫って、場合によっては1日に何回も。あの日からずっと、話しているのは、合気道の話と、地域づくりの話。

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▼「合気道とは何か」
……って、4年休会中で二級どまりの私が言えることはないのだけれど、いまの私にとっては、世界平和。相手を活かし、自分が活かされ、自分の未知の能力と出会い、相手の未知の能力を引き出しちゃったりする。相手がいないとできない、だから、その相手に最大の敬意を払う。

”I need you.”という愛のメッセージにもとづくのが合気道だ、と、師の内田樹先生が言われていた……ような気がする(←出来の悪い弟子なので、いっぱい勘違いする)。

最大の敬意を払う相手に対して失礼のないように、自分自身に対しても、謙虚に、かつ誇りをもって、その場に立つ。だから、ふたりの間に、相手でも私でもない、「何か」が生まれる。ひょっとしたら、愛氣道かもね♡(←藤原紀香風?)


▼「地域づくりとは何か」
……答えはわからないけど、堀口さんも私も互いにその現場のど真ん中でいろいろ見てきたから、「こんな地域づくりは嫌だ」なら明確に言える。

・「自分が地域づくりのヒーローになる!」と、地域を”自分づくり”の材料にする。

・助成金がもらえるからとやってきて、助成金がなくなると、いなくなる。

・地域のおじさんが「人口減だから、だれでもいいから来てほしい。若者・よそ者・バカもののパワーで地域を変えてほしい」とか言いながら、若者が来たら自由にさせない。

要は、相手への敬意が足りない。
だから、
地域と移住者の間に、愛が生まれない。


(→ここで、合気道の話に戻る)
……と、だいたい毎回、こんなかんじ。


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(社員8人の広告代理店を出版社にしちゃった堀口さん)


▶【気づかぬうちに心は。】

今回はこのご時世で、イベント打ち合わせはZoomミーティング。で、堀口さんにどうしても聞きたかった「いや、ローカルって、そんなに良いものなんすかね?」という話をすると、「そう、そこなんです、私もすごく気になっていまして」という答えが返ってきた。

どうして、自分と向き合わずに済むと思うのだろう? やることが「地方」とか「ソーシャル」とかになっただけで。
どうして、「お金のこと、苦手なので~」と平気で言えるのだろう? いまからお邪魔する地域の皆様が出してくださる税金を受け取る身分で。
どうして、自分を樹てられないまま、他人を幸せにしようなんて、おこがましいことを言えるのだろう??

「地域づくりのまえに、自分づくり、ですよね」

ガーーーーン!!!!!!!!! 武道家の一言に斬られました。

ああこれは、数年前の、私のセリフ(←山口百恵風)。いや、いまも、うっかりするとそうかもしれない(←そのあたりが合気道二級感)。


▶【あなたを求めてる。】

こんなかんじで、まだまだまだまだ甘い私は、堀口さんの、とても優しく、とても敬意に満ちた、だからこそとても厳しい言葉を聞くたび、ハッとするのです。
そんな「気づき」を、いまちょっとローカルに関心があるひとたちと一緒に聞けたらいいなあ、というのが、次回(9月12日)の自由人博覧会です。

例によって、前半は堀口さんからの「地域づくり」のレクチャー&私とのトークセッションで、後半の60分は、がつんとみなさんからの質問をベースに構成。いわば、合気道で自由技を掛け合う「乱取り」。ここで、合気道四段の武道家・堀口正裕の凄味と甘みが出てくるはず。どうぞ安心して、四方八方から、かかっていってください。そして気持ちよく投げられてみてください!

I need you、そう、相手がいないとできないのが、合気道。ご参加を、心よりお待ちしています!


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《2020年9月12日》「ローカル」からの自由。/自由人博覧会 堀口正裕さん(TURNSプロデューサー、武道家)

<日時> 2020年9月12日(土) 15:00~17:00
(※おやつタイムにつき、お酒やお茶などを楽しみながらやりましょう)
<参加費> 1,650円(税込み)
<お申し込み> https://coubic.com/lgaku/938465

▼<堀口さんのこれまでの人生や、事前インタビューの詳細>

「移住希望者から『地域を変える』ってよく聞くんです。でも果たして地域はそれを望んでいるのか? もしそうじゃないなら、これってすごく失礼な話ですよね」

とか

「これから『地方だから』という枕詞が通用しなくなってくる。すべて『自分だから』になるんです。『できなかった』も、もちろん『できる』も」

とか、

すでに名言続出です。よかったら、見てみてね!

http://lgaku.com/index.php/event/20200912jiyujin/

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