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平均的に、45歳の時に会社が倒産する(かもしれない)。ーこれからの「働く」を考える②

「楽しく仕事しよーぜ!」ばっかり言っているから、「夢見がちで良いですね」とか「現実はそんな甘くないですよ」としょっちゅう言われるんだけど、ちゃうねん。「現実」見てるから、そう言ってんねん。

どういう現実を見ているのか、なぜ「『楽しく仕事する』にシフトしないと、生き延びられない」と思っているかを、今日は書かせていただきまーす。


▶ 長く生きるのって、絶望?

ヤフーの創業メンバー、スペインに10年住んでたライター、神戸で女性の仕事づくりで起業、兵庫県庁初の官民複業で広報官……というキャリアの(物)珍しさで、中高生や大学生に話をさせていただく機会がある。

そんなとき話すのが、「日本で2007年に生まれたこどもの半数以上は、107歳以上生きるらしいよ」ということ。2021年のいまなら、中学2年生くらい。「えー!」「やだー!」「ムリ―!」 飛び交うのはだいたい悲鳴、そして絶望の表情。いやいやいや!

え、長く生きるのって、絶望なの?


▶ だいたい60年ほど働くことになる。

『LIFE SHIFT』によると、日本で生まれたいま20代前半の半数以上は、100歳以上生きるという。じゃあ40代後半の私は早く死ぬかというと、90代にはなるらしい。なんせ、現在人間の平均寿命は1日につき5時間ずつ延びているという話もある。私たちは生きれば生きるほど、長生きする可能性が高まる。

そんな長い人生で、いつまで働かなければならないのか。いま日本で20代前半の若者が引退できる年齢は、おそらく80代になるらしい。だいたい60年ほど働くことになる……と話したところで、学生たちからもう一度「きゃー!」「うえー!」という絶叫が上がり、あるいはさらなる絶望の表情が浮かぶ。

まあ、ね。「働きがい」世界最下位の国(※第1回)だものね。


▶ 45歳の時に会社が倒産する(かもしれない)。

じゃあ60年、どうやって働くのかを考えてみる。で、私はこの数年、大学生支援をしているので間近で見ているのだけど、日本では「就職活動」は「就社活動」と呼んだ方がいいのじゃないかと思うくらい、「会社に就職する」が前提となっている。

とすると、気になるのは、会社の方の「寿命」だ。日本の場合、倒産企業の平均年齢、つまり会社の平均寿命は、23年ちょっと。……ん??

ということは。ものすごーく機械的に、乱暴に当てはめると、こうなる。

●22歳:できたばかりの会社に就職
45歳:会社が倒産(ああ、こどもが小学生で家のローンがあるかも!)
●同年:たまたまできたばかりの会社に再就職
68歳:会社が倒産
●同年:3つめの会社に就職しなければならない。なんせ引退できるのは80代なのだから(ああどうか、今度は15年くらいは倒産しませんように!)


……個人の寿命が、会社の寿命より長い
時代に、私たちはいる。


▶ DXで仕事を失う?

しかも、そんな「寿命問題」に、最近はやりの「DX問題」が拍車をかける。デジタル技術が、私たちの毎日の仕事をガラリと変える。

1996年4月、ヤフー・ジャパンがスタートする。そのとき私は「サーファー」という仕事をしていた。日本全国から寄せられる「登録依頼」を受け取り、サイトを隅々まで確認し、適切なディレクトリに分類し、ふさわしい紹介コメントをつけ、おすすめしたいならサングラスのCOOLマークをつけて(←正確にはもうちょっと後の話だけど)、登録をする仕事だった。

そう、25年前の世界では、検索エンジンのデータベースは、人力でつくっていたのですよお嬢さん(遠い目)。

昔のyahoo

やがて検索のデータベースは、機械が勝手に集めてくるようになる。検索の精度も上がり、ディレクトリなんて要らないねという話になる。私はたまたま早めに会社を辞めたけど、続けた「サーファー」の友人たちは、数年後に違う部署に配属された。「ネット界隈では、日本初の『DXで職を追われた人間』だったかもね」と、当時の同僚の弁。


きっとこれから、DXはガンガン進む。便利になるから。そしてそのあおりで、「従来の職を失う人」はどんどん増えるだろう。でも、私たちは生き延びなきゃいけない。80歳代まで仕事しないといけないし、100歳とかまで生きないといけない。

だいじょうぶ。ヤフーのサーファーだって、仕事が変わることになっても、別に死んだわけじゃない。とはいえ、すべての会社が、職を失う人に、新しい仕事を用意してくれるわけではないだろう。


「明日は朝から雨が降るでしょう」という予想があるから、おでかけ前に傘や合羽の準備ができる。同じように、超少子高齢化やDXが進むことは、事実か、かなり蓋然性が高い事実だ。その可能性を考えて、準備した方がいい。知らずに雨に濡れて風邪を引いて寿命を縮めたりしちゃ、もったいない。せっかく、長く生きられる時代になったのだから。

というわけで、引き続き、「楽しく働く」を考えてみまーす!

ね、どうやったら中学生たち、「107歳まで生きる」「80代まで仕事する」と聞いて、「わーい!」って言ってくれるかなぁ?

(つづく)


<告知>
私が「新しい働き方」の実験としてはじめてみたチームです。複業コミュニティ。2021年度下期の説明会するので、もしご興味あったら、覗いてみてね。

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「共に考え、共に挑戦する」仲間募集。-全員複業&社会にインパクト、やってみよう! なりわいカンパニー株式会社登録者説明会



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