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「場づくり」について、「喫茶ランドリー」の田中元子さんにききます。/自由人博覧会

「場づくり」バブルではないか……という思いが、この数年、フツフツとしています。「場」をつくれば、「コミュニティ」ができるのか? 「場」をつくれば、そこに幸せが生まれるのか? いや、そもそも「場」とかつくれるのか?

▶「喫茶ランドリー」というソーシャルっぽい場と、「田中元子さん」というパンチの効いた仕掛人

「喫茶ランドリー」という、「地域コミュニティを生む場」と紹介されたりる、めっちゃ有名なところがあります。なんか「ソーシャルバブル用語が3つ重なって満貫!」みたいで怪しい!と思っていたのですが、仕掛け人とお話してみると、ぜんぜん違う。(そもそも見た目が、かなりパンチ効いてるのですが)

仕掛け人の田中元子さんが話されるのは、「場づくりなんて、目の黒いうちにできると思っていない」「イベントくらいでどうにかなるものじゃない」と、非常にシビアなこと。じゃあ、「本当の場づくり」って、どういうことなんだろう? そんなお話をききながら、みんなで一緒に考える、そういう機会を、今回、つくらせていただきました。


▶そもそも「パブリック」の語源は「陰毛」なんだ。

イベントをやると決めて、田中元子さんと初めましての事前インタビューをしていたときに、「そもそもpublicの語源って、ラテン語のpubes、日本語で<陰毛>なんですよね」と私が話したところ、「マイパブリック」を書名にもしている田中さん、大爆笑。すごく気に入ってもらった様子(ええひとや)。

「ということは、マイパブリックとは、『私の陰毛』ですね」というやりとりのなかで、田中さんから「人間、悪意以外はなにも恥ずかしいことはないと思っているから」という言葉が飛びだしました。おおう。同席していたうちのメンバーが感激して泣き出したほどの、なんか、ものすごい迫力でした。

なので、ぜんぶで2時間のうち、1時間たっぷり質疑応答。事前の質問受付フォームもつくったもんね。当日の質問も大喜び。もし場づくりについて聞きたいことあったら、その疑問、ぜひ直接田中さんに聞いてみてください。つか、私がいちばんききたいかも!

以下、田中さんへの事前インタビューの内容をまとめてまっす。

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▶「これは、社会を幸せにしてくれるだろうか?」

田中元子さんは、1975年、茨城県に生まれる。あまり幸せとはいえない家庭環境で、家族を歪ませてしまう社会構造の方に関心をもつようになる。父の死でわかった、33億円の負債。まちに出て話すホームレスに感じる幸せ。「貧しさ」と「豊かさ」の背景って、なんと複雑なのだろう。 あらゆるものを目にするたびに、問いが立ち上がった。「これは、誰が、なんのために作ったのだろう?」「これは、本当に、社会を幸せにしてくれるだろうか?」


▶「誰かの日常を幸せにする可能性」

18歳、医学部に合格するも、家出し上京。パチンコ屋や麻雀荘でアルバイトをしながら、様々な、いわゆるエリートではない人々の姿に、直に触れる。ある日、たまたま目に留まったのが『Campo Baeza contemporary world architects』、スペイン人建築家カンポ・バエザの本。 手に取り、開いて、雷が落ちたような衝撃を受けた。二次元の画像から感じる、静けさ。 そこに至るまでの複雑な背景。建築物というものがもつ社会性。 ああ、建築は、総合芸術だ。そしてそれはきっと、誰かの日常を幸せにする可能性がある。

 「建築を語る友だち募集」とインターネット掲示板に書き込んだ。知り合った大学生たちに混じって、大学の講義をモグリで受け、巨匠を訪ね、独学で建築を学び続けた。建築クリエイティブユニット「mosaki」を設立。ライター、建築分野のコミュニケーターとして、個々人の無料での”ふるまい”を実現する「みんなのパーソナル屋台」、”まちとつながる”を目的とする都会のど真ん中「アーバンキャンプ」、古今東西の建物を身体で表現する「けんちく体操」などを展開する。


▶「射程は、世界平和だから」

2016年、「1階づくりはまちづくり」を理念に、株式会社グランドレベルを設立。洗濯機やミシン、アイロンなどもあるカフェ「喫茶ランドリー」は、いわゆるコミュニティやソーシャルの界隈で話題沸騰。2018年度のグッドデザイン賞及びグッドフォーカス賞(地域社会デザイン)も受賞している。現在は、それぞれ異なる個性をもつ複数店舗展開も進み、「場づくりのカリスマ」というような存在になっている。 現在感じている違和感。場づくりで声をかけられるとき、「イベントをしてください」というものが多い。

 しかし、田中元子が考える場づくりとは、「ふつうのひとの日常が、すこしいい感じになること」。 その場をきっかけに「私、こんなことできちゃった」「私の人生、捨てたもんじゃない」と、自分自身の可能性に驚き、喜べるような、ささやかな体験があること。 「人間なんて、悪意以外はなにも恥ずかしいことはない」ふつうのあなたが、丸のまま生きていけるようになるきっかけを与える、それが、場。


「場づくりとかまちづくりって、時間のかかることでしょ?私の目の黒いうちに結果が見えることじゃないと思っています。だって射程は『世界平和』だからね」


※イベント詳細※(オンライン開催)

<日時>2020年6月27日(土) 15:00~17:00(※おやつタイムにつき、お酒やお茶などを楽しみながらやりましょう)
<参加費>1500円
<詳細・お申し込み>https://coubic.com/lgaku/756052


■ゲスト:田中元子(たなか・もとこ)(株式会社グランドレベル代表取締役)
1975年茨城県生まれ。独学で建築を学び、2004年大西正紀と共にクリエイティブユニットmosaki(モサキ)を共同設立。建築やデザインなどの専門分野と一般の人々とをつなぐことをモットーに、建築コミュニケーター・ライターとして、主にメディアやプロジェクトづくりを行う。2010年よりワークショップ「けんちく体操」に参加。同活動で2013年日本建築学会教育賞(教育貢献)を受賞。2014年建築タブロイドマガジン『awesome!』を創刊。同年より都市部の遊休地にキャンプ場を出現させる「アーバンキャンプ」を各地に展開。2015年よりパーソナル屋台の活動を開始。2016年株式会社グランドレベルを設立。

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■ホスト:湯川カナ(ゆかわ・かな)(一般社団法人リベルタ学舎代表、なりわいカンパニー株式会社代表、兵庫県広報官)
早稲田大学在学中、孫泰蔵氏(現シリアルアントレプレナー)の学生起業に参加した縁で、Yahoo! JAPAN創設メンバーとなる。数億円分のストックオプション権を返上し、言葉もわからないスペインへ移住。10年間、「ほぼ日刊イトイ新聞」をはじめフリーライターとして活動する。帰国後は、縁もゆかりもない神戸で、女性や若者の社会参画を推進する学びの場「リベルタ学舎」を設立。地元企業や行政との連携も手がける。2020年5月、地域の事業づくりコミュニティ「なりわいカンパニー」設立。2018年4月より兵庫県広報官。「自分の幸せを実現しながら、みんなの幸せも実現する」新しい個と公共の在り方を考え、実践し続ける。著書4冊。


「場づくり」を考えるすべてのひとに聞いてほしいかもしれない。そして下ネタ飛び出したらごめんなさい。ああもう、めっちゃ楽しみ!



■お問合せ先:一般社団法人リベルタ学舎
info@lgaku.com
078-599-9381


▶湯川カナ、「自由人博覧会」シリーズを語る。

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スペイン語の「自由(libertad)」は、「解放された状態」という意味。素敵なひとは、何かから解放されて、すごく空高く翔けているように見える。いったい、何から解放されているのだろう?すごく話を聞いてみたい。だって私が、もっと自由に生きたいから。

それぞれ、湯川が圧倒的に憧れる博物館級(!?)のひとたちにお話を伺う。せっかくだから、その「生」そのものに、たくさんのひとに接してもらう。そして「自由に生きる」技術を教えていただく。それが、リベルタ学舎の「自由人博覧会」です。

<全文>湯川カナ、自由人博覧会を語る。
http://lgaku.com/index.php/jiyujin/20200614/

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