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「かたるし 〜ののかの国東不思議探訪」がアニメ化!?

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「かたるし」の魅力

大分合同新聞の「東西南北」欄で、ちょこっとですが、アキヨシカズタカさんのコミック「かたるし 〜ののかの国東不思議探訪」をアニメ化したら?という話が出ていました。
読んだことがない方は、ぜひ読んでもらいたい(当店にもございます)漫画です。

国東半島に残されている日本の原風景やその成り立ちについて、じわっとしみ込むように伝わるので、私は自分の子どもたちに送りつけて読ませて、洗脳中です。
「かたるし 」の魅力は、作者のアキヨシさんの丹念なフィールドワークもあって、この一冊が国東半島郷土史へ招待状になっていることです。
日本の歴史は、権力を持った中央にあっただけでなく、辺境の地にあっても、積み上げられて現在に至っているということが実感できるのです。
日本中で失われてしまった大事なものが国東半島には残っているということです。
そのことは、国東半島の「神仏習合」のあり方において顕著に現れています。

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廃仏毀釈とはなんだったのか

皆さん、日本史の教科書で学んだと思いますが、「廃仏毀釈」というムーブメントがありました。
教科書では、数行なのでそんなのもあったなぁ、とぼんやりとした認識しかないと思うのですが、ある意味、これは大変なことで言うなれば、イスラム原理主義のタリバーンやイスラム国がやった文化や制度の破壊に匹敵する事件だったのです。

廃仏毀釈により、全国の寺院の半数が消える
日本の奈良時代からの重要な文化財が破壊されたり、海外に流出したりする
国家神道を中心とした、教化組織の神祇省を設立するも数年で解体、その後の大教院や教部省では仏教側の力を借りる
結局、神仏分離は進んだものの明治政府が意図した神道中心の国造りは断念され、1000年以上もの歴史を持つ重要な文化財が失われたのでした。

詳しくは検索していただくとして、明治政府は神道の信仰を広めるために廃仏毀釈を行った訳ではなく、幕府から権力を奪い、明治政府による「中央集権」の近代社会を作るために行った施策でした。
そのため、民衆からの反発もあり、数年で構想は瓦解したのですが、その間に失われたものは二度と帰ってきません。

秘境に守られたもの

「国東半島」と「六郷満山」は、日本秘境百選に選定されています。
これ、全都道府県から平等に選出されているのではなく、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府、山口県、福岡県からは選ばれていません。
東京都からは二ヶ所が選出されているものの、小笠原、青ヶ島といずれも本土からは遠く離れた島々です。
ですから、えらいことなんです。秘境中の秘境!KUNISAKIペニンシュラ!
国東半島は、街道から外れており周回する道がなく、船で隣の集落に移動します。人々はそれぞれの谷合で生活をしていました。
その谷合に六郷満山寺院が建てられ、修行僧が山中を行き来し、人々の安寧を祈り、修行し、磨崖仏を刻み、村人がその生活を支えました。
中央の勢力が手出しができないこの場所で、独自の文化を伝えてきたのです。
中央の権力が綴る歴史に描かれていない、大事なものがここには生きているように思うのです。

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人々が求めているもの

この国東半島は、観光として高い価値があると思います。
しかし、本当の価値はもっと違うところにあります。
今、まさに首都圏や都会での生活で生きる力を失った人が大勢います。そんな人たちに、伝えられることがたくさんあると思うのです。
そのためには、私たちがここで生きる意味についてもっと考えなければならないのかもしれません。
そして、今、ここで育つ子どもたちにも伝えないといけないのでしょう。
「かたるし 」の主人公「ののか」が「ちびきちゃん」に導かれたように、この漫画は、私たちを導くための入り口になります。
そこでアニメ化ですよ。異世界に転生しなくてもここに異世界があるんですてば!

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