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インタビュー編 : このデイトレーダーは年率1400%を叩き出した後何を学んだのか? @TAGRtrades

前回のインタビュー動画[インタビュー編: 機械学習×アルゴリズム取引 Bert Mouler氏]があまりにも好評だったので、もう一度インタビュー動画を翻訳しようと思いました。

なるべく再生回数が多かったインタビュー動画に焦点を当てようと思いますので、何かしら参考になれば幸いです。

今回のインタビュー動画は[What this day trader learned, after returning 1400% · @TAGRtrades]になります。

今回のトレーダーはALEXです。

動画撮影時期は2018年1月31日になります。

今回のトレーダーの紹介

数年前の4月に遡り、それまで勤めていた安全な職業を捨てて、彼は専業トレーダーになることにしました。最初は途方に暮れましたが、2017年に1400%という成績を叩き出し、ほとんどドローダウンもなかったらしいです。ちょっとばかげた話に思えるかもしれませんが、実話です(笑)

このインタビューでは、彼の2017年のトレーディングについて分析し、どこがうまくいって、どこに向上の余地があるのか、そして、ALEXには、銘柄のスキャニングからエントリー、ポジションの管理、心理的な自己対処法等の戦略について話します。

短期の株売買をしたい人にとっては凄く良いインタビューとなっております。

ぜひ、楽しんでください!

インタビュー内容

Q 昨年の12月の成績が相当良かったみたいですが、どうしてそんなにうまくいったのでしょうか?

A)昨年の最初の半年間は基礎固めでした。口座を開設して、チャンスがある時にしっかりトレーディング出来るように現金を貯めました。仮想通貨が暴騰しておりましたが、そこには投資をしておりませんが、仮想通貨関連のマイニング事業やブロックチェーンを行っている企業も伸びまして、そこにうまく乗ることが出来ました。

Q 仮想通貨業界が大きく動いた12月に特にうまくいったことについていくつか教えてください。

A)大体一つのセクターに4から5銘柄を見ておりますが、当時の仮想通貨は本当に買い圧力が凄く、投機マネーが凄かったんです。みんな1ドルが100ドルになることを願ってひらすら仮想通貨を買っていました。しかし、仮想通貨セクターの銘柄のパフォーマンスは結構バラついていて、例えばセクター内の3つの銘柄が上がっているけれども、2つが下がっている等が頻繁に起こっており、そういった下がっている銘柄を思いっきりロングしたんです。そして、含み損を抱えてもより長く持ち続けました。もっと沢山の人が仮想通貨に参入すると思ったからです。

Q 確かに仮想通貨凄かったですよね(笑)毎朝起きてブルームバーグを見たら、仮想通貨が2倍になったりして、何が起きているんだみたいな(笑)

A)はい、完全にばかげていましたよね(笑)テック企業がPRで仮想通貨やってますって言った瞬間に株価が大暴騰することがよく起きていました。そういった銘柄にはどんどんリスクを取りましたね。大勢の投資家が座って投資機会を待っている人たちは、そういった銘柄にどんどん群がるので、上がると上がる確率がもっと上がるんです(笑)うまくいかないときももちろんありますが、オッズが良いので、どんどんリスクを取りました。

Q そういう表現はとても良いと思います。あなたはトレーディングする前に基礎固めをして、学んだ知識を全て活かして、知識ベースで取引しております。そして、またその知識を次の取引に活かして、原因が分かって、確信したら、ほとんどの状況で思いっきりベットしている所は凄いです。

A)はい、私は常に3から4銘柄を全く同じシナリオで見ております。違うセクター、違う名前でも、結局は同じような動きになります。多少は違えど、非常に似ているのです。

Q 因みに、トレーディング歴はどれくらいですか?

A)6月で5年目なので、まだ若い方ですね。

Q どうして専業になろうと考えたんですか?

A)その期間ずっとですね。ただ、最初の3~4年はあまり本気で取り組んでおらず、その前は10年ほど、ただ、ぼんやり市場に魅了されておりました。

Q ここ一年間とその前ではどう違っていたのですか?例えば、昔犯した間違えで今回に活きたことについて教えてください。

A)知ることが次に繋がります。知ることで他の人より先に動けるのです。私は昔いつも遅れて行動しておりました。いつも、大きく動いてからそれに乗っかろうとして最後の何%の人みたいになっておりました。それからは、最初の人になろうと努力しました。待たずに初動で乗る努力をしました。そして、いつその流れが終わるのかについて知ることです。私はよく最初の二週間や一週間で利益は出るけど、それから利益が消えることがあります。市場では、よくお金稼ぎが簡単と聞きますが、それを持続させるのは非常に難しいです。市場が過熱しているなと感じたらあまり深追いせずに、利益を守るようにしております。引き際を知ることがとても大切です。

Q どのようにして、流れが終わること、引き際を知るのでしょうか?

A)友人や家族がその商品を取引しようとしたら、それが引き際です。なぜなら、もうほとんどの人はその名前を知り、買おうとしているからです。楽観的過ぎたりしたら危険です。もちろん、もっと行く可能性もありますが、ただ、リスクリワードがどんどん合わなくなり、最終的にみんな売ります。つまり、リスクオンの状況でも、より保守的になるポイントは存在するということです。

Q それは面白いですね、あなたは全体の動きを捉える必要はないと仰る一方で、明らかに綺麗な塊を捉えようとしています。そして、その結果、今までで一番成績を出すことが出来たと。

A)はい、その通りです。月に一度か二度は資産を吹き飛ばす時が来て、残りは大体期待通りになります。やられたときにあまり深追いしないことです。皆さんの方が私よりずっとうまく出来ると思いますし、私はこれでトレーディングが大分心地の良いものとなりました。

Q よくやりますね、Twitterにエクイティカーブを載せておりますが、どのようにしてそんなに綺麗なエクイティカーブを達成したのでしょうか?

A)あれでも実はまだ追いきれていないものがあります。そして、ずっと言っているように、深追いし過ぎないことです。常にチャンスがあると思い、ずっと攻撃的であるといつか大きくやられるので、何日間か相場を休むことも大丈夫だと思っています。もちろん、何かあった時のために、相場の前にはいますが、あまり新しい機会について考えない日を設けること、これを受け入れられるようになったことが去年の私にとって最も大きな出来事でした。そして複利の効果です。勝つときにしっかり取って、負けるときはダウンサイドを抑えることによって、資産を大きく伸ばすことが出来ます。

Q どれくらいの頻度で何日間も相場を休むという行為を行っているのでしょうか?

A)今年(撮影時期2018年1月31日)に限っては一日だけノートレで、何日間かは一回か二回のみのトレードというのもありました。そういったことを受け入れ、貪欲にならないことにしました。毎月、何日間かはモニターを付けて見ていますが、ボタンを一切押さないということもやりました。

Q それは確かに大半の人にとっては実行が難しいでしょうね。自然にそういうことが出来るようになったとは思えず、それを実行できるようになった方法について教えてください。

A)特別な方法はなく、ただ一日トレードを休んでみてください。それをしただけです(笑)

Q どういう兆候で相場を離れるのですか?たらればもあるでしょう?(笑)(※「たられば」の注訳:you better to be out of a trade wishing you were in a trade than to be in a trade wishing you out of a trade)

A)間違いないです(笑)私が毎日の損益を投稿するときはいつも人々はなぜこの取引をしなかったのか、なぜこのチャンスを逃したのか等について言われます(笑)全てのチャンスを取ることは出来ないので、選択の問題だと思います。選択できることが私の強みだと考えています。

Q 先ほども申し上げたように物凄く綺麗なエクイティカーブを描いていますが、8か月前から何か遣り損なったことや重大なミスを犯したことはございますか?
(※これは実は二回目のインタビューで一回目はこちらの撮影の8か月前に行われています。)

A)いつも似たようなミスをしますよ(笑)ただ幸いにも去年はその傷口があまり広がらなかったです。しかし、今年一度赤字を出しました。その原因は、今年は10ドル未満且つ流動性もあまりない株に手を出してしまいました。こういった低位株は株が高値更新したと思ってもっとスケールすると思ったら、実はそこで終わっていて、売ろうにも中々売れないことがあります。こういった流動性に関する問題に度々巻き込まれることがあります。この最悪の状況から抜け出そうとナンピン等をしたこともあり、最後は成行注文で雪だるま式に売ることもありました。こういった致命的なミスを今までに4,5回は犯しました。こういったミスの対処法としては、これが本気のトレードであるかを自分に聞き、本気でなければまずはポジションを半分に減らすことです。ただ、時には頭に血が上って、そんな思考も出来なくなりますけど(笑)

Q トレードを上達させるためのショートリスト等はございますか?

A)はい、私のオフィスにはホワイトボードがあり、3つの自分にとって上達するために、とても大切なことを書いております。

それは、「マーケットがオープンする前」、「マーケットがオープンしている時」、「マーケットがクローズした後」に関して何をしたかについて書いてよく準備することです。

私は毎日マーケットがオープンする前に戦略を考え、それに忠実に従うことです。3,4日うまくいく日があって、朝にサボって、ミスすることもありますが、こういったことしないように日々改善する努力をすること、短期スキャルピングした時に明確な基準を設けて保有時間を伸ばすこと、大きく張るために精神状態を強化すること、もちろん大きく張るだけじゃなくて、より上手に張る必要がありますけど。あとは、板を読めるようになることです。

Q 株では特に重要そうなことですね。

はい、そして去年ある友人が私のエクイティカーブが上がっていることについて話をしていて、「君には分かるかどうか分からないが、ゲームはそのうち完全に変わる、だから、常に何手か先を読まないといけない」と。そして、実際に流れも変わり、彼の言う通りになりましたが、仰る通りで常に注意深く取引する必要があります。あなたの口座にお金が沢山あるからと言って、株は別にそんなこと気にしませんからね(笑)

口座に少額しかない人も、それはそれで俊敏ではありますが、そこにはそこの問題もあります。ですので、他の人がこういったからと言って、自分ではうまくいかないこともありますが、それは問題が人それぞれだからです。

Q 先ほど市場が開く前、開いている間、閉場後によく準備することについてお話しておりましたが、市場が開く前に心掛けていることについて、より詳しく伺ってもよろしいでしょうか?

A)私の場所では朝8時半に市場が開くのですが、人によっては物凄く早起きして準備しますが、私はそこまではしません。私は朝起きてから一時間半ほど市場について勉強します。まず起きたら携帯を弄らずに、ブログ、Twitter、ニュースについて見ます。そして、興味のある銘柄のウォッチリストがあり、それについてのニュースを見ます。これの目的は、ブロックチェーンと今まで関係のなかった銘柄とブロックチェーンとの関連性を市場が開く前に見つけることです。私のスクリーンには12個のチャートがあるのですが、私が特に力を入れてやっていることは、沢山のデータからどのチャートを見るべきか、どのチャートをより長く設定するか、そして、それぞれについて計画を立てますが、日足がどうなっているのか、どこがサポートとレジスタンスになっているのかについて見ます。そして柔軟になることです、PRが一つ出れば状況は一変しますから。

Q どこの情報を一番見ていますか?

A)Twitterです。沢山の不必要な情報もありますが、良い情報もあります。正しい人をフォローすることです。あとスクワークボックス(wiki)も見ています。

あと二つほどニュースフィードを購読しております。TradeXchange(https://thetradexchange.com/)とZynga Pro(こちらソースを見つけられませんでした)です。

小型株についても速報ニュースを流してくれるので重宝しております。

Q マーケットがクローズした後にその日のトレードについて反省すると思いますが、どのように分析しておりますか?

A)今も全ての取引履歴について確認しておりますが、昔ほどは深く分析はしなくなりました。これは良いことだと思っておりまして、なぜかと言いますと、取引履歴を分析することの目的は、どの取引が高確率で勝っているのかについて見ることだと考えているからです。また慣れてくると頭で出来るようになります。しかし、実際に取引履歴を見ることもあります。戦略が完全に機能しなくなり、原因が分からなくなった時です。

Q この一年間で口座の残高が大きく変化しましたが、最初は一日数万円の動きでも、口座の残高が増えれば何十万円と動きます。そこでどのように心理的な適応したのでしょうか?

A)私はあまりお金を使わない人ですが、勝っているのはもちろん素晴らしいことですが、負けるときはやはり痛いです。口座の金額が大きくなっても、いくら負けたかではなく何%負けたかで考えています。あと、大きく勝ったときに浮かれずに祝うこと等をしないように気を付けています。大きく勝っていてもいつか負ける日が来るので(笑)

また、精神的に辛くならないよう大きく賭けないようにしています。オールインはまずしないですし、最初小さく賭けて少しずつ大きく賭けるようにしています。

Q あなたは金額ではなく、%で損益を見ると言っていましたが、少ない口座残高と増えた後の口座残高でも、同じようなリスクの取り方をしているのですか?

A)そうです。これはトレーダーに良しあしがありますが、一回の取引で資産の2%から3%以上は絶対にリスクを取りません。スリッページや流動性の問題でより大きく損することもありますが、そういう時は損切ラインを厳しめに設定します。

Q スリッページについてお話していますが、小型株ではなく、より流動性の高い大型株を取引するということは考えたことがないのでしょうか?

A)それについて考えたことがありますが、まだ時期ではありません。前にあるトレーダーとスリッページ等の問題について話したことはありますが、そのトレーダーは、「君の得意な所で大きくなることだけに集中しなさい」と言ってくれました。

Q 前回のインタビューであなたは今開発した戦略以外に他の戦略にも興味があると仰っておりました。いつかトレンドフォローやより長い期間のトレーディングをしたいと。

A)古いやり方ですが、ペーパートレーディングで実験していますが、あまり精度は高くなく自信がありません。ただ、スイングは次に絶対やるべきことだと感じているので、いつか頑張りたいと思います。ただ、今絶好調なので、プラトー(高原状態)とまではいかないですが、次のための準備をしようとは考えています。

Q それはとても大切です。あなたがうまくいっている理由は、自分の強みを探してそこを掘り下げることだと考えています。鉄が熱いうちに打てって言いますし(笑)

A) 将来については誰も分かりませんから、分かることは過去と今だけなので、そこから学び、来るべきチャンスを逃さないことが大切だと思います。

Q 前回のインタビューで興味深かったことで「小型株のトレーディングにおけるロングする割合とショートする割合に関して、ショートの方が有利であるという偏見に対して、あなたは圧倒的にロングが有利だ」と仰っていましたが、それはまだ続いているのでしょうか?

A)それについてはまだ模索中の所ではありますが、小型株で99%の人がショートだって言った時に、私は85%の割合でロングすると言いました。ただ、怖いので20分の1しか賭けませんが。前は特に詳しくない銘柄で理由が分からずに上がっている銘柄をショートしておりましたが、ビットコインの動きを見て学習し、そういった銘柄に対して少しだけショートするという考えも出来るようになりました。大体15%の割合でショートします。

Q どのように銘柄を見つけているんですか?

A)株にはファンダメンタル分析とテクニカル分析がありますが、私は10ドル以下の銘柄で選びます。今それを中心に取引しているからです。人々は出来高がかなり重要と言っておりますが、それについてはかなり長い時間をかけて理由が分かりました。例えば110ドル且つ日次平均出来高の2.5倍ある銘柄をスキャンしたとします。そして、同時にあなたは一日中物凄く良いチャートを持つ銘柄を10個見つけたとします。しかし、大体その中で三つは失敗しますが、出来高が大事な理由は、投資家の傾向を掴むためです。投資家によってはその銘柄を見ていなかったり、見ているけど機会をうかがったりしている等様々な理由があり、それが出来高に表れているからです。

Q ということは、あなたはスクリーニングが終わったら大体10銘柄に絞るのでしょうか?

A)はい、しかし、あまり動かない相場では3~5銘柄になることもあります。それはそれで良いことです。なぜなら、人々は大体その3~5銘柄しか見ていないということが分かっているからです。

Q あなたは場中の取引をメインとしておりますが、より長い期間のトレンドに関してどれくらい見ていますか?

A)スクリーニングする段階では日足チャートから見ます。その後一時間足を見ます。私は普段場中のブレイクアウト戦略で取引しているからです。すぐにポジションを閉じるので、一年間のチャート等は見ずに直近20営業日程度のチャートを見たりします。一時間足では、レジスタンスやサポートについて確認し、場中では、3分足を見ながら取引してます。

Q 場中のブレイクアウトに気付く方法について教えてください。

A)トレンドラインを引くことです。それをブレイクしたら、取引してます。

Q どういったインジケーターを見ていますか?

A) 私が見ているインジケーターはVWAPです。複雑すぎて分からないインジケーターは使わないようにしてます。VWAPはその分シンプルですぐに使えます。

あと一時間足と日足では50本と200本移動平均線も見ています。

Q 2018年の目標について教えてください

A) スケールすることです。違うエリアでの市場も開拓していきたいと考えています。

Q 最後に新しく投資を始めたいという方にアドバイスはございますか?

A)利益を出しているトレーダーの習慣を学ぶことや、精進すること、柔軟であることだと思います。この分野はよく間違えますので、そういった時に間違いを修正できるように柔軟になることです。

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