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私が考える将来の金融市場 機械学習は金融市場を制圧するのか?

はじめに

この記事では、著者(数学科出身のクオンツ)が今まで金融と数学しかしていなかった世間知らずだったにも関わらず、社会で機械学習に触れたことによって得た経験から、今後の市場について考察したいと思います。

大体5分程度で読めるよう分量にしてあります。

機械学習とは?

この記事でいう機械学習は、決済サービス等の金融サービスの業務効率化のためのものではなく、投資戦略の機械学習化についての話である。

機械学習には、皆さんがイメージしているような深層学習も含まれている。

機械学習は主にパターン認識に強いとされており、例えば手書き数字の識別や、顔認識等様々な分野で活躍している。

今ではあらゆる分野で機械学習という言葉を聞くことになったと思う。

金融市場の定量化の歴史

ここは、自分の記憶を回想して書いている為、誤りもあるかもしれない。

歴史はブラックジャックから始まるとされている。

ある手法により、それまでは絶対にカジノに勝てないと信じられたが、それが破られる瞬間があった。

それは、カードカウンティングという統計的法だった。

それを実際に実践したエドソープは、カジノから散々な目にあったが、次はルーレットを攻略しようとした。それは、ルーレットの玉の初速によって、結果が偏るというものだった。

それから、ソープ博士は、金融市場に入り、最初に目を付けたのは転換社債だった。

株と転換社債の間にアービトラージという理論上無リスクな戦略が存在することを発見した。ただ、理論上無リスクであっても現実では無リスクな戦略は存在しないので、そこは注意してください。

そこから金融市場で統計的手法が流行り始めて、ウォール街に沢山の学者が集まった。

今の市場

インターネットが普及してからは、機関投資家以外でも皆が市場に参入出来るようになりました。

最初は皆ネット証券で取引していたと思いますが、そこから東証では機関投資家向けにアローヘッドという自動売買出来る環境の提供を始めて、ここから、日本でHFTが始まったと考えています。

従来のアルゴリズム取引と言えば、個人投資家であれば為替だけでしたが、近年では仮想通貨ブームが来て、アルゴリズム取引ブームが一層加速したといえます。

アルゴリズム取引の何が嬉しいかというと、例えば、人間では苦手な監視を機械がずっと監視してくれます。一番簡単な例は、取引所がたくさんあって、それらのティッカーを追い続けることです。チャンスがあれば自動的に取引も出来ます。難しい言葉でいうと裁定取引ですが、簡単な言葉で言えば、ただの商売です。商売の基本原理は、安く買って高く売るが基本で、これはどの市場でも当てはまります。高く買ってより高く買うという方もいますが、売った価格を基準としているので、結局安く買って高く売ると同義です。

さて、ここまでで、市場が既に自動売買システムのレッドオーシャンになりました。良いこともたくさんあって、皆さんが低コストで売買出来るのは、こういったシステムが流動性を提供していることも大きな原因となっております。

将来の市場

ここからが本題ですが、ここまでで、市場の定量化の歴史や、今の市場環境についてお話しましたが、ここからは、これからどうなるのかについて考察していきたいと思います。

まずは、手数料は更に安くなると思いますので、機械による流動性は益々増えていくと考えています。

次に、ほぼゼロサムゲーム状態になると、価格はある種のランダムウォークをすると考えています。ここから市場は進化すると考えています。

今でも正直、機械学習による予測はかなりされているのですが、コストが安くなると予測に必要な精度が下がります。つまり、機械学習で参入する投資家も増えると思います。そして、非常に効率化された市場で、且つ、予測屋さんが多いと、結局ある種の規則的なパターンに市場が従う可能性があると考えています。

個人投資家にとっては、あまり複雑なことをせずに細かい動きで儲けられる時代が来るのかもしれません。ただ、逆をいけばもちろんやられると思いますが。

まとめますと、将来の市場は、取れる値幅は小さくなっても、より予測しやすくなる可能性があると考えています。



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