ハワイのお正月
クリスマスが本番という感じのハワイでは、お正月はなんというか、大きなお祭りのおまけ、といったイメージもあるものの、日系人がたくさんいるおかげで、その気にさえなれば、お正月らしいものが色々と手に入る。
年末には近所のドラッグストアで、松の枝と笹がセットになって売っているのを見つけた。値札も何もなく、無造作に置いてあったのだけれど、何だかうれしくて、どれがいいかなあ、と物色していたら、通りすがりのおじさんに「お、kadomatsuかい?うちは先週、みんなで集まって餅つきもしたよ」と話しかけられる。
日系人のみなさんは、今はもう4世、5世、6世といった感じで、日本語を話すこともなければ、日本に行ったこともない、という方がほとんど。それでも、日本というルーツはとても大切にしていて、家に石臼があったり、年末に親戚一同集まって、餅つきするのが恒例、なんていうのもよく聞く。
我が家のお隣さんも日系3世で、日本語は話さないけれど、お正月用にと、つやつやの黒豆となますを作っておすそ分けしてくれた。
日系スーパーに行けば、お餅やお節の材料も一通り揃う。ほとんど出来合いだけれど、普段は見かけない品々たちを揃えてお正月の準備ができた。
元旦は、出雲大社ハワイ分院に初詣。宮司さんが参拝者一人一人に祝詞を唱えながらお祓いしてくれる。巫女さんもいて、お神酒を振舞ってもらった。
お節とお雑煮でささやかに年明けを祝ってから、海へ初泳ぎに。冬の水は、ヒヤッと冷たいけれど、慣れると気持ちいい。海の恵みに感謝しながら、波打ち際でボディサーフィン。波のエネルギーで身体中が満ちる。
こうしていつも海が惜しげなく与えてくれる豊かさを、
何かしらの形で、届けていけますように。
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