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こんな出会いが本当にあるなんて~両親の話①

なかなかSNSに慣れない私は、自分について語ることがまだまだ怖い。

そこで、父と母に犠牲になってもらおうと思った(笑)


実家で暮らしている私の家庭内は、平和だと思う。

99%、私と母が話している。

実は、私は父の声を1日「うん」しか聞かないことがほとんどだ。


父は、母より20も年上である。

父のエピソードは全部、母から聞いたものだ。


若かりし日の父は、駆け落ちをしたらしい。

いや、相手は母ではない。


実家から絶縁され、その女性とは籍を入れることもなかったそうだ。

しかし誰も知らない土地で20年、ひそやかに暮らしていた。


その日々は、女性の死によって終わりを告げる。


彼女が父の全てであった事は、想像に難くない。


当てども無く彷徨い歩いた父は、とある川縁からふらふらと歩を進めようとしていた。

その姿を目に留めたのが、母である。


駆けつけて、しがみつき、引き戻した。

「陸上やってて良かったほんと」と、笑い話のように言っていた。


映画や小説で、ありそうなシーンだ。


運命の出会いってやつ?と尋ねると、そんなセンセーショナルなものではなかったという。


顔見たら冴えないおじさんで、全然タイプじゃないしそもそもママは彼氏いたからね。


ええっ!?


(つづく)



この話を書こうと思ったきっかけは、画家 ゆめのさんのこの記事です。



記事の中でわずかにふれられているお父様のこと、「似ている」と思って。

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