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なんぼだって汚れてる

 隣で2回り近く違う男が、結局イかずに寝てイビキをかいている。私はと言うと裸体でこの文を書いており、なんとかアッパー剤をできる限り腹に入れて正気を保っている。なんなんだよこの時間。って腹を立てつつも、いつもの五倍くらい頭がおかしくなってるから、今が最高に生きてる気がしてる。お前なんかの首締めじゃ私は気持ちよくなれないし、お前なんかの優しい言葉じゃ私の精神は救われねぇよ。
 ケータイの明かりが男な顔を照らしていて、飲み屋で会うときの方がかっこよかったのに、なんて勝手に悲しくなっちゃって、変に気持ち良くもないセックスなんかしないで、お客さん同士の関係性でいればよかったって後悔してる。
 金をもらうために人とセックスするなんて最低だって言ってたくせに今の私は精神薬と酒と人間に溺れていて、この世のゴミ見たいな人間になってしまってる。うるさい。隣の男のいびきがデケェんだよ。馬鹿って今思いながら、片手パンツを探す。宿とシャワー貸してもらってるからコイツからはお金たらねぇかなって良心で、とりあえずまたあの新宿の飲み屋街に戻って酒飲んで死んで、明日から仕事をしなきゃ行けない。あぁ、誰か私を。

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