マガジンのカバー画像

長編小説『くちびるリビドー』を楽しROOM

49
「私がウニみたいなギザギザの丸だとしたら、恒士朗は完璧な丸。すべすべで滑らかで、ゴムボールのように柔らかくて軽いの。どんな地面の上でもポンポン弾んで生きていけるし、水の上ではプカ…
note版は【全20話】アップ済み(【第1話】は無料で開放&解放中☺︎)。全部で400字詰め原稿用紙…
¥1,000
運営しているクリエイター

#海

「小説『くちびるリビドー』を楽しROOM」より、ご案内と最新情報。

◎小説『くちびるリビドー』が「紙の本」になりました♪(2020年12月22日発売)“やっぱり私、…

『くちびるリビドー』第13話/3.まだ見ぬ景色の匂いを運ぶ風(1)

 携帯電話の着信画面に「公衆電話」の四文字が表示されるとき。その相手は、ほぼ100%決まっ…

100

『くちびるリビドー』第14話/3.まだ見ぬ景色の匂いを運ぶ風(2)

「やっぱりここでごまソフト食べなきゃ、こっちに来た気がしないよ」 「お昼も過ぎたことだし…

100

『くちびるリビドー』第16話/3.まだ見ぬ景色の匂いを運ぶ風(4)

「悪いけどワタシ、じじいと一緒に風呂に入るなんてゴメンだからさ」と寧旺が言ったのは、レス…

100

『くちびるリビドー』第17話/3.まだ見ぬ景色の匂いを運ぶ風(5)

 翌日は快晴だった。きりりと澄んだ十一月の青空は、抜けるように高い。  リビングに下りて…

100

『くちびるリビドー』第18話/3.まだ見ぬ景色の匂いを運ぶ風(6)

 夕日を見た、久々に。本物の太陽が本物の海へと呑み込まれていく瞬間を。  語り続ける私た…

最終回『くちびるリビドー』第20話/3.まだ見ぬ景色の匂いを運ぶ風(8)

「そういえば……マモルね、このところ体調崩しててさ。お店、閉めちゃってるのよ」  真夜中。寧旺が口をひらいたのは、ゆうべと同じように星を眺めながら過熱した思考をクールダウンさせようと、寒空の下を歩きはじめたときだった。 「偉そうに、アンタにアドバイスなんかできる立場じゃないのよ、実際は」  そう話す寧旺の雰囲気から「マモルさんの状態は相当よくないのでは?」と感じ取ってしまった私は、返す言葉が見つからぬまま、耳を澄ませて次の言葉を待った。 「病気のことはね、最初からわかっていた

¥100