見出し画像

さようなら全てのバーチャフリーク。ありがとう、全てのバーチャフリーク。

初めてクラブに行ったのもバチャフリだった。

初めてエンタスに行くきっかけもバチャフリだった。

初めてインターネットで出来た友達と踊ったのもバチャフリだった。

色んな人をバチャフリに誘ってきたし、一緒に楽しんだ。

僕がクラブに行き始めて常にそこにバーチャフリークがあったし、自分自身が悩んだときもずっとバーチャフリークがあった。そんな日常的なものだったからこそ、新木場ageHaにいたときは――今もそうだけれど、終わってしまったという実感が沸かない。遠くにいるフォロワーに会える良い機会だったし、初めてバーチャル音楽に触れる人を誘うのに良い機会だった。

今回も3人ほど新しくバチャフリに誘ったんだけど、全員が満足して帰ってもくれた。誘った人間としてこれほど嬉しいことはない。

画像1

当日、寒空のageHaはいつもと違って見えた。橋の先までずっと列が出来てていて暴カワのときより人がいたかもしれない。数十人くらいのイベントだったときのことを思い出して、思わず込み上げてくるものがあった。

当日のルート

画像2

自分はチケット戦争に負けた人間なのでGAチケットだったんだけど、11:20分頃に入ったときはislandしかまだオープンしていなくて、オタクたちがそこに溜まっていた。そのためなかなかの混雑で満員電車のよう。

ただ、そんな中でバチバチに飛ばしていたのがBatsuさんでtwinkle night大合唱したときは、「クラブに帰ってきた!」って感じがしました。マジで。やっぱ、声出せないってずっと辛かった……

エハラミオリ

これが俺らのバーチャフリークなんですよ

俺の人生が全部ここに詰まってるといっても過言じゃないや。このセトリに共感できる人間は全員友達になれます。正直現場にいるときの記憶はほぼなくて、ただずっと叫んでた。俺らが生きてきた人生と文脈がそこにはあって、𝓵𝓸𝓿𝓮……しかない。Fruity love→Jacked→Hackedの流れと踊るエハラミオリを見たときに僕はバーチャフリークに帰ってきたと思いましたね。

KMNZ→ワニコー→somunia

この面々わかります? 全員バーチャフリークに欠かせない人たちなんですよ。somuniaとワニコーはずっとバチャフリに出演していて、KMNZはあの夏を思い出すのに必須のパーツです。

個人的にあの夏は全てのクラブの中で一番思い出に残っていて、僕の人生の大きなものの一つです。死ぬときでもこの日のことは忘れないと信じてます。

KMNZは会場のボルテージをバッチバチに上げていって、ズの声がちょっと上ずってるのも良い味出してました。そして、VRは何回聞いても良い曲なんだ!

ワニコーは、バチャフリでいつも期待しているユニット。
特に最後のトラブルのところで食らってしまった。二年前にみんなで作った透明な日曜日という曲が機材トラブルで止まってしまっただけど、みんなの手拍子で続いていって、全員で大合唱した。俺らはいつも二年前の透明な日曜日を忘れることはできない。カッコいいよ、ワニコー。三年間作ってきたカルチャーが脈々と繋がっていることを感じて泣いた。

最後に僕の推しであるsomunia。ageHaのオクタゴンスピーカーで彼女の曲を聞いたとき、頭に低周波治療機付けられたように、低音がズンズンと響いた。あんなこと人生で初めてで、スピーカーに殺されるかと思った。久しぶりの"音楽"を感じられた。ageHa最高だよ。

最後にtwinkle nightを大合唱したとき、もう死んでも良いと思った。今回現場で何回twinkle nightを聞いただろうか? コロナになってずっと声が出せなかった。みんなで騒いではしゃいで楽しむことが出来なかった。それが出来ただけで大満足の瞬間だった。

MaiR→希来里パイ→yosumi

軽くオタクと挨拶&酒を入れて一休み。アリーナで騒ぎすぎたせいで若干酸欠気味だったから、外の空気がとても美味しく感じたし、冬の寒さもちょうど気持ち良いくらいだった。みんなと前半戦の感想を言い合って、他のブースも最高だったと知る。やっぱ体が3つは必要なイベントなんだよな……

世界のMaiRが一番カワイイ!!

MaiRのライブを見るのはいつぶりだろうか。それこそ、二年ほど前のバーチャリアルな気はする。初手の「Step up Super Star!!」で最高にぶち上がって、あとは掛け声と拍手でめっちゃ楽しかった!!! 

そのままの勢いでππ来来へ。もしかしたら、ππ来来のリアルライブは初めてじゃないかな?

ライブは他のものと一線を画していて、ππ来来の世界観全開。バーチャルケンモチさんのDJセットで世界観を作っていって、最後にラビュリントスでドンと締める流れ。

ππ来来が終わったら、駆け足でyosumiへ移動。この時間帯はどのフロアも見たい人が多すぎて激戦区だったと思うんだけど、あえてyosumiを選んだ。あの夏を一緒に過ごした同士としてyosumiがどんなライブをするのか楽しみだったから。

yousmiのislandはギチギチに混んでて、フロアからちょっとはみ出たところで見させてもらったんだけど、yosumiの見せたいもの、伝えたいメッセージが音楽の中に出ていた気がした。オタクはちゃんと死にました。ありがとう。

エルセとさめのぽき→TAKUYA the bringer

「うお~うお~うお~!!!」と叫ばなきゃ終われない!!!!

そう言って、近くの友達を誘ってエルセとさめのぽきのところへ走った。

えるぽきは圧巻のステージ。深海の中に私達が落ちていって迫力のライブセットが始まった!
僕は海の音というイベントに言ったことがあるんだけど、そのときの記憶が久しぶりにフラッシュバックした。みんなで大声で叫んでいるのがとても懐かしくて泣いてしまった。

最後はエンタスのママことTAKUYAさんのDJを。
あの時間のウォーターは完全にエンタスだった。曲もほぼフルでかけつつ、エンタスにいるオタクに刺さる曲ばかり。自分が楽曲大賞に選出したスローモーション・ジャーニーをみんなで合唱することができて大満足。

あと、友達のオタクがshazamして見つからずに困っている人に曲名を教えてていたらしい。そんな温かい雰囲気のある空間でagehaの最後の時間がゆっくり流れていった。

バーチャルねこ

ねこさんのDJで終わることを僕はバーチャフリークに望んでいた。
それは、あの夏のバーチャフリークで披露した「hello,morning」→「up to date」が最高の締め方だと思ってるからだ。
だから、ちょうど良い時間を見計らってアリーナへ移動したら、急に「stardust finding you」が流れて倒れてしまった。ageHaの空間でstardust finding youなんて聞ける日がくると思わなかったし、オクタゴンスピーカーから流れるド低音の「stardust finding you」が体に染みた。

そして、東雲が見えてきた頃、ねこさんは「hello,morning」→「up to date」の流れをやってくれた。ずっと僕たちは理想を追い求めて、見たことない景色を求めてきた。ageHaという大舞台でバーチャルの祭典を開けたことは一つの区切りとして大きな意味を持つと思う。ずっと、「oh-oh」言っていたかったけれど、未来を見ていくしかできないんだし。


おわりに~回顧録~

最後、知り合いのオタクが

「かなたさんに誘ってもらった二年前のバチャフリが初めてのクラブで、今日ageHaで最後を迎えられるのがとても嬉しいです。僕も今日友達を連れてきました!」

と言ってくれて正直泣きそうだった。僕も繋いできた文化の一部なんだ、ということを改めて感じられたから。

僕が初めて行ったのがvol2で数十人ほどの人しかいなかった記憶がある。2018年からずっとVtuberの音楽を追っていた自分は、このとき自分と同じような趣味・趣向の人々が集まる場所があるってことを初めて知った。同時にクラブがとても楽しいってことも。

当時、衝動的に書きなぐった記事↓

Vtuberの音楽なんて、そんなジャンルもちゃんとなかった時代の話だ。少なくともそんな聞き方をしている人は今より圧倒的に少なかったのは確かで、マイナーで身内的だけど、圧倒的に熱量のあるオタクたちが確かにそこにはいて、全力で踊って音楽を聞いて楽しんだ。

2019年を通してVtuberの音楽をVtuber音楽として聞く人が増えていって、バチャフリを通してカルチャーが新たなカルチャーを生み出していく様子を見てきた。自分自身もカルチャーの勃興期を見ることが出来た経験は初めてで、毎日がとても楽しかった。毎日新しい曲をチェックして、身内のオタクたちと語り合って、イベントに行って交流して……今も続いているけれど、そんな日々がとても輝いている。

そして、その文脈たちが2020年~2021年を通して徐々に地方や他のイベントに広がっていって最終的に全国Vイベが生まれる規模にまで大きくなってる。

僕は今までにたくさんの人をバチャフリに誘ってきたけれど、初めてバチャフリに来た人でも「自分にめちゃめちゃ刺さる! 楽しかった!」と言ってくれる人がたくさんいる。たぶん、バチャフリって色んなVtuber音楽シーンの源流的なところがあって、その人の何らかの琴線に触れるんだと思う。バチャフリで初めてクラブに行った人、そしてそこでDJを始めた人も多い。例え、バチャフリに行ったことがなくても、バチャフリの文脈の影響を受けて一緒に遊んでいるオタクも数え切れないくらい。

バチャフリが終わっても、今いる僕たちがバーチャフリークの子どもたちなんだ。

さようなら全てのバーチャフリーク。ありがとう、全てのバーチャフリーク。



この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?