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【BOOK】『書くことについて』

『シャイニング』『スタンド・バイ・ミ―』などの作品で知られる小説家スティーヴン・キング。

彼が記した自伝的文章読本『書くことについて』(小学館文庫/田村義進訳)をご存じでしょうか。

この本には、小説家を目指した少年時代、執筆の裏話のほか、身近な人々にかけられた示唆に富むアドバイスや自身が考える文章論も随所に盛り込まています。


個人的に印象に残っているのは、一通の不採用通知に書かれていた寸評の言葉。

悪くはないが、冗長。もっと切りつめたほうがいい。公式――二次稿=一次稿マイナス10%。成功を祈っています

人気作家も最初はなかなか目が出ず、不採用通知を受け取ってばかりだったのだそう。しかし、この公式を目につくところに貼り、意識するようにしたところ、事態が少しずつ好転していったのだそうです。

思慮深い削減の効果はてきめんで、驚くほどと言っていい


原稿を読み返してみて、回りくどい、読んでいてテンポが悪い、なくても意味が通じる、と思える部分には手を入れ、削っていく。その作業はとても重要です。

文章を書くときに避けなければならないのは、語彙の乏(とぼ)しさを恥じて、いたずらに言葉を飾ろうとすることである


自分の文章に自信がない、もっと文章力を身に着けたい、作家の仕事が知りたい、という人におすすめの一冊です。


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