WSD同期ちょなんに聴く、ワークショップと自身の在り方(前編)
これは、WSD Advent Calendar 2022 の7日目 の投稿です。
その存在を知っていても、自分も書こう!という所まで熱が高まらないのがアドベントカレンダー。今年、参加することに決めたのはWSD同期(29期)のちょなんに声をかけてもらったから。
ということで、一人ではイマイチ乗らない書き物も、二人なら楽しい!ということで、今年は、ちょなんのインタビューと私が感じたことをお届けします。・・・が、二人の関係から書き始めたら思いのほか長くなってしまったので、二人の関係を軸に学びを振り返った話を前編としてまとめ、ちょなんへのインタビューを後編として分けてお届けします。ちょなんのインタビューが気になっている人は直接後編へ。それでは、どうぞー!
"ちょなん" こと長南雅也さん と私のはじまり:2018年
いきなりインタビューに入る前に、まずは私とちょなんの関係性を振り返ろうと思う。ちょなんと私の出会いは、青山学院大学ワークショップデザイナー育成講座(WSD)。2018年9月開講の29期の同期で、2022年の現在、つきあいは4年になる。
私の中の当時のちょなんは「朝に強い人」「WSを実践してる人」。
ちょなんは、講義前の朝活@スタバの常連。集合時間より少し早めに来ていることも多くて、それがすごく印象に残っている。(私は朝がニガテ)
朝活といっても、集まるのは100人前後いる同期のうちの十数名。講義中のワークで話したことがある人もいれば、ほぼ初対面の人もいるし、こういう場が初めてでドキドキしている人もいる。そんな物慣れないメンバーにも、ちょなんはいつもさりげない気づかいで声をかけてくれたり、話題を提供したりして場をつくってくれる人だった。
そんなちょなんを横目に見ながらも、違うテーブルにいることが多かった私。ちょなんと個人的に話したのは2018年11月25日が最初だったらしい。
このメッセージがご縁を引き寄せたのか「残すところあと1回」であった最終回の講義のワークは、なんと、ちょなんと一緒だった。
そして私はこのご縁に便乗して徐々にちょなんとの距離を縮め、このWSDの講座終了後にちょなんが始めてくれた「朝活」の企画に手を挙げることになり、しばらくちょなんと一緒に場づくりすることになったのだった。
ちょなんから勝手に学んだこと
私も、今でこそアクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)という読書会を日常的に開催しているけど、このころ(2018年)は、まだ自分で場をつくるなんて想像もできないような、経験値ゼロの状態だった。そんな私が、WSDの講座終了後に、朝活の企画、一緒にやらない?とちょなんが声かけてくれた時に「やりたい!」と言った背景には
(´-`).。oO(実践してる人と一緒に企画や運営して、どんな感じでやればいいのかワザを盗みたい・・)という下心があった。
(もちろん下心だけではなく!当時、子どもが生後10ヶ月だった私は、自分の時間が自由にならない中も朝の時間ならなんとかなる!と、みんなと学び続ける場をつくりたいという気持ちと、講座が終わって自分も何か動かなきゃという焦りがあった)
そして実際に、ちょなんと一緒に朝活を開催。かなりいろいろなことを吸収させてもらった。
まず、振る舞い方
こういう集まりをどう企画して、どうアナウンスするのか。
メッセンジャーの使い方やみんなへの情報の届け方、場の意図の作り方や、オンラインで "一緒につくっていく" やり方など、ちょなんのやり方を間近で見て一緒にやって一通りの振る舞い方を知る。そして、回数を重ねる中で自分でもやってみる・・という経験を積んだ。
つぎに「自分とは違う考え方をする人」からの学び
私から見たちょなんの仕事は、丁寧で繊細、心配りに満ちている。
私は性格上、ノリと勢いでイェ──ヽ( ゚Д゚)人(゚Д゚ )ノ──ィという感じで進めがちなので、ちょなんのその仕事ぶりは大変勉強になった。
もちろん、ときには私の感覚からは(そこまでする・・!?)と思うようなこともあったけど、実際に自分が迷子になったりすると、メッセンジャーに届いている「もう着いてます」のお店の入口の写真に、ありがたさをしみじみと感じたりする。
たまに、私の開催しているABDに参加した人が「ガイドが丁寧」と言ってくれることがある。今これを書きながら、その「丁寧」のルーツは、たぶんちょなんにあるんだろうと思った。最初に倣った(習った)人の影響は大きい。
「呼びかけたら誰か応えてくれるだろう」という感覚
これは、ちょなんというより、WSD同期のコミュニティからの学び。
講座の期間中の朝活に加え、ちょなんと一緒に開催したモーニングは2回。朝8時に現地集合、という朝の苦手な私にはかなりハードな時間帯にもかかわらず、毎回10名前後の同期が集まってくれた。
この「呼びかけたら応えてくれた」という経験は、私のコミュニティへの信頼感を大いに高めた。呼びかけたら応えてくれる人がいるんだ!という新鮮な驚き。(会社の中ではなかなかこういう体験はできない)
そして、この信頼感は、その後、私が参加することになる講座でも、私の「朝活しませんか?」という呼びかけを後押しをし、そして今の "参加してくれる人と一緒に読む読書会(ABD)" の開催にもつながっている。
いま自分の中にある「コミュニティへの信頼感」の始まりは、間違いなくWSDのコミュニティによって培われたんだと、今回振り返って気付いた。
ちょなんを倣った自分の学び方は、まさに「師匠のふるまいを見て学ぶ」正統的周辺参加だった。とてもWSDっぽい。
なんとなく終わった朝活:2019年
ちょなんとアレコレ試行しながらWSD同期と朝活していた2019年。その最後の朝活になったのは、5月のGW中の代々木公園の回だった。特に終わりにする話はしていなかったけど、私にはちょうど同じ時期、その5月の下旬に運命的な出会い*があり、朝活はなんとなく終わってしまった。
こうしてWSD講座の終盤から、終了後の朝活の企画運営を通して関係を深めてきたはずだったんだけど、このころの私の中でのちょなんのイメージは「気配りの人」「つかみどころのない人」だった。
「気配りの人」というのは前述の内容を読んでもらえばお分かりいただけると思う。で、問題は、この「つかみどころのない人」というところ。
どうしてかというと、ちょなんと一緒にいるときに、私の中ではよく「ちょなんはどう思ってるのかな・・?」と思うことがあったから。
そういうイメージになったのは、この頃のちょなんは、私にとってまだまだ先を歩く人で、一緒にやる、話す中で知識として教えてもらうことがたくさんあったからかな、と思っている。(例えば NVC。ちょなんに教えてもらったことを明確に覚えている)ちょなんと話していると「そういうのがあるんだ!?」「なるほど!」と知識や事例を教えてもらっているうちに話が進んでしまい、あとから「あれ?ちょなんがどう思ってたのか聞き損ねた」と思うことたびたびあった。
そういう経験が積み重なった結果、私の中のちょなんは、心配りができて、あまり自己主張せずに見守ってくれる人。いろんなことに詳しいのは知ってるけど、やりたいことはあまり具体的に聞いたことがない人、というイメージになった。
とはいえ、私もエンジニアをやっていた経験があり、ちょなんと同じIT業界で働く者として「開発現場にありがちな問題」を説明抜きに共有できることもあり、2019年に朝活が終わってしまって以降もまれに連絡はしていた。思い出したら唐突にメッセージを送る、というような、変な遠慮をしなくていい関係だった。
ちょなんとのご縁、ふたたび:2022年
それが変わったのが2021年12月。
私が複業を始めようとした矢先、その複業先A社でちょなんと一緒になった。え?なんで!?
どうやら、私たちは、まったく別のルートから同じタイミングで同じ会社で仕事を始めることになったらしい。しかも「お二人が知り合いならちょうどいいですね」と、フルタイム勤務のちょなんリードの元、複業の私と二人で新しいプロジェクトを進めて行くことになった。すごい偶然。
複業そのものが初めてだった私(転職経験はゼロ)は、新しい仕事場でちょなんが一緒と聞いて心強くもあったけど、若干の不安もあった。私は、自他ともに認める自己主張が激しいヤツ(特に仕事では)。自分がこだわるところはガンガン言うタイプ。「気配りの人」「つかみどころのない人」であるちょなんリードのプロジェクトでうまくやれるんだろうか、と。
そんな不安はありつつも、以前の「朝活」に続いて、私は再びちょなんを水先案内人に未経験の世界(複業先)へ飛び込んだ。ありがたいご縁である。
前とは少し変わったちょなんの "イメージ"
そのプロジェクトでもちょなんから学んだことはたくさんあったが、さすがに長文になりすぎてきたのでそこは割愛して(企業内の事なので詳細に言えないというのもある)、2019年当時からアップデートされた私の中の"ちょなん像"を最後に共有して前編を終わろうと思う。
2022年に再会したちょなんは、以前に比べて「やわらかく」感じた。
直感的にそう感じた自分の感覚から紐解くと、以前は、どこかで「硬い」と感じていたということなんだろう。私の中で、ちょなんの思っていること、考えてくれることを「聞けていない気がする」感覚がそれにつながっていたように思う。そして、振り返るに、実際に私は「聴けて」いなかったんだろう。
でも、不安に思っていたプロジェクトでの活動では「こうしたらどうだろう!」と勢いよく主張しがちな私をちょなんはうまく受け止めてくれて、違和感があるところには率直にフィードバックしてくれた。
その「率直に思っていることを言ってくれる感覚」は、以前の私が知っているちょなんには無かった気がして新鮮だった。私も2019年と比べれば、自分が考えを伝えることや、相手の話を聞く・聴くことができるようになったし、この勤務先がそもそも「聴き合う」ことを大事にする文化だったというのもあるから、変わったのはちょなんだけじゃないんだろう。これが「関係性に変化が起きた」ということなんだ。
そして、ちょなんは、私が開催している読書会(ABD)にも初めて参加してくれた。2019年に誘ったときは「苦手意識が・・・」とやんわり断られていたのでこれはうれしかった。(どんな心境の変化があったんだろう)
この読書会はダイアローグ(対話)のパートがあるのが特徴だけど、その場では、ちょなんが大切にしていることや、ちょなんならではの視点で感じたことを共有してくれた。そして、そんなちょなんの述懐を聞くことや、プロジェクトでの協働を通して、出会いから4年、ちょなんがどういう人なのか、何を大事にしているのか、ようやく私の中で像を結ぶようになった気がしている。なんとなくうれしい。というところでちょなんとの関係性の振り返りを締めくくりたい。
蛇足だが、読書会にはその後も2回ご参加いただき、その中でちょなんは新たな出会いがあったようで新しい学びの場(プロセスワーク)に旅立って行った。こういう新しい扉を開くきっかけに立ち会えるからABDをやめられないんだよな。。
前編の最後に
今回、この「ちょなんとの関係性」の振り返りを通して、出会い、関わり合うことで自身に変化が起き、周囲との関係性が変化していく妙を改めて感じた。人はお互いに響き合って生きている。これこそ私が創り出していきたい「成長」であり「学び」だと思った。
数年先、また機会があったら二人の関係性を振り返ってみると面白そうだけど、それよりまず、これを読んだちょなんに感想を聞いてみる方が先か、などと思うのも今から楽しい。一人の人を軸に、その関係性と学びを振り返るということを初めてしたけど、言語化してみてよかった!
さて、長くなりましたが、そもそもこの振り返りは、ちょなんのインタビューの前座でしたね。振り返り魔の私の長い長い振り返りをここまで読んでくれたあなた。ありがとうございました。誰も読んでくれなかったとしても、きっとちょなんだけはここまで読んでくれてるはず!笑
ということで、以上のちょなんと私の関係アレコレを踏まえて後編のちょなんのインタビューをご覧ください。
これは、WSD Advent Calendar 2022 の7日目 の投稿です。