見出し画像

変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第二十三話

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
二十三話です。スマホ…依存症だな、自分は。

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【不思議な家と僕がオバケになるまで】第二十三話
「郵便局の部屋」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ  元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
・オバケ きつね達が度々見かける方、多分女性。

その日はフロントから一番近い部屋が〝郵便局の部屋〟だったんで、そこから向かいました。

「とりあえず…最初に言っておくね、僕はここには住まないよ。…何か、凄いもん。」
「そうだなぁ~俺様もここは住みたくはないぜ…だって、これはちょっとなぁ。」
「凄い数の小さい棚に、どんどん手紙が運ばれているね…料理とか白黒とかもそうだけど。どこに繋がっているの?」
「知る訳ないだろう…その手紙を、何かよく分かんねぇ何百本もの手が仕分けしてるぜ。…この手なんだ?」
「僕が聞きたいことをアコが知らないなら、もうお手上げだよ。…でもまぁ、ここは本当に〝郵便局〟だね。」

本当に何百も棚が並んでいて、広さも結構ありましたね…部屋は部屋でしたけど。
生活するための部屋って言うよりは、やっぱりその仕事が好きな方の部屋って気がしましたね。


「荷物も届いてるな、小包からデカいのまでまぁ…でもまぁよ、ここから不思議の家全体に届いているのかもな?」
「あ、そういうこと?…だったら納得だけど。え?ていうか、悪魔とか怪異の世界ってスマホとか無いの?」
「ねーよそんなもん、何でそんなもんの話すんだよ。手紙があんだから必要ないだろイシシ!」
「…そう…なの?ごめん、何だか人の頃から当たり前に扱っていたし…スマホとか当たり前に思っていた…。」
「そんなに便利かね?スマホってのはよ…俺様には、使っちゃいけない薬みたいに見えてたぜぇ~。」
「確かに…その例えは、言いえて妙だけど的を射ている気がするよ。…それに、手紙の方がいいかもね。」

SNSって、伝え方が難しかったり、苦手な人間も居るでしょ?
そう言うの思い出して、確かに手紙って気持ちが伝わりやすいなって…ほら、ラブレターとかは今でもあるし。


「そうだろうよ!手紙で十分だろう!言葉も気持ちも呪いも魔術も遅れる便利なもんじゃねーか!」
「…今〝呪い〟と〝魔術〟って言った?…そんなものも送っているの?手紙で?」
「人間の間でも流行ってたろ!〝呪いの手紙〟とかよ!あれは悪魔が間違って送っちまったのが始まりだ!」
「あ~~…え、間違えたって…送り先を?随分と危ない誤配送するな。…そんな始まりだったのか、あの都市伝説。」
「もしかしたら、ここがそのご配送の場所だったりしてなぁ~。イシシ!」
「…でも何だかいいね、この全てが〝伝えたい気持ちのやり取り〟って思うと…スマホやSNSじゃなくてもいいか。」
「スマホなんて使わなくても、伝える方法何ていくらでもあんだからよ!イシシ!」


まさか、郵便局でスマホの存在価値を考えさせられるとは思いませんでしたよ。
それにしても、流石は悪魔や妖怪さんですよね…手紙で〝呪い〟とかって。

え?やってみたい?…オバケさん、物騒なこと考えますね。

〝タンスの角に小指をぶつける呪い〟?
それは…地味でクスっと笑えていいかもですね。





続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

書きながらめっちゃ思いました…最近手紙見たことない。

請求書以外で…請求書以外の手紙、欲しいな。

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


《作品利用について》

・もしもこちらの作品を読んで「朗読したい」「使いたい」
 そう思っていただける方が居ましたら喜んで「どうぞ」と言います。
 ただ〝お願いごと〟が3つほどございます。

  1. ご使用の際はメール又はコメントなどでお知らせください。
    ※事前報告、お願いいたします。

  2. 配信アプリなどで利用の際は【#カナモノさん】とタグをつけて頂きますようお願いいたします。

  3. 自作での発信とするのはおやめ下さい。

尚、一人称や日付の変更などは構いません。
内容変更の際はメールでのご相談お願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?