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変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第十四話

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
十四話です。ってことは、十四日目ってことです。

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【不思議な家と僕がオバケになるまで】第十四話
「二階の廊下」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ  元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
・オバケ きつね達が度々見かける方、多分女性。

一階で初めてオバケさんを見たあの廊下も驚きの場所だったんですけど。
二階の廊下からはもう正しく〝次元が違う〟感じがして、更に驚かされましたよ。

「ねぇ、アコ…今って何時だっけ?」
「今か?人間の時間で言うと…夜の八時かねぇ~。どうした?もうおねむの時間か?」
「いや、そうじゃなくて…ここの窓の外。こっちの窓は朝焼けが登り始めてて、向こうの窓からは月明かりが…。」
「お?そうだな、別に普通じゃねーか?」
「全然普通じゃないよ…それに、一階の廊下と違ってその…ちょっと裏路地チックと言うか。コンクリートに囲まれて、さっきよりは狭いというか…こう本当、怪しさが増していてさ…。」

何だか薄暗くて、あのビルとビルの間にあるお店が並んでいる雰囲気って言うんですかね?
多分好きな人にはたまらない空気感なのも分かるんですけど…僕は苦手でしたね。


「この階のコンセプトは〝荒廃と繁栄〟らしいからな~、それに本当にここは裏路地だぞ?」
「え?そうなの?…じゃあメイン通りってどうなってるんだろう…。」
「そりゃももうお祭り騒ぎだよ、屋台にパレードにと毎日毎晩どんちゃん騒ぎよ。」
「…近隣住民に迷惑なんじゃ。」
「おいおい、住んでるのは人間様じゃねーんだぜ?もうノリッノリで楽しそうにしてるぜ。そもそもそう言うの承諾しねーと住む奴いねーだろうに。」

その時はどんな空気かなんて想像も出来なかったんですけど、その話のメインストリート。
一階の異次元リビング以上に見応えがありましたね。


「まぁ確かにね…え?アコ…あっちの窓…海中みたいなんだけど。」
「お!魚泳いでんな!美味そうだな!」
「いやいや、そう言う事じゃなくて…ってうわぁ!あっち…火山じゃないの?」
「おお、スゲーな!俺様でも初めて見たぞマグマ!…マグマでステーキって焼けるのか?」
「焼けるだろうけど…火力強すぎるからねって違う違う…あぁ、一階なんて本当序の口だったんだね。」
「そうだろうとも!お、次の部屋見えて来たぞ!どんな部屋が待ってるのかねぇ~。」

窓の外一つ一つが全然違う景色で、この家を建てた悪魔の遊び心には本当に驚かされっぱなしでした。
あの廊下、今なら博物館気分で歩ける気がしますよ。





続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

あの、関係無いんですけど。
美術館のあの絵が並んでる雰囲気って、窓に近い感覚あるんですけど。

だから美しい風景を映している窓とかはもう絵画見ているような感覚になるし、逆に美しすぎる絵画を見るとリアルに風景が見えるというような感じが僕にはあるんですが。

…何が言いたいかって言うと、美術館行きたい。

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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