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週一回は出したいシリーズ:「聖王 終わりの移民」 1-4

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

連載漫画に考えていた企画を、今「小説家になろう」の掲載中です。
面白いと思っていただけたら、そちらも読んで頂けると嬉しいです。
https://ncode.syosetu.com/n2644iw/

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【聖王 終わりの移民】1-4
「イントロダクション④」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・高瀬タケル(20)大学に通うヤマトの親友、自分勝手なところもある。
・大継ヤマト(20)タケルの親友、大学では友達も多い。タケルとは真逆な性格。

聖王 終わりの移民

《~イントロダクション④~》

「殺し合いって、ゲームのバトルロワイヤルって意味でしょ?そんな物騒な言い方しなくても…。」
「いやいや、これはそんな生易しい遊びじゃねーよ。スタートからそれは察したんじゃないのかい?」
「自分が何か変なことに巻き込まれたことぐらいにしか…これってどういう技術なんですか?最新のアプリの機能?」
「んな訳ないだろう。そんな技術現代には存在しないし、こんな技術は大富豪の天才トニーでも難しいだろうね。」
「…誰?トニーって。」
「え?ほらアメリカのヒーロー映画の!…知らない?…まぁいいや、ただ俺が滑っただけだな…これは。」
「あの、じゃあこれって何なんですか?」
「え?まぁ初見だからな…教えてやるかい、俺は優しいからね~。」

凄く胡散臭い…鷹っぽい被り物で、飄々と語るこの人は一体何なんだ。
ていうか本当に、何が起きてるんだ?

「ここは【儀式の地】って呼ばれている、まぁ分かりやすく言うとゲームフィールドだな。そこでさっきタケルが読んだ説明通り、十三人のプレイヤーが戦い合うバトルロワイヤル。ここまではいいか?」
「頭で理解出来ても、現状を受け入れるとこまでは…。」
「だよな、分かるわ。んでもまぁ受け入れるしかないからな、ドンマイだ。」

ドンマイって…何か軽いな、益々胡散臭い。

「んで肝心の【アラヤ】の説明だ、【アラヤ】はつまり〝能力〟だ。ほら、漫画とかでもいっぱいあるだろ?〝空を飛ぶ〟とか〝スゲー力持ち〟とか、簡単に言うとそういうのが【アラヤ】だ。」
「簡単すぎて、大事な部分が正直分りませんよ…この能力ってやつ、何か〝勇者〟とか名前あったんですけど…。」
「なるほど…勇者ね。あ、でそれがその固有能力を表す名前な。ただ気を着けろ、名前=能力開示だからな。〝僕はこんなこと出来るよ~〟って教えているようなもんだから迂闊に教えると負けるぜ。」
「え?その能力って名前だけで分かるもんなの?僕全然分かんないんですけど…。」
「分かりやすい名前もあるし、このゲームをプレイし続けているヤツなら一度や二度出会っているかもだしな。最初から能力攻略されているなんて、初見殺しも良いところだろ?だからだよ。」
「え、じゃあ僕の能力今あなたに教えたってことに…?」
「まぁな。」
「あの・・・忘れてくれませんか?」
「無理だろ、そんなこと。めちゃくちゃ分かりやすい&覚えやすい名前だしな。」

うわぁ、何かやっちゃった感凄い感じるよ…。

「大丈夫だ、俺はそんな卑怯な真似は好きじゃないからね。代わりに俺の能力も一つ教えてやる。俺の能力は【鷹の眼】って言うやつだ。ほら上見て見ろ。」

言われるがままに空を見上げると、高い場所を鷹が飛んでいるのが見える。

「アイツが俺の使い魔の〈天〉だ。アイツの眼を借りて俺は周辺のプレイヤーとか広さや高さ、空間を把握できる。」
「え、じゃあどこに誰が居るとか分かるの!?凄い便利じゃないですか!」
「そうともよ!それに俺にはもう二つ、【アラヤ】がある。お前も、もう一つや二つあるんだろ?」
「それは…。」
っと危ない、今もう一つを言いそうになった…。
「お、勉強したな!偉いぞ~。まぁつー訳でこの【アラヤ】を駆使して戦うのがこの【聖王】って訳だな!」
「あの、【理想の人間を想像する権利】って…どういう意味なんですか?」
「それな。…まぁ最初はこの辺真に受けているやつは大体おかしな奴だからな、タケルがまともで良かったよ。」
「え?だってこれゲームですよね?言葉のまんま受け入れる訳…。」
「言葉のまま受け入れても支障はない、本当にゲームにクリアすると〝自分の欲しい人間を造れる〟んだから。」

このヘルメットみたいなモノの中で、どんな顔して言っているのだろうか…。
でも、何だか嘘をつきそうには思えない…胡散臭いのに。

「俺はこのゲームに5回勝利した、そして5人の人間を造った。…って言われて信じる奴は居ないけどな。でも事実なんだ、今タケルが置かれている現状が物語っているとは思わないか?」

確かに…この妙な状況、それに面を着けたときの痛み。説得力は十分だけど、そんな神様みたいな話…。

「まぁ今は信じなくてもいいと思うぞ、どの道勝てば分かることだしな…。」
「あの、てことは最初の〝殺し合い〟って話も…。」
「そうだとも、これは本当の殺し合い。倒されれば…いや殺されれば、〝現実世界から存在が消える〟んだ。」
「なんでそんなこと分かるんですか?」
「…俺の親友が消えた。お互いこのゲームのことは黙っていたし、やっていることは知らなかった。ルールにも他言無用と書かれていたからな。…前回の戦いの時、アイツの存在を知り俺は何とか戦いを避けた。一人二人と減っていき、ラスト3人までになった時…俺の目の前でアイツは死んだ。その時まで気に掛けたことは無かったよ…負けた奴がどうなるかなんてね、ルールを読み返したら書いてたよ。」

36、敗者は現実世界での存在が消滅する。但し、ゲーム参加者は敗者の記憶を保持する。

「俺はプレイヤーだったからな、アイツのことを忘れずに今でも生きてるって訳だ。」
「…ツカサさんも、親友を?」
「…〝も〟って、お前初見なんだろ?」
「初見ですけど…このゲームを親友がプレイしていて誘われたまま迷っているうちに…。親友が首なし死体で発見されて、その死んだ親友から葬式の日にメールが来て聖王に招待されたんです。それでゲームをインストールして、親友…ヤマトが何で死んだのかゲームをプレイしたら分かるかもと思って…。」
「ちょっと待て!待てよ…先ずな、そいつはゲームで負けたかどうかは分かるのか?」
「分からないですけど…首なし死体があるんですよ?」
「なら断言するがお前の親友は生きて居る可能性がある!このゲームで負けた奴はそういう死に方じゃないからな…。」
「じゃあ、ヤマトは生きて居る!?」
「そう言っているだろうに!それに…まぁ多分な!絶対じゃないぞ?現実世界で変なことに巻き込まれていなければな…。んでだ。お前にメールを送って来たのは、そのヤマト君なんだな?聖王の運営からじゃなく。」
「…はい、確かに。ヤマトからのメールアドレスで。」

そこからツカサさんは黙って考え込んでいた…どうやら、不可解なことが重なっているらしい。

「いいかタケル、とりあえずお前に今ある選択肢は2つだ。」

〖1、 今回のバトルに勝利して生き延びる。〗
〖2、〝斎〟を探してリタイアを申し出る。〗

「俺は正直、今回は勝ち抜くつもりはない。〝斎〟にリタイアを申し出るつもりだ。」
「あの、その〝斎〟って何なんですか?」
「このゲームの運営サイドのプレイヤー、陰でゲームを管理しているヤツが必ず一人は紛れている。どちらにしても、これからお前に大事なことを伝える。」



続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

元々は漫画のネタなので、何だか説明が足りないなと感じつつも。
荒っぽくても楽しんでもらえるようにと。

頭を雑巾のごとく振り絞って書いてますm(__)m

完走まで頑張るので、応援して下さると嬉しいですm(__)m
何卒、宜しくお願い致します。

※面白いと思っていただけたら、こちらから続きが読めます。
https://ncode.syosetu.com/n2644iw/

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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