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いろんなものを諦めちゃダメ

ドラマのセリフが、妙に胸に刺さることがある。甘えてる自分に喝を入れてくれるような、やりたいことを避けてる自分を見せつけられてるような。

ネットフィリックスで見れるドラマ、『First love初恋』を見て背筋が伸びた。


10代の頃に出会い恋に落ちるも、大人になっても過去にとらわれ続ける初恋同士の2人の物語を描く、感動のドラマシリーズ。
タクシー運転手として札幌の街を日夜走り続ける也英。さかのぼること数十年前、高校生だった也英は、客室乗務員になることを夢見ながら田舎の町でくらしていた。

Netflixより


也英(満島ひかり)は、大学生のときに事故にあって、両思いだった初恋の人を忘れてしまう。その後、夢だった客室乗務員になって、お金持ちの人と結婚して、かわいい子どもがいた。

すれ違いが大きくなって離婚し、タクシードライバーをしながら一人暮らし。中学生になった子どもが泊まりにきて、一緒に過ごす時間を楽しんでいた。多くを望まず、ただ普通に生きるように心がけていた。


也英は、学生のときから頭が良く、英語のスピーチコンテストに学校代表で選ばれたり、優しい彼がいて、満たされて、母親が喜んでくれるのが嬉しかった。

客室乗務員も、結婚も、子供といる時間も、望みが長く続くものではなかった。失ったものは、あまりにも大きい。だから、多くを望まず、こじんまりした範囲で、些細な幸せに微笑む生活を送っていた。


タクシードライバーの先輩の旺太郎(濱田岳)から告白される。断ったあと「好きな人がいるの?」って聞かれた也英は、「その人が、どこで誰と一緒にいても私は幸せです。」と言った。

もう自分の気持ちにふたをして、諦めていることに慣れていた。いくら努力して望んでたって、ダメになることもある。大きな幸せが無くなった経験がある人は、あまり期待しないようになるのかも。


私が恋愛をしてきて、5年付き合っても、仲良しでも、周りからうらやましがられるカップルでも、お別れのときがきた。そのたびに、深く考えないようにしよう、お互いが合わなかっただけって思うようになっていった。

落ち込み過ぎない言い訳を自分の中で作り上げて、しょうがないこととして納得するのが身についた。そう思ってないと、一緒にいる幸せが無くなるショックに耐えられないから。

そこに、也英を好きになった旺太郎が告白をした。旺太郎からすると、つつましく一生懸命に生きる也英は、かわいらしく感じたのかもしれない。だけど、也英からの返事は諦めそのものだった。


その也英に、旺太郎は大きい声でこう言った。
「逃げるな、前を向け、息を吸って前進しろ。
傷ついたって、みっともなくったって、人生は飛び込まなくっちゃ」

傷つくたびに、人生に逃げ腰になってたなって私がハッとさせられた。やりたいことに挑戦しているわけでもなく、できる範囲のことを無難にしていることを、「甘えてるんじゃない」と言われたように感じた。


好きな人に告白したら断られて、「いや、好きな人はいるけど相手がいるんだけど、私はそれでいい」なんて中途半端なこと言われたら、「しっかりしろ」って言いたくもなる。

後押しされたからか、最後に初恋の2人は、そろって海外へ大冒険に出る。並木晴通(佐藤健)は海外の飛行機のパイロットになり、也英は、晴通の居場所をさぐりながら後を追い、また出会う。


宇多田ヒカルの『First love』は別れの曲だけど、このドラマは、いろんな出会いと別れが描かれている。ひとつひとつに自分の中に”あなただけの場所がある”ほどに濃い人間関係がある。

こんなに、もう一度会いたいって思ったり、相手の言葉が胸に残るような
人ってそうそう現れない。人生の大事なポイントには、有難い出会いがあるのかもしれない。

辛い出来事も多いけど、それでもまた人と出会って、一緒に過ごしたいなって思う。忘れたくない思い出や気持ちを大切にしながら。

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