食べれなかったのに完食した理由
悪性リンパ腫(検査中)の父は、食欲がなくほぼ何も食べない日が続いている。
そんな父がハーフサイズのカレーを完食した。その理由が頭がもげそうなほど納得するんだよ。
朝6時起きで病院に行き、採血を2〜3回して、いろんな部分のエコーを撮って帰るのは夕方。そんな毎日だった。
朝早くて、病院で何時間も待って、いくら検査をしてもすぐには病気がわからなくて、父がどんどん動けなくなってきて、正直私も食欲がない。
そんなある日、主治医の先生から「PET検査を受けてきてください」っと言われて違う施設に行くことになった。
これは気が紛れることになるなって無理やり明るい気分に切り替えた。いつも通らない道を運転するから、マップを見てシュミレーション。
父は道に詳しくて運転が上手だから、頼りにしたいところなんだけど、「ゆっくり運転すればいいよ」って期待外れのアドバイスが妙に悲しい。
父が大変なときに、まだ頼りたい甘っタレ自分に喝を入れて、しっかり道を把握しよう。
当日は、1時間で到着するところを2時間前に家を出た。何があるかわからないから。実際は1時間もかからずに到着して、駐車場で待機。
終わったのが2時間後くらいかな。もう夕方になるところだった。帰りの車の中で父が「お腹すいたね」って。
えー!!!
久しぶりに聞いたセリフ!
この機会を逃すまいと、最初に見えたファミレスの駐車場に滑り込んだ。ファミレスも久しぶり。
いつもはお腹が満たされるメニューしか見てなかったけど、ハーフサイズのメニューがこんなに種類があるのを始めて知った。
その中で父が選んだのがハーフサイズのカレー。目の前に来たカレーは、キレイなお皿にフワッと盛られて、ハーフサイズとはいえ美味しそう。
それを見た父が「これなら食べ切れそう」と言った。今日は意外な言葉がいくつも飛び出す日。
大好きなカレーを少しだけ食べれるし、キレイに盛られた料理は食べること自体にウキウキしてくる。嬉しいだろうな。
カレーを胸に落としてしまい、「もーお父さんったら〜」って拭き取る母もすごく嬉しそう。
いつもは「無理してでも食べて」って父に対して悪役の顔を見せてるけど、食べれない人に食べさせるのって思ったより大変そうだ。
そして、渋滞しているうちに暗くなってた帰り道は、ぐっすり眠っていた。
家に着くと「今日はありがとう。体は辛かったけど、疲れたお陰で久しぶりに食べたいって思ったし、久しぶりに熟睡したよ」って話してくれた。
いつもとは違うことってしんどいけど、その環境に合わせないといけないことが刺激になった。それにしても、カレーが大好きなんだね。
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