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現代版桃太郎 生誕編 第九話

火災翌日

明、大吾の家は、1日にして黒い土へと化した。
黒い土は2人の家だけでなく、隣家までも巻き込んでしまい、大吾、明は無事であったものの、何人の人が、黒い土へと化してしまった。大吾が公園で遊んで、拐われた女の子。あの子も人の形にはもう戻れなくなった。

『ニュースです。昨日岐阜県で、大規模な火災が火災が発生し、小学生の女の子を含む六人が死亡。

市営住宅に一時的に住む、大吾と明。大吾はこの知らせを聞いて体が震えている。

大吾『もしかして、、』
明『心当たりはあるのか?』

大吾『あの子かもしれないんだ、、俺が片想いしている、、』

実は公園で遊んでいた女の子とは、大吾が一目惚れした女の子。理由は、、クシナダにそっくりだからだ。クシナダにそっくりという理由で誰かに恋し、別れるのも三度目。まるで光源氏だ。

すると、女の子の母が来た。
大吾の母が対応した。その人は大吾を呼ぶように言った

女の子の母、、大吾が恋した、幼稚園の先生だった
大吾は顔を真っ赤にし、目から涙が流れた。しかし、先生の表情はあの時の優しい表情ではなかった

先生『娘から、、大吾の事は聞いてました。かつての大吾の姿と、、重なる部分がありました。。しかし昨日は、、あなたの家で、、娘が亡くなったと伺っています。』

大吾の母『いや!私はあの女の子にあってません!!私は家で1人でいて、誰かに縛られた後!火がつけられたのです!見てください!この腕を!字が残っているでしょ!!』

先生『ですが、大吾公園で遊び終わった後、家に連れて、やったと思われます。大吾!正直に言いなさい!!』

先生は、激昂していた。娘が殺されて、誰が殺したかさえもわからない。ただ大吾は遊んでいる時に見逃していただけで、それを謝ろうとして、大吾が言った瞬間だった。

明『大吾が言ってる事は本当です。』

先生『明?あの時仲良かったからって友達を庇う事はないの!』

明『だったら、僕の家の車があります。あの時のまま、誰も乗ってません。証拠に、トランクにロープと煤があります。なんなら少し匂いがします』

明のいうがままに、先生は車の中を見た。その瞬間

先生『嘘でしょ!だったら誰が、、??』

明は追い討ちをかけるように

明『先生、だから言ったよね?先入観で人を疑っちゃいけない。これ、僕が先生に教えられた事だよ!大人って、、自分が言った事を完璧にできるものかと思っていた』

大吾の母が明に注意する。先生は泣きながら何も言えずうずくまったままだった。それを見た大吾は

『ねぇ、もう泣かないで、もういいから、先生、今は無理だけど、またいつかあの時の笑顔見せてよ、』

大吾の心が大きくなった姿に先生は感動して、大吾の胸に逆に飛びついた。大吾はこの状況下であったが逆に興奮した。

すると、クシナダが来た。大吾の母はもう来ないでと言ったが、クシナダは大吾の母にどうしても伝えたい事があったらしく、2人で別の場所に移動した。


大吾の母『いや、あの時は助けてくれてありがとう!だけどね!あの時のこと、、許せないと思っていたんだけどね』

クシナダ『そうゆうことです。なので家出してきました。』

大吾の母『まさか大吾を助けるために、、』

クシナダ『はい。私、、』

そういうと、大吾の母は、生まれた時のこと、突然自分の決断で幼き大吾とクシナダを引き離したことを思い出し、感情的になった。

大吾の母『だけど、大吾、まだ小学生だから、、恵ちゃんも、わかるよね、、』

大吾の母が、恵 と呼ぶのは初めてだ。幼き頃はクシナダと呼んでいた。あの事が許せなかったが、大吾の母は桃太郎が火災の首謀者ということに気づき、クシナダへの信頼が戻ったためであろう

恵『今すぐ、会えますか?』

大吾の母『恵ちゃん、、あ、ところで今中学生なんだっけ?』
恵『はい!、、ですが、、も、もう一度通い直さないといけませんね、、』


仮設住宅の部屋では、幼稚園の頃の時間が戻っていたかのように、先生と明、大吾の三人で遊んでいた。さっきの怒りとは別に。先生にも笑顔が戻っていった。

夕暮れ時、帰る先生に、クシナダが

『池田桃太郎の娘の恵です。私は今日で池田を名乗るのを辞めました。娘さんの無念を晴らしましょう』

クシナダの事は明から聞いていた。ここで先生とクシナダは結託した。2日後、隆也、明、大吾の母とも合流し、桃太郎に反抗するため、


共に岐阜を出た


この状況においても、大吾はまだ恵さんが
クシナダである事は気づいていない。大吾はクシナダの存在を忘れかけ、再び先生に恋心が芽生え始めた。


10年後

愛知県岡崎市、岡崎高校入学式

クラスメイトの表に 

1年5組

2 池田大吾

4 大村秀章(※1)

5 神田 恵(※2)

7 高円寺 海斗(※1)

8 児玉 結衣(※1)

19 仁村 明

36 和倉隆也(小学生編の石川隆也)

中学からの大吾の友人、高校から同級生となると隆也、そして、高校入学までかなりの歳月をかけた、クシナダがおなじクラスとなった

1人を除いて、彼らは共通の意識がある

反 池田桃太郎 ただ一つであった。

                   続く



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