ある男

今日は平野啓一郎の原作小説である「ある男」の映画を鑑賞してきました。

ネタバレ注意です。映画を観ていない方はこのnoteは見ないでください。

ある男=xの正体は?

結論から言いますと、この映画はとても見応えがありました。しかし、この映画だけではまだ消化不良な部分があるので、それを埋めるために文庫本をしっかりと読み込もうと思っています。

まず、映画の内容として、今まで見たことがないような内容でとてと新鮮なものでした。

また、ストーリー展開も要所要所で観客に疑問を植え付けて、それを少しずつ回収していくような構成となっていたので、観客としては映画を集中して見ることが出来ましたし、また、それがとても心地良かったです。

役者さんたちの演技もとても素晴らしかったです。とくに、ベテラン俳優さんたちが放つオーラと重い言葉が映画に奥深さをもたらしていたように思います。

愛とはなにか?家族とはなにか?親子とはなにか?遺伝とはなにか?

様々なテーマがこの映画には含まれています。

人間社会でまともに生きていくために、どうしても嘘をつかなきゃいけない状況に置かれた人間の心の叫びや葛藤。それを理解しようとする周りの人々。

また、人間、誰しもが大小はあれど、裏の顔を持っています。そういう人間の醜い部分を敢えて映画のなかに意図的に入れ込んでるシーンがあるのですが、その辺りの観客への投げかけや問いかけは深く考えさせられました。

ホンモノの愛や喜びをしった人間の美しさや尊さなんかもこの映画から学び取る事が出来ます。

人権、差別、境遇、生い立ちといった、広く深いテーマがベースとなっているため映画を観終わっても、色々と考えてしまいます。

答えのない、正解のないテーマが好きな方はとくに観て損はない映画だと思います。おすすめです。

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