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【本との出会い 52】登場する食べ物に微妙に惹かれる小説~「こんにちは母さん」~

1.Audibleで一気に聴くことができました。



全国のお母さんの出番です。
そんな、フレーズで始まる映画予告。

お母さんが、吉永小百合さん。
その息子が、大泉洋さん。

どうにも、すてきな親子のお話です。

と思いきや、企業リストラ、夫婦別居、親子の対話など、現代の代表的な問題に囲まれた主人公(大泉洋)の、心持ち、立ち振る舞い、の描写がとても辛辣で、のめりこんでしまう内容でした。

最近、文庫化された書籍です。
著者の、小池水音さん。おそらくはじめて読ませていただきました。
と、いっても、Audibleですが。

2.登場する食べ物に妙味惹かれる

私は、この本のいくつかのシーンで登場する食べ物の描写が妙に好きになりました。
その中のいくつかを紹介します。

①宅配の酸辣湯


主人公の一人暮らしのマンションに宅配される酸辣湯。相当美味いらしく、他の料理も高評価、独り暮らしとデリバリーの中華料理、の描写がとても自然です。

②うなぎ


母さんと食べようと誘いますが、結局食べることないうなぎ。
幼少のころ、その家のごちそうだったらしい。
ああ、うなぎをしばらく食べてない。
自分の幼少の頃、母が作ってくれたうな丼。確かに特別な料理でした。

③すき焼き

母さん、息子、孫娘の食卓、すき焼き。
その描写が、リアルで、読んだ日にすき焼きを食べました。

卵で食べる前の、一口目の肉。
牛脂で牛肉を焼き、砂糖と醤油をかけてまず食べるあの味。

3.全国のお母さんの出番です。

なんて、いいフレーズでしょう。
世知辛い世の中、寒い世間の風。
それに疲れた大人たち、こどもたち。
やはり、帰れる場所は、お父さんではなくお母さん。





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