【本との出会い30】辻仁成「父ちゃんの料理教室」
林真理子さんが言ってるように、「作りたくなる」料理本です。
1.息子に語りかけながら作り方を教えてくれる。
辻さんと「料理」というのは、意外と知られた組み合わせらしく。
シングルファーザーとして、一人息子を育てるにあたり、料理こそが幸せをはこび、料理ができることで人を喜ばせる大人になれという息子への教えです。
この本は、辻家のキッチンに親子が立ち、レシピを教えながら、息子に人生を説いていく内容です。
フランスが舞台なので、フレンチっぽい洋食が中心ですが、どれもどこでも手に入る食材で作られていて、普通の親子感が漂う内容に仕上がっています。
2.新鮮な食材、旬な食材を料理して食べるという大切なこと。でも、あまりやられてないこと。
食育という言葉が世に出て久しいですが、実際、ご家庭で、学校給食での子供たちへの食の教育環境は、平準化されたものではありません。
というより、現代家庭での食の環境は、核家族化の進行や労働環境の変化の影響で、粗雑になっているケースが多いのではないでしょうか。
逆に、食については、豊富にというより、過剰に供給されるものあまりの状況から、意識が軽視されていると言っても間違いはないでしょう。
加工食品、冷凍食品が行き渡り、スーパーで買い物をしていても、一体何が旬の食材なのか、何が地元産なのか、よく感じることができません。
この本を読むと、市場で買い物をすることの大切さがよくわかります。
この食材は、どう料理すれば美味いのかは、八百屋さん、魚屋さんがわかっているというのは至極当然なこと。
現代の、日本の購買環境で生まれてから育っている子供たちは、こうした環境におかれることが少ないので、食に関する意識が高まらないのもわかります。
辻さんは、子息に「料理のできる大人になれ」「料理ができればいろんな困難を乗り越えれる」「うまいものがわかる人間になれ」とこの本の中でも、伝え続けます。
同時にそのメッセージは、特に日本で生活する現代の親世代へのメッセージのようにも感じました。
3.これはすぐにでも作って食べたい
①スパニッシュオムレツ
これまた、ものすごくシンプルな料理です。
だけど、美味そうです。
こうしたシンプルな料理は、素材の質が問われます。ここでも、新鮮なものを食べるという辻さんのこだわりが見えます。
新ジャガの季節に、新鮮な卵を使って是非作って食べてみたいものです。
もうひとつ、この料理もそうですが、スパイスについてもよく書かれています。多種なスパイスを自分で調合して味づくりをする楽しさ。
これも実践してみたいものです。
②サーモンのパイ包み
もうひとつ、辻さんが言っている大事なポイント。
「オーブンを使う」ということ。
私は、家にオーブンレンジがあるものの、ほとんど電子レンジとして、温めでしか使用していません。
余熱して、オーブンで火を通らせる料理と、ただフライパンで焼く料理との差は歴然としていると言います。
その中でも、このパイ料理。実にうまそうです。
サーモン、鮭の切り身なら、いつでもスーパーにあります。
他の食材は、いたって普通です。
知りませんでしたが、パイ生地というのも、売っているようです。
③他のレシピも載っているので「大和書房」さんのnoteを載せます。
ほかにも、紹介したい料理、レシピが満載されたいい本です。
特に、パスタ系の数種については、是非マスターしたいと思います。
これを機会に、食材について食について、しっかりと考えて、取り組むためにはその楽しさを覚えていきたいと感じました。
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