6月24日は「UFOの日」
ある日、不思議な夢を見た。それはこんな夢で、ものすごくリアルな夢だった。
ぼくは並んでいた。
それは長い長い列で、なぜこんなにも長い列に並んでいるのか自分でもよく分からない。ただ、周りを見るとぼくと同じくらいの男の子や女の子ばかりで大人はいない。
右手に何かを持っている。それはチケットだった。
あまりにもぼくはそのチケットをぎゅっと握っていたから、チケットは少しぐしゃっとなっていた。そのチケットには『130/130』と印刷されていて、そのほかには特になにも書かれていなかった。
どんどんと進む列。列の先頭あたりは光がまぶしく輝いている。直視するのは難しかった。いったいあの光っている所には何があるのか? またぼくはチケットをぎゅっと握った。
周りにはたくさんの子供がいる。それなのに誰一人周りの子供とおしゃべりをする子はいなかった。静かで不気味だった。
そんな不思議な夢からさめた朝。
あまりにもリアルな夢だったため、起きてすぐぼくは右手のチケットを確認した。確かに持っていた手の感覚はあるような気はするが、もちろんチケットなどはなかった。
いつも通り朝食を食べ、ランドセルを背負って学校に行く。いつも通り、何も変わらない一日のはずだった。
授業中も給食の間もやっぱり昨日の夢の出来事が頭から離れない。
いったいあの不思議なチケットを使って自分はどこに行こうとしていたのか?
放課後、ぼくの班は教室のそうじ当番だったので、ぼくが最後の戸締りを確認して最後に教室を出ることになった。さぁ帰ろうと思ったその時、何気なく振り返った教室の、ぼくの机の上に何かが置いてあった。
ぼくは妙に納得し、あぁなんだこんなところにあったのかと、その机の上のチケットを手に取った。
ぼくは夢と同じようにチケットをぎゅっと握り、チケットは夢と同じように少しくしゃっとなった。
学校から出たぼくは当たり前のように家とは反対の方向に歩き出した。
到着したのは工事が途中で放置された空き地だった。そこにはすでにたくさんの子供たちが集まっていて、きちんと一列に並んでいた。ぼくはそのまま列の最後尾に並んだ。
そのうち、空き地に発生した大きな光に先頭の子供たちから次々と消えていった。少しずつ動く列。
そんなに時間はかからずにぼくの順番になった。どうやらぼくが最後のようで、光の前でチケットを差し出す。
130/130
ぼくの身体は光に包まれた。
*****
「えー速報です。昨晩より都内に住む小学生の児童、100名程度が行方不明となっています。あ、今新たな情報が入りました。不明児童の人数は130名ということです。警察は行方を捜査するとともに……」
「次のニュースです。ネズミより感染するとされ、ネズミの駆除が急がれる東京ですが、昨晩だけでネズミの数が大幅に減少したとのデータを、保健省が発表しました。なぜ一晩でここまで減少したのかは現在調査中とのことです」
6月24日は「UFOの日」
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