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8月18日は「高校野球記念日」

高校野球をゴーンさんの部屋で見ている白クマさんであった。ゴーンさんの部屋を訪れたのは二人でテレビでやっている高校野球を観るためでは決してない。

クーラーのない白クマさんは暑さに耐えきれず、ゴーンさんの部屋に上がり込んだのだった。そして偶然ついていた高校野球を観て感動している白クマさんなのであった。

「ゴーンさん、やっぱり夏と言えば甲子園だねぇ。見てごらんよ。あの球児たちの晴れ晴れとした姿をさ、額から落ちる汗。真っ白なユニホームでスライディングして汚れるあの姿。あぁ素晴らしいね」

「へー白クマさんって高校野球好きだったんだ。知らなかったなぁ」

「いやー僕もさ、この真っ白な体をスライディングして汚してみたいもんだよ」

「何言ってんだよ。この前アパートの住人でバーベキューパーティーしたとき、教授が焼き肉のタレを白クマさんに飛ばしちゃって、ものすごく怒ってたじゃない。ここがアメリカだったら裁判だ! とかなんとか言ってさ」

「えーそんなことあったっけ?」

「そんなことあったっけ? じゃないよ。漂白しなきゃいけないってプンプン怒ってたよ」

「やめなよゴーンさん。神聖な甲子園球児を前に焼き肉のタレが飛んだ話なんてどうでもいいよ。むしろ失礼だよ」

「いやいや、白クマさんの話だからね」

「そういえばさぁ……」白クマさんはテレビを観ながら言った。

「これって、どうしたら勝ちなの? あの棒で相手を叩くの?」

残念ながら白クマさんが育った北極では、野球は流行っていなかった。

8月18日は「高校野球記念日」

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